送信と受信テスト
やはり作った限りは送受信をしてやらないといけないと思い直し4月15日20時から21時まで試験電波を出してみた。幸い ローカルの方が受信に協力してくださった。その結果は  既存のタワードライブ 59+40db  M-V(ベランダ設置) 59+30db とのこと。10db差。
レポートを160mで送って頂いたので受信しながら切り替えてみた。(ATT18db ON) T-D 59+10db M-V 59+αでほぼ8〜9db差。送受ともに同程度の差が確認できた。

海外の通信実績では 4月15日に RA0LV TD 589/MV 449 のレポートをもらった。翌日JD1が329(M-V)で聴こえたのでMーV(100W)で呼んでみたが返事はなく、これ以外の交信はできなかった。

ということでコイル位置が6mhのM-Vでは海外のDX相手には、とても実用になりそうになく、あとは如何に高さを上げるかが宿題だが私の所ではあと3mプラスの9mが限界。(風対策をどうするかも考慮しなければならないが) やはり、周囲の建物より低い位置にコイルがあるのは駄目ということではなかろうか。((結局 電流最大点(通常なら給電点)の高さが低いということなのだが)) 

最終テスト(コイルの高さ 8.5m)
4月23日16時 ローカルのOMに受信協力をして頂きました。2m強上げた効果は充分あったようです。T-D 599+40db M-V599+37dbほぼ同じレベルになったそうです。若干M-Vの方が弱い(−3dbくらい)そうですが、地上波でのテストですから、まあいい線でしょう。
前回は17mまで上げてー3dbでしたから、8.5mでー3dbなら満足すべきなのでしょう。(言い換えればタワーサイドの17mでー3dbは やはりロスが多いのですね) コイルのロスを減らせれば9mhで追いつける可能性が出てきました。  これでは最終テストではなくなるかも。Hi
しかし、どうやってポールを固定するかが大問題です。(写真参照)

左が遠景、右がベランダから撮ったものです。ベランダの床と支柱を利用して固定してありますが風には全く耐えられません。Hi(写真はクリックで大きくなります)いずれにしても やはりタワー側面にM-Vを乗せることは止めたほうがいいということだけは証明できたと思います。なお、2.5m高くした結果同調点が16khzほど高くなりました。MFJ測定ではSWRの最低点が1835khz(SWR2.1)、100W送信では1834khz(SWR1.7)。

受信テスト 及び この実験で判ったこと
4月24日朝4時半からVU4の160mを狙って受信開始。狙いどうり出てきたが信号は539. いつものメンバーが数珠つなぎで呼んでいる。とても出番はないので もっぱら受信のみ。VU3RYBのTD/MVのレベル差はSメーターで『約1.5』。SN比はM-Vの方が良い。背景のノイズが少ないからだ。5時半には聴こえなくなった。いつもの漁業無線局や魚網ビーコンのレベル差も『最大で2.5』ぐらいに縮まった。高さを稼いだぶん確実に良くなったといえる。もう シーズンオフだからチャンスは少ないが近場でのテストはやってみるつもり。午後 時間が出来たのでアンテナの共振を下げた。エレメントを12cm伸ばして(全長383cm)1820khzに合わせたが効果のほどは?。
4月26日朝5時 JA7NIがUA4をコール。JA7NIの信号はTD/MVとも599で殆ど同じ。UA4HBWが応答してきたがTDでは雑音の下で229、ところがMVでは319でコピー可能。その後少し上昇して429になった。HL3IUAがQSO後、誰も呼ばないのでMVでコール。 『あきまへん』 

左の写真はベランダからグラスファイバポールを1m継ぎ足して全長7mにしたものを立てたのだが、ベランダが3.5mあるのでコイルまでは10,5mになる。右は同じものを遠景で撮影。(クリックで大きくなります)
高さは一番高い10.5mと そこから2m下げた8.5mで比較した。8.5mと10.5mでは1db位の差があり、10.5mのMVはT-Dと1db差になった。共振周波数は8.5mで1817khz 10.5mで1821khzと4khz高くなる。SWRは変化無く1.7。従って計算上は あと3m上げればT-Dと同じレベルに達するかもしれないが当局にはこれ以上の高さを稼ぐ手段がないので実験はここまでで終わり。

ここまでの実験で判ったことは 建設は周囲に誘電体が無い所を選ぶ、コイルの高さが周囲の建物より低いとゲインが稼げない、ある程度の高さに達するとゲインの上昇は少なくなる、コイルのQは出来るだけ高くする ということです。あと一つ、容量エレメントを長くするほどコイルのインダクタンスが少なくなり、損失が低くなることは当然予測できるので設計者が推薦している160mでのエレメント長 5.5mに出来るだけ近づけたほうがいいと思います。私のタワードライブは決してゲインのあるアンテナではありませんが、コイルまでの高さを12m以上にすればほぼ同等の働きをしてくれるでしょう。設計値の再現性は まあまあ合格です。皆さんの追試を御願いします。