160m M-V アンテナ の 試作

試作する気になった理由
現在使用中のタワードライブアンテナ(人はスローパーとも呼んでいる)も色々手を入れましたが、あまり進歩が無くなって来たので、ほぼ限界に達したと感じていました。なにしろ、狭い敷地なので他に適当な打開策も無く,昨年試した80mM-Vアンテナが意外に好成績だったので今のアンテナを少しでも上回るのではないかと期待しながら検討を始めました。

最近はアマチュア無線の世界もコンピューター予測が流行で小生も70歳の手習いと『MMANA』を使い160mM-V(以降M-V)の予想をして見ました。比較対象は現在のタワードライブ(以降T-D)。なんせ土地が狭いもんでダイポールなどと比較しても現実味がありません。予測の結果は下記の通りです。(汚い手書きでSorry)

T−D R=7.8Ω Jx=-2.9Ω Ga=1.9dbi  発射角 28°
M-V  R=10.4Ω Jx=-7Ω  Ga=0.95dbi 発射角 26°

T-DがGa(トータル利得)では多いのですが理由は高角度発射が少し多いだけで本来必要な40°以下の成分は殆ど変わらないと囁いています。(あくまで予想ですから)

M-Vアンテナの設計
このアンテナを設計するのにとても便利なソフトがありますので、今回はそれを拝借しました。計算結果は

容量エレメントを4m設定(42pf)。同調コイルは183μH。コイル直径60mm/73回 です。(LCメーター要)

エレメントはアルミパイプの3段つなぎで全長4m10センチ。設定は3m90センチにしました。

同軸は32m弱、5D2Vを使います。

RFストッパーチョークの設計
このアンテナの考案者は適当なインピーダンスのものをという表現ですが80mM−Vでの体験から、かなりのインダクタンスがないと高周波をストップ出来ず、トランシーバーに触ると感電する破目になりました。
そこで80mM-Vで使った物を、そのまま使いますが同軸ケーブルはテフロンです。 FT243−43を2個重ねて30回。計算上は2mH。160mでのリアクタンスは20kΩで文句なしですが、実際にはこの半分で充分だと思います。

設置スタイルの変更による特性変化
設置場所により同軸を横に引いたり、容量エレメントを水平にしたりなど色々変更を余儀なくされるケースがありますが、このような変化で特性がどうなるのかを予測させました。
同軸を長く横に引くと輻射角が上を向き、引っ張り方向への輻射も増えてFB比が生じます。輻射抵抗も10Ω〜3Ωへ低下します。容量エレメントを水平にすると輻射特性はあまり変わりませんが輻射抵抗は6Ωに低下します。コイルの下は電流の腹なので出来るだけ長く垂直にした方がいいと思います。

アンテナの効率アップ
短縮アンテナではローディングコイルのお世話になりますが今回のコイルが作る損失抵抗を予想してみるとインダクタンス200μHで160mでのリアクタンスが約2000Ω、コイルのQが200とすれば10Ω。100であれば20Ω。この抵抗がアンテナの効率を左右しそうですね。

                                              
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