「確認」

「もうそろそろ車検ですよ」というDMがやってきた。なんとなく、おーそーかぁ、もう3年かぁとタメ息が出そうなそのお知らせを見ながら、「車検」と「建築確認申請」は似ているな、と以前に感じたことをと思い出しました。というのは、車検は検査後の2年ないし3年間は車の安全を約束してくれるものではなく、基本的項目に関しての確認。「建築確認申請」も同様で、提出された書類に不備がないかの確認で、安全性を保障したり、チェックするものではない。しかし、両者とも、車検を通る、建築確認が下りることが、役所の補償と同義であるよう思われている節があるからです。特に、建築確認に関しては、姉歯事件発覚後に頻繁に聞かれた発言”建築確認が終わっているから安全な建物ができると信じていた”が、一般的な認識を象徴しているように思いました。設計する側としては、その認識は役所に対する過大な期待ではないかと思う反面、設計者の存在感の低さも見え隠れしているようで、複雑な気がしました。いずれにせよ、整備士であろうが建築士であろうが、資格保有者は依頼主の代理者として行動し、また、依頼主も信頼できる代理者に出会うことが大切となるのでしょうが、お互いの顔が見えにくくなっていることも、「確認」を「補償」と読み間違える原因なのではないでしょうか。

2006年11月19日