予約 受付  kids通信 診察時間 変更のお知らせ 問診票


《季節性インフルエンザワクチン製造株選定にあたっての基本的考え方》
製造株の選定にあたっては、原則として世界保健機関(WHO)が推奨する株の中から、
・期待される有効性・ワクチンの供給可能量 を踏まえた上で、
双方を考慮した有益性(4種類の製造株に係る有益性の総和)が最大となるよう検討を行う。
2023~2024冬シーズンシーズンは以下の4株がワクチン製造株として選定されました。
    A/Victoria(ビクトリア) /4897/2022(IVR-238)(H1N1)pdm09
    A/Darwin(ダーウィン) /9/2021 (SAN-010)(H3N2)
    B/Phuket (プーケット) /3073/2013 (山形系統)
    B/Austria(オーストリア) /1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)

参考2022~2023年
A/ビクトリア/1/2020(IVR-217)(H1N1)
A/ダーウィン/9/2021(SAN-010)(H3N2)   
B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)

参考2021年

A/ビクトリア/ 1/2020(IVR-217)(H1N1)
A/タスマニア/503/2020(IVR-221) (H3N2)
B/プーケット/3073/2013 (山形系統) 
B/ビクトリア/705/2018(BVR-11) (ビクトリア系統)

インフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は次のとおりとなっております。

厚生労働省より インフルエンザQ&A

(1)6カ月以上3歳未満の方

1回0.25mL

2回接種

(2)3歳以上13歳未満の方

1回0.5m

2回接種

(3)13歳以上の方

1回0.5mL

1回接種

13歳未満は2回接種、13歳以上の方は1回接種になります。
 インフルエンザは、毎年1000万人以上の患者が出るウィルス感染症です。
 インフルエンザの症状は多様で、発熱や嘔吐、腹痛や頭痛、全身倦怠感や食欲不振、咳や鼻汁、咽頭痛や痙攣、異常行動等を伴うとても辛い病気です。合併症として肺炎の他、喘息や腸炎、中耳炎や喉頭炎、熱性痙攣や脳炎を発症します。
 インフルエンザの予防の基本は、ワクチン、うがい、手洗い、マスク、加湿です。うがい等をしっかり行い、ワクチンの接種率が高い園や学校は、あまり流行していないです。うがいや手洗いは、こまめにし、マスクは、加湿の作用と罹っている人が周囲に対する咳エチケットとして重要です。充分な睡眠等規則正しい生活も予防になります早寝早起き朝ごはんを心がけてください。 

 インフルエンザ予防接種の接種対象者は、妊婦、高齢者、乳幼児、基礎疾患のある人、小中学生等ですが、
①高齢者は、肺炎の合併症があります。高齢者がいる家族。
②仕事、学校、保育園等休むことができない人。解熱後2日は、感染し、登園登校停止です。
③心臓病、腎臓病、血液疾患などの基礎疾患のある人。肺炎、喘息、アレルギー性鼻炎、腸炎、中耳炎、熱性痙攣の既往のある人。合併症に注意。
④入試や海外旅行等の大切な行事がある人やその家族。受験できなかったり、大切な行事に参加できなかったりします。インフルエンザに罹ると海外にもいけませんし、飛行機にも乗れません。
⑤1歳未満の乳児がいる家族も接種してください。1歳未満はインフルエンザのお薬も使えません。
⑥自治体、会社、健康保険で補助が出る人。会社で補助が出ているのは、インフルエンザが蔓延すると損害が出るからです。
ワクチン量は十分確保されていますが、接種後の免疫ができる期間も考えて、インフルエンザの流行が始まる前に、できれば10月中に1回目の接種を、2回目はちょうど良い時期に接種して頂けたらと思います。

 厚生労働省やマスコミなど国内では、副作用を気にし過ぎるところがあります。後遺症の残らない副作用で、腫れたとか、微熱が出たとかは、予防接種ではある程度はしかたありません。それよりも、実感されることが少ないかもしれませんが、予防接種の効果の方を見て欲しいです。お薬の「タミフル」との因果関係が注目されていた異常行動もインフルエンザの症状であるとの結論になりました。

最後に小児救急のお話をさせていただきます。インフルエンザが流行すると、まず、急病センターの受診患者数が増え待ち時間が多くなります。重症で入院や処置が必要な患者さんも多くいます。そんな中で、インフルエンザの検査目的で急病センターを受診すると、反対にうつったりしますし、検査結果も採取の仕方や、発熱後8時間以上経たないと陽性が出ないことがあります。インフルエンザの診断は、臨床症状や流行状況や接触歴で総合的に診断します。急病センターは、症状がつらく、翌朝まで待てない方が受診するところです。小児救急を守るためにも、各ご家庭においては、くれぐれも、インフルエンザについての予防をお願いしたいです。

2015年11月28日号リビング姫路にて、インフルエンザのお話をさせて頂きました。
こちらもご覧になってみてください。

クリックしてください(PDFで開きます)