7800の個人的評価(その2)

DSP IF FILTER(PBTを含む)
これに付いては満足である。PBTを使用すれば信号を100hz巾のてっぺんにセットすることも、50hz巾で聞くことも出来る。9+60dbの信号が200hzの差で出られたら打つ手無しだがたいていの信号は分離が可能。昨年、5Aとコンタクト中にJA3からと思われる妨害電波が300hz上に出た事があるが全く妨害にならなかった。PROIIでは結構あおられるケースが多かったので違いがわかる。

AF FILTER(設定がSOFT/SHARPとあり、切替出来る)
これは少しゲイン低下があるように感じられるが、なかなか有効である。特に雑音と同じ程度の信号を聴くときには背景雑音が減少して有効なことが多い。160mのDXを聞くときによく使っている。バンドが混んでいない時はIFを600hzぐらいにしてAF-FLを入れると割合聞きやすい。200hz位のIF巾でAF-FLを入れるとAF-FLの帯域によっては、逆に信号が聞きづらくなるケースもある。
AF−FLの帯域巾はSHARPが320/160/80の3段階、SOFTはWIDE/MIDLE/NARROWの区別が設定されている。SHARP/SOFTの使い分けは実戦の時にどっちが聞きやすいかで判断せざるを得ないが当局ではSHARPを使っていることが多い。設定変更は受信しながら出来る。

NOTCH(Auto/Manの切替あり)
SSBの時しか出番が無い事が多いが なかなかの効きである。80mSSBでビートを被せる輩が結構いるがシングルトーンならほぼ完全にキャンセルしてくれるようだ。もっとも、SSBにはあまり出ないので出番は少ないのだが。

NOISE REDUCTION(ノイズリダクション)
SSBでは使った事が無いし、使うような場面に遭遇した事も無い。CWワッチでは とんがったノイズの時に入れると効果がある場合があり、時に応じて使っているが 『う〜ん 素晴らしい』 と云う場面はなかった。

AGCVR(AGCのホールド時間を可変する。AGC/OFFも可能)
あまり必要とすることが無い。SSBで色々なことをして楽しむ方々にはいいのだろうが、CW屋としてはOFF/Fast/Midで充分である。

NB(ノイズブランカ)
いままで全く使ったことが無い。SSB受信時のパルスノイズには効くのだろうが評価は出来ない。。

MONITER
他所に納入された7800が同じかどうかはわからないのだが当局の7800モニター部分は高周波帰還に弱い。モニターの出力が200WフルパワーでアンテナのSWRが1.5以下にもかかわらず全バンドでモニター音が濁る。特にLOW-BANDは出力100Wに下げてもよくならない。ハイバンドでは7800の上にビームアンテナのエレメントがくると症状が激しくなる。購入直後からだがメーカー側で対策を2度してもらった。ヘッドフォンの出力にRF-CHOKEの挿入、1st IF FILTERのVer-up時に再度の対策を実施してもらったが、程度の差こそあれ満足な状態にはならなかった。

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PROIIでは経験したことがなかったので、ヘッドフォンを変更したり、ヘッドフォンのコードにコモンモードチョークを入れたりしたがやはり改善出来なかった。
余談になるがメーカーに昨年の12月、申告した時は世界で2件目ですということだった。当局の運用バンドは160m/80m/30/17/12mの5バンド、アンテナのSWRは全部1.5以下である。結局 メーカーサイドでは打つ手が無くなった。。。。。。

ということで現在はアンテナから来るケーブルに全部、個別にFT240-43とテフロン同軸を20ターン以上巻いたコモンモードチョークを入れている。交流電源にも専用のフィルタとFT240-43に電源コードを7回巻いたチョークを2段入れている。流石に ここまでやると高周波帰還は皆無に近く、モニタートーンの濁りは全く起きないが1つでも外すと発生する。

接地については無線部屋の側に別アースを作り、最短距離で接地してみたが効果は無かった。これだけ高周波に弱い器械は初めてである。(今までが良すぎた。今が普通の状態だというローカルの指摘もありインターフェア防止にも一役買っているので まあいいか?)
この現象はSSBでも同じでコモンモード対策をしないとモニター音は汚い。

まあ アンテナは16mと低いし、木造家屋だし、シールド効果なんて全くないから世界で2件目という名誉なことになったのかも。25m以上のタワーで機器周辺の電界強度が低ければ問題ないのだろう。何故ってダミーロードなら何も起きないから。