BOSE VIAとの出会い

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 購入の2年ほど前に会社にプレゼンの仕方
という名目でこのVIAを売り込みに来た。
 プレゼンのお手本となるだけあって見事な
口調と演出であった。
 100名ぐらい入る大きな部屋である。
 本体を巾3m立て
1.5mぐらいの大きなカバーで覆い、
いかにも大きなスピーカが入っているような
イメージで音楽を流していた。
 低音がよく出て中音との繋がりがよく
プレゼンにしては質の良い自然な感じで聞こえていた。

 どうせ大きな高級品をセットして
鳴らしているのだろうから
これぐらいの音質はあたり前かという感じで
席について聞いていた。
 説明者は何曲か太鼓やベースの入った
比較的低音が多いソースを
部分的に聞かせてはその良さを強調していた。
 私はプレゼン者の声よりもそこから出てくる音に
たいへん興味を持って聞いていた。

 いったいどんな装置で再生しているのだうろか、
早くカバーが外れるのをわくわくしながら待っていた。
 自宅のオーディオ装置もそこそこいい音と
日ごろ自己満足しているのでなおさらである。
 やがてカバーがパットとられた瞬間、
ウオーッと喚声。
 正直、私もまさかこんな小さな箱から
あのふくよかな低音が出ているとは
思いもしなかったのである。

 やがてプレゼンが終わり質問の時間に入り
数人がスタッフに質問していた。

 質問はプレゼン手法より
この装置の質問に関する内容が圧倒的に多かった。

 即売もしているとのことでその場で何人かが
ローンとかで購入予約を入れていた。
 私もその場で購入意欲をかなりくすぐられたが
価格を聞いて二度びっくり。

 一度はこの小さな箱から出てくる音、
二度目はその価格である。

 価格を聞いてから何か音的にもっと他に
欠点はないのかという姿勢に変っていた。

 その場に用意されていたいくつかのソースを
スタッフにお願いし再生してもらった。
 小さな箱から出る音はどのソースを聞いても
なかなかいい感じである。
 しいて問題として言うのなら
音の定位がぼやけていること。
 じっくり腰を椅子に据えて聞く装置ではない、
あくまでもイージーにリビングで
ちょっと贅沢ないい音で聞きたい人には
ぴッたしの装置。

 しかしこの価格とその売り方がどうも
何か怪しげでふさわしくない。
 普通の販売店には置いていない。

 実は懐がさびしいのが本音だったので
予約は入れなかった。

 その後その装置の存在がどうしても
気になっていたので機会あるたび
インターネットで検索してみたが
ヒットしなかった。
 そのうちにその存在もすっかり忘れてしまい
数年がたった。

 2006年6月10日再び偶然にも
この装置と再開した。

 場所は池田市民会館で関西ハムフェステバルの会場。
 その日、娘と二人で会場を見回って
偶然このコーナに出くわした。

 この装置の予備知識が記憶に
残っていたので私はあまり質問は
しなかったが
娘はこの音に魅了されたようで
その担当者と話がたいへん盛り上がっていた。
 どうやらセールマンは娘を私の奥さんだと
勘違いしたようでしきりに娘にPRしていた。
 娘にとってはえらい迷惑な話であろう。
 数年前に初めて出会って
購入を真剣に考えていた経緯もあり
今回の購入の判断にはあまり時間は必要としなかった。
 その場で即予約を入れてその場をあとにした。

 しかしながら帰りの電車の中で
どうしても価格が気になっていた。
 家内にどう説得させるかを考えると
あまり喜べない心情である。
娘には5万円ぐらいのラジカセと言うように
口封じしておいた(笑)。
 女どおしだからいつかはほんとの
価格がばれるであろと思うがそのころにはすでに
時効になってだいぶ怒りが薄れているであろう。

 家についてすぐインターネットで検索してみた。
なんと数件ヒットするではないか。
 ヤフオクでの検索でもヒットするのには驚き。

 中古価格を見ると購入価格のほぼ半分かその
ちょっと上の6割ぐらいなので
契約した後悔が大きく出てきた。
 新品価格での出品もあったが
会場での契約価格と全く同じだったので
それはそれである意味ほっとした。

 早速電話して契約解除の申し入れしたら
あっさりと受け入れしてくれた。
すぐその後にヤフオクで検索し
中古で数件あったうちの希望落札価格の
一件に目をつけ即落札した。
 少々高めかなと思いつつ
他に出品者の安いものもあったが
それが終了するまでどうしても待てなかった。
 その日の内にネットで振込を済ませ
後は商品が届くのを待つだけ。

 この間は最近に無くわくわく感でいっぱいであった。

  どこにセットしどんな使い方をしようか思案のしどころ。
 私は電子楽器の演奏も楽しむので
手持ちの楽器アンプに置き換えたら
どんな音がするのだろうか。
 これは一番初めに試したかった使い方。

 もちろん自己満足の
我オーディオセットとの聞き比べも楽しみ。
居間にあるYAMAHAのYST800ウーハーを
使った5.1chシステムとも
比較してどうだろうかとかで頭の中は
計画ばかりで装置の落ち着き場所が定まらない。

 数日してやがて待望のVIAが届いた。
 すぐCDを入れての音出し。
 会場でデモしていた音とはちょっと違うようが
中低音が力強く出ている。
 ボリュームを上げるとさらにその良さが出る。
 立て続けに生録音したライブのMDや
いろいろなソースを入れ聞きまくった。


ウッドベース、太鼓、ドラムが
多く入ったCDを次々にかけかえた。

 自然にボリュームを上げてしまい
隣部屋でテレビを見ていた妻に
「うるさい!」の一言。
部屋を通りがけの妻から
「また何を買ったの?いくらしたの?」
とっさの質問に「CDラジカセや、5万円や」
と答えた。
 居間のテレビには5.1chが頓挫しているので
当分この装置は繋がないでおこうと
この時に決心。
 ねほりはおり聞かれるのがいやで
やがて値段がばれてしまう予感がしたからである。

 とりあえず繋いで一番気に入ったのは電子楽器。
 普段これにはローランドの30cmウーハと
ツイータ入りの2ウエイのシステム(下写真)で
楽しんでいたが断然VIAの方が良く、
演奏していても気分がいい。
音に広がりがある。

持ち運び用専用ケースがあるので
あちこち気に入った場所へ移動でき、
しかもいい音で楽しめる。
当分この使い方で遊ぶことになりそう。
こんな小さな箱でこれだけの音が出せるのは
ちょっと他に類が無い。


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