コイルの性能測定とQメーターについて

Qメーターの自作
左の写真が自作のQメーターです。160mM-Vアンテナを製作した時にあまりにもコイルのQが低すぎたのか、期待した性能が出ませんでした。そこで昔ヒースキットという会社がキットとして売り出していた回路図を元にして、全部を現代風?にTR/FETで作ってみました。
必要最小限の諸元にしたので高周波電圧発生部は水晶発振、指示部はFETの差動アンプの構成です。高周波整流部に1N60を使ったのでQ=70以上の指示が少し詰まり気味ですが絶対値の正確さを必要とはしませんし、最高は200まで指示可能で自作のコイルをチェックするには充分です。
以降の文に登場するQ値は全てこの自作Qメーターの指示値を、そのまま書いています。較正された値ではありませんのでご承知おきください。


コイルの再点検
早速、160mM-Vのコイルを点検しました。バラックで作ったQメーターの測定では約50近くのQだったのですが、これで測るとまだ悪い数字で38しかありませんでした。別の自作コイル(15μH)は140あるので こりゃあ駄目だと認識を新たにしました。早速コイルを解体しました。Hi

コイルの作り直し
コイルを巻きほぐしながら気がついたのが電線が不足したので2箇所継ぎ足しをしていました。これがQ悪化の主原因ではないかと継ぎ目ごとにQ測定をしていったところ、38〜56〜83と上昇していきます。それで今度は全部を継ぎ目なしで巻いてみました。
しかし、期待したほど改善されずQ=40がやっとこさ。これは元から無理だったのかと再度つぎはぎ銅線でコイルを作ってみました。今度は慎重に接続部分もタップを出す形にしてタップごとにQとインダクタンスを測定していきました。
結果は 35μH−Q=90、80μH−70、120μH−47、185μH−40で継ぎ目無しと変わらないのです。やはり、このようなスタイルではインダクタンスが多いと細い線でQを上げることは難しいということのようです。

左の写真は巻きなおしたコイルの測定中のもの(見難いがメーターはほぼ40ぐらい)、左下はサンプルコイルを測定中でメーターは92を指している。(実測値は100ぐらい)

Q=40を承知でもう1度、アンテナの実験をやるかどうかの結論は、しばらくお預けにしました。やっぱり、せめて80とか100に近いレベルでやりたいが正直な本音です。

どうしたらQが上げられるか
昔,、80mのアンテナに使うローディングコイルの設計について書かれたものを読んだ時にメモったものを古いファイルから探しました。
内容が正確であるかどうかはちょっと自信がありませんが 『コイルのQは使用電線の半径を2倍にするとQは2倍。コイルの径と長さを大きくするとその平方根に逆比例して小さくなる』 と書いています。80mのローディングコイルについては 『最高のQを得る条件は太い電線でコイル長さ=コイル半径である』 とのことだそうで、160mで1ミリは やはり駄目なんでしょうね。Hi

しかし、インダクタンスを一定とすればコイルの径とコイルの長さは逆比例の関係(平方根ですからストレートではないにしろ)ですから、結局は太い線を使う以外に手はなさそうです。

余談で恐縮でっす
だいぶ以前に和歌山のアンテナ屋さんと電話で話した時、アンテナが重いので 『トラップが重いのだから、あれを軽く出来ないんですか? うちはせいぜい100Wしか入れないんだし、3kwのトラップはいりませんよ』 と聞いたところ言下に 『それは無理。ロスを考えれば、どうやってもあの大きさと重さになるんです』 と云われたことを思い出しました。今、その意味がよく判ります。
やっぱり最低1.6ミリは必要ですなぁ。表皮効果は凄い抵抗勢力でがっくり。

あと一つ アンテナの容量を増やしてコイルのインダクタンスを減少させてQを実質的に上げられないかと考えたのですが、現実にキャパシティハットを付けることは簡単ではないので実現出来そうにありません。考案者がこの辺のバンドの可能性について、なにも触れていないのはこんな事があるからかもしれませんね。                       禁無断転載

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