扉ニ戻ル

そもそも此の地は 「禍い神」が封じられている場所を中心に 大円を描き「封域」とし、其れが「本部」の管理する領地。
更に円の周囲を固める様に それぞれの「長」の領地が在る。
周りを陣取るのは「五嶺皇」と呼ばれる 特別な存在。


「禍い神」    神代の頃に生まれ 最後に討たれたのは    900年以上も前に為ると言う。

蒼蓮会が守る「禍源の封域」は 「禍い神」の屍灰が封じられた場所だ。

封印が解かれたのは  遥か昔 神と人が世に共存していた時代
誰かが   隠された其の場所を見つけ 扉を開くと   屍灰が無数の黒い蝶となり 
此の地に闇を齎した。

時代は流れ
幾度と無く都市開発の手が及んだが 穢れた土壌には 死病が蔓延し
巨大なビルの群れは いつしか「禍い神」の墓標となった。
奈落の闇に沈んだ廃墟で 禍の黒い蝶は増え続け ― 其れは人の目には見えない ―
生まれ出る闇は 更なる深い闇を呼んだ。

「蒼蓮会」の祖は
封印が解かれた時から 戦い続けている。

現在 此の地は「蒼蓮会」の領地と為り 「大いなる災禍」は未然に封じられている。

其の現状は
一進一退を繰り返し 今此の時も マガイモノとの攻防は続けられている。

腐敗した此の世は黒い蝶の温床だ。
次から次へと 止め処も無く生まれる黒い蝶を 未だ止める手立ては無い。
幾ら黒い蝶を祓った所で  「本体」を討たねば 拡がり続ける「闇」を止める事は出来ない。
「封域」に舞う黒い蝶  廃墟には強い瘴気が渦巻き  穢れた土壌には生命も無く   最早 蒼蓮会の者ですら
彼の地に赴くには 相応の覚悟が必要になっている。瘴気に冒され 癈人となった者も少なくない。
虞も持たず 忍び入った部外者は 二度と戻って来無い。


9つの命を持ち 「大いなる災禍」を齎す「禍い神」。伝承によれば
900年前に討たれたのが 8つ目。だとするなら 其の命も此れで最後と為るのだが ―


腐敗した此の地で 「禍い神」は今も待ち続けている。
「贄」の子が いつか此の地に現れ  「大いなる災禍」を世界に齎す 其の日を。

産み堕とされる 魂の無い赤子たち    ひっそりと  闇に葬られ  封域へと導かれる
忌まわしき黒い蝶が 其の躰に宿ると  廃墟を彷徨う「ツキモノ」と為る
黒い蝶に憑りつかれし者。黒蝶憑き ― 近頃では「ツキモノ」などと呼ばれるようになった。
やがて 躰に毒を満たすと「マガイモノ」と呼ばれる醜い化け物に成り果てる。

世界は闇に反される       「禍」に蝕まれ 穢れ往く土壌は 今も広がり続けている    ―

「魂の無い赤子」は「器」と呼ばれ 心を持たない動くだけの人形だ。どのみち長くは生きられない。
「禍」を宿せば 始末される。「魂」が無ければ 朽ち果てる。唯其れだけだ。

昨今 此の「器」が増え続け  其処に 何かしらの意図がある様にも感じている。

だが 躰を求める「禍い神」の 真の「憑代」と為り得る者は 一人しか居ない。そんな折
始祖の目を持つ子供が 彼の地に現れた ー

華と鬼

◆人物相関図

◆設定イラスト
「華と鬼」編


◆イメージイラスト
鬼禍刻イメージ編


◆四コマ鬼っ子漫画
 
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