岩元会計事務所
Iwamoto Tax Accounting Office

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人事・労務 雇用保険

人 事・労 務                   


1. 医療保険のここが変わった  
医療保険制度が改正されました

 医療保険制度の将来にわたる持続的なかつ安定的な運営を確保するため、健康保険制度および船員保険制度が改正され、平成18年10月より順次施行されることとなっております。
 ここでは、主なポイントをご紹介いたします。

  平成18年10月施行分 
  ○平成19年4月施行分  
平成20年4月施行分


平成18年10月施行

●70歳以上の現役並み所得を有する方の一部負担金(窓口負担)の割合が変わります。<健康保険・船員保険>

 現役並み所得を有する70歳以上の方の一部負担金(窓口負担)について2割から3割となります。
現役並み所得を有する方とは、標準報酬月額が28万円以上である70歳以上の被保険者及びその70歳以上の被扶養者です。単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満であるときは申請により、1割となります。

※公的年金等控除の見直しに伴う現役並み所得者の経過措置について
 公的年金等控除や老年者控除の見直しにより、現役並み所得者となる70歳以上の方については、平成18年9月から最大2年間、月ごとの自己負担限度額は、現役並みよりも低い「一般」の額が適用されます。
 【経過措置の対象となる方の一部負担金等】
  窓口負担割合 3割
  外来限度額 12,000円 自己負担限度額 44,400円



●高額療養費の自己負担限度額が変わります。
<健康保険・船員保険>


 高額療養費とは、1ヶ月に医療機関等に支払った自己負担限度額が定められた算出方法による自己負担限度額をこえたときに、請求により払い戻される制度です。
今回の改正により、自己負担限度額は引き上げられます。

《70歳未満の方の自己負担限度額》
70歳未満の方の自己負担限度額
※1  上位所得者とは、平成18年10月からは診療月の標準報酬月額が53万円以上の被保険者及びその被扶養者となります。平成18年9月までは、標準報酬月額が56万円以上の被保険者およびその被扶養者です。
※2  低所得者とは、被保険者が市(区)町村税の非課税者、被保険者または被扶養者が自己負担限度額の低い高額療養費の支給があれば生活保護の被保護者とならない人です。

《70歳以上の方の自己負担限度額》70歳以上の方の自己負担限度額
※1  市(区)町村民税非課税者または低所得Ⅱの適用を受けることにより、生活保護の被保護者とならない被保険者とその被扶養者。
※2  被保険者およびその被扶養者のすべてについて、療養を受ける月の属する年度分の市(区)町村民税に係る総所得金額等の金額がない場合、または低所得Ⅰの特例を受ければ生活保護の被保護者とならない場合。
(注)金額は、1月あたりの限度額。
【 】内の金額は、多数該当(過去12ヶ月に3回以上の高額療養費の支給を受け4回目)の場合の額。


高額長期疾病(特定疾病)の見直しについて

 長期にわたって高額な医療費が必要となる特定疾病については、特例により自己負担限度額が1万円となっており、限度額をこえる分は高額療養費が現物給付されています。
 今回の改正に伴い、人工透析を要する標準報酬月額が53万円以上である70歳未満の被保険者、または、標準報酬月額が53万円以上の被保険者に扶養される70歳未満の被扶養者については、自己負担限度額が現行の1万円から2万円に引き上げられます。


●入院時生活療養費が新設されます。
<健康保険・船員保険>


 療養病床に入院する70歳以上の方の食費の負担額が変わるとともに、新たに居住費(光熱水費)の負担が追加されます。ただし、難病等の入院医療の必要性が高い方の負担額は、変更前の額に据え置かれます。(居住費の負担はありません。)

入院時生活療養費新設の図


●出産育児一時金・家族出産育児一時金の支給額が変わります。
<健康保険・船員保険>


 被保険者・被扶養者である家族が出産したときに支給される一時金が5万円増額され、1児につき35万円が支給されます。
 また、被保険者の医療機関等での窓口において出産費用を支払う負担を軽減するため、政府管掌健康保険および船員保険では10月より出産育児一時金の医療機関等による受取代理を実施することといたしました。      
 詳しくは、こちらをご覧ください。

改正前

30万円
右向き矢印 改正後

35万円


●埋葬料(費)・家族埋葬料の支給額が変わります。
<健康保険>


 被保険者が死亡したときは埋葬を行った家族に故人の標準報酬月額の1ヶ月分(10万円未満のときは10万円)、家族がいないときは埋葬を行った人に埋葬料の範囲内で埋葬にかかった費用(埋葬費)が、また被扶養者となっている家族が死亡したときは被保険者に10万円が支給されていましたが、今回の改正により、埋葬料・家族埋葬料については一律5万円が支給されます。埋葬費については、5万円の範囲内で埋葬にかかった費用が支給されます。

埋葬料(費)・家族埋葬料支給額変更の図


●葬祭料・家族葬祭料の支給額が変わります。
<船員保険>


 職務外の事由により被保険者が死亡したときは、葬祭を行った家族に故人の標準報酬月額の2ヶ月分(10万円未満のときは10万円)、家族がいないときは葬祭を行った人に葬祭料の範囲内で葬祭にかかった費用が、また被扶養者となっている家族が死亡したときは被保険者に標準報酬月額の1.4ヶ月分が支給されていましたが、今回の改正により、葬祭料・家族葬祭料については一律5万円が支給されます。

●葬祭料・家族葬祭料に併せて付加給付が支給されます。
<船員保険>


 葬祭料、家族葬祭料に併せて以下の付加給付が支給されます

①葬祭料付加金
 葬祭を行った家族に、被保険者の資格喪失当時の標準報酬月額の2ヶ月分から葬祭料の額を控除した額が支給されます。家族がいない場合は葬祭を行った人に葬祭にかかった費用(標準報酬月額の2ヶ月の範囲内)から葬祭料の額を控除した額が支給されます。
②家族葬祭料付加金
 被保険者の資格喪失当時の標準報酬月額の1.4ヶ月分から家族葬祭料の額を控除した額が支給されます。

■平成19年4月施行

●標準報酬月額の上下限が変わります。
<健康保険・船員保険>


 現在標準報酬月額は、下限9万8千円、上限98万円となっていますが、平成19年4月より下限が5万8千円、上限は121万円となります
 また、平成19年4月1日において同年3月の標準報酬月額が9万8千円である方(当該標準報酬月額の基礎となった報酬月額が9万3千円以上である方を除く。)または98万円である方(当該標準報酬月額の基礎となった報酬月額が100万5千円未満である方を除く。)については、保険者による職権改定(平成19年4月~8月の標準報酬月額に適用)が行われます。
(4月に随時改定等が行われる者を除かれます。)

(全39等級)

現行の上限 98万円 

現行の下限 9万8千円
右向き矢印 (全47等級)

見直し後 121万円

見直し後 5万8千円

また、それにともない健康保険及び厚生年金保険の標準報酬月額が上限・下限等にある方の随時改定の取扱いが変更されました。詳しくは、こちらをご覧ください。


●標準賞与額の上限が変わります。
<健康保険・船員保険>


 賞与が支給された際の保険料は、標準賞与額(賞与支給額の1000円未満を切り捨てた額)に保険料率をかけて計算することとなっています。標準賞与額の上限は、これまで1か月あたり200万円を上限としていましたが、平成19年4月より年度の累計額540万円を上限とすることとなりました。
年度の途中で被保険者資格の取得・喪失があった場合の標準賞与額の累計については、保険者単位とすることとなっています。したがって、同一の年度内で複数の被保険者期間がある場合については、同一の保険者である期間に決定された標準賞与額について累計することとなります。

 ※厚生年金保険の標準賞与額の上限は、1か月あたり150万円で変更はありません。

具体的な標準賞与額の取扱いについては、こちらをご覧ください。


現行の上限額

1か月あたり200万円
右向き矢印 見直し後の上限額

 年度の累計額540万円
(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)


●傷病手当金、出産手当金の支給額が変わります。
<健康保険・船員保険>


 これまでは、1日あたり標準報酬日額の6割が支給されていましたが、平成19年4月より、標準報酬日額の3分の2相当額が支給されることとなりました。

現行の支給額

標準報酬日額の6割
右向き矢印 見直し後の支給額

標準報酬日額の3分の2


●任意継続被保険者の給付の一部が廃止されます。
<健康保険>


 任意継続被保険者に対する傷病手当金、出産手当金の支給が廃止されます。


●被保険者資格喪失後の出産手当金が廃止されます。<健康保険>

 資格喪失後6ヶ月以内に出産した場合に支給されていた出産手当金が廃止されます。

【健康保険傷病手当金の経過措置等の事例について】(pdf:55kb)
【健康保険出産手当金の経過措置等の事例について】(pdf:61kb)


●疾病任意継続被保険者の給付の一部が廃止されます。
<船員保険>


 疾病任意継続被保険者及び疾病任意継続被保険者の資格喪失後6ヶ月以内出産した方に対する出産手当金の支給が廃止されます。また、傷病手当金の支給については、疾病任意継続被保険者の資格を取得し1年以内に発した傷病に限定されます。


●70歳未満の方の入院等に係る高額療養費の支払の特例(いわゆる現物給付化)が実施されます。<健康保険・船員保険>

 医療機関での窓口負担を軽減するため、70歳未満の被保険者及び被扶養者の方についても事前に社会保険事務所の認定を受けることにより、同一の月にそれぞれ一の医療機関での入院療養等を受けた場合においては、所得区分に応じ、現行の高齢受給者と同様に、窓口での一部負担金等の支払いを高額療養費の自己負担限度額までとすることが出来るようになります。
 保険者の認定を受けるためには、「健康保険限度額適用認定申請書」(所得区分が上位所得者、一般に該当する方)もしくは「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」(所得区分が低所得者に該当する方)を管轄の社会保険事務所に提出してください。



■平成20年4月施行

●窓口負担割合が改正されます。
<健康保険・船員保険>


 現在3歳未満の乳幼児については一部負担金の割合が2割となっていますが、少子化対策の観点から今後は義務教育就学前までに拡大されます。

【70~74歳の方(注1)の窓口負担について】

 平成20年4月から平成21年3月までの1年間窓口負担が1割に据え置かれます。

(注1)既に3割負担を頂いている方、後期高齢者医療制度の対象となる一定の障害認定を受けた方は除きます。
(注2)昨年の制度改正では、70~74歳の方の窓口負担については、平成20年4月から2割負担に見直されることとされていたものを据え置くものです。


新たに高齢者医療制度が新設されます。
<健康保険・船員保険>

 65歳以上75歳未満の方は、前期高齢者としてこれまでの医療保険制度に加入し、75歳以上の方は、新たに都道府県ごとに設置される広域連合が運営する後期高齢者医療制度に加入することになります。

【後期高齢者医療制度における75歳以上の被扶養者の保険料について】

平成20年4月から9月までの6か月間は無料となり、平成20年10月から平成21年3月までの6か月間は、頭割保険料額(被保険者均等割)が9割軽減された額となります。

(対象者)
 75歳以上の方(注1)で、後期高齢者医療の被保険者になる日の前日(平成20年3月31日又は75歳の誕生日の前日)において被用者保険(注2)の被扶養者となっている方

(注1)65~74歳で一定の障害認定を受けた方を含みます。
(注2)政府管掌健康保険や企業の健康保険、公務員の共済組合等、いわゆる「サラリーマン」の健康保険であり、国民健康保険は該当しません。
(注3)昨年の制度改正では、被用者保険の被扶養者の方については、後期高齢者医療制度の被保険者となった日の属する月から2年間、被保険者均等割を5割軽減することとされていますが、今回の措置はそれに加えて行うものです。


●高額介護合算療養費が新設されます。
<健康保険・船員保険>


 療養の給付に係る一部負担金等の額及び介護保険の利用者負担額(それぞれ高額療養費又は高額介護サービス費若しくは高額介護予防サービス費が支給される場合には当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額である場合の負担の軽減を図る観点から、高額介護合算療養費が支給されます。

※高齢者医療制度の見直し(70~74歳の負担割合、後期高齢者医療制度における75歳以上の被扶養者の保険料について)に関する周知用チラシはこちらをご覧ください。

※後期高齢者医療制度に全般に関する周知用リーフレットは、こちらをご覧ください。