M-Vアンテナの設置パート2
今週はS0のぺディで少しは忙しいかと思ったら完全に暇な週になってしまった。そこで週末に向け、M−Vの再設置をやることにした。今度はベランダ設置なので非常に楽であった。同軸は32mを屋根の上に適当に離してころがしてある。Hi
最初のページで えらそうに同軸の垂直部分は6mぐらい垂直に なんて書いてしまったが5.5mのグラスファイバポールでは そんなことは出来ず、垂直部は僅かに1m。Hi 写真を見て頂ければ一目瞭然、説明の必要はないと思う。
一番左側は道路から撮影した遠景、次がベランダから撮影したもの、最後がおなじみRFチョーク。
高さはコイルの下で丁度6m。アンテナの先端で10mになる。ステーは普通の綿ロープで簡単にひっくり返らないようにしてあるが常時設置には少々心もとないやりかたである。なにしろ容量エレメントが4mもあるのでポールだけでは少し不安である。
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エレメント長 | コイル | 同軸の長さ | 共振周波数 | VSWR | R | jX |
400cm | 187μH | 31.9m | 1775khz | 2.3 | ? | ? |
394cm | 187μH | 31.9m | 1782khz | 2.3 | ? | ? |
366cm | 187μH | 31.9m | 1828khz | 2.3 | ? | ? |
371cm | 187μH | 31.9m | 1818khz | 2.3 | 33 | 12 |
371cm | 187μH | 31.9m | 1810khz | 2.4 | 51 | 9 |
371cm | 187μH | 31.9m | 1825khz | 2.4 | 23 | 2 |
設置、調整(今回は楽勝やった)
ベランダ設置ですから今回は半日で全部終わった。設置に3時間、調整に2時間でほいほいである。一番時間を食ったのは同軸の張り巡らし。屋根の上を適当な距離を空けて往復している。全長は31.9m、前回の5D2Vを使った。
エレメント長のみの調整で共振周波数は追い込めた。
43khzを29cmで変化出来たので1cmあたり1.5khz平均の変化が得られることになる。
中心を1818khzにした時のSWR変化は以外に少ない。
一応、MFJ259Bの測定では上記のような値になったが、実際に送信機から100Wの電力を供給してVSWRを測定した結果は1815khzで1.8 1810khzで2.0 1825khzで2.5となった。勿論チューナーで簡単に追いつけるレベルである。
SWRの最低値は同軸の長さでは変わらず、共振周波数だけが変化した。大きくは変えていないが1cmあたり1khz弱であった。これはインダクタンスとの関連があるので一概に決め付けられないと思う。80mの時はあまり変化しなかったのだが、今回はかなり敏感である。
なお、100Wの電力でRFチョークの動作を調べたがアンテナ側では派手に蛍光灯が点灯するが送信機側では全く点灯せず、器械の金属部に触れても電撃は受けなかった。僅か1分間のテストだがコアの発熱はなし。80mの実績から見てまず大丈夫と思われる。
簡単な比較
まず1782khz(USB)の漁業無線のワッチをしたが17時の受信ではT-DでRS45(ノイズがS=4.5)で M-Vが42(ノイズはゼロ)でSN比はM-Vの方が良いが信号レベルは80mの時と同じようにSにして3ほど低い。18時の結果はT-DでS=9 M-VでS=6であった。
ついで 悪名高きBYのジャミングが出ているので1818khzで受信比較をすると やはりSにして3から4の差があり T-Dでは9、M-Vでは5〜6であった。双方とも同調はしていないが1911khzの国内電信でも同じような差が見られた。地上波の電界測定はいつもお世話になるOMがXYLさんと故郷へ半月ほど帰られたのでまだ出来ていない。今晩、もしも違う受信対象があれば比較してみるつもりである。
シュミレーションとの比較
最後に設計値との比較をしてこのページを終わりたい。
M-Vデザインによる設計値は 1823khz エレメント 3.73m 容量推定 39ピコ コイル 194μH である。
私が実際に設置した値は 1818khz エレメント 3.71m 容量推定 不明
コイル 187μH であり、誤差範囲といえる。
MMANAゲイン予測は M-V 1780khz 地上高6m カウンター水平42m折曲げ設置 地上4m コイルQ=60 ゲイン −13.5dbi
T-D 1780khz 給電点15m 補助エレメント 35m(引下ろし15m、残り水平設置)接地抵抗13Ω −4.5dbi
計算上の差は 9dbである。当局の受信機も一応SSGで較正らしきものをしてあるので、浜田漁業無線局のレベル差がいくつになるかを推定してみると T-D S=5 と M-V S=2 の差は7db、S=9 と S=6の差は8dbである。従って MMANAの計算とも さほど大きく違っていないことになる。M-Vの地上高を上げるとこの差は小さくなることが考えられるので、意外に利用価値はあるかもしれない。
最後に設置する時の最大必須条件は周囲に何もない所へ立てなければ駄目だということである。私が最初 失敗したのはタワーの側面を利用し、尚且つマストまで側面に置いたこと。強引にマストの先端へ乗せていれば、今回のように数回の調整で終わったかもしれない。
しかし、今となっては もう一度上げる気にはなりそうにもない というのが正直な感想である。(GNドロッパーの方が楽、利得も多い)