最近のこと(97/8)

8月の初め・・・そう、お盆商戦が始まるちょっと前のこと
です。会社に1つのダンボール箱が宅急便で送られてきました。
社員の1人が「次長、これ、先ほど次長宛に届いたものです」
と言って持ってきてくれたそのダンボール箱の上部には無数
の空気孔が空けられており、いかにも生物が入れられている
様相を醸し出していました。「おっ、OKありがとう!」と言って
何気に受け取った僕でしたが、それが一体何なのかは知り
すぎるほどに知っていたのです(^-^;)。

やりかけていた仕事がちょうど一段落した時、僕はそのダン
ボール箱を持ってすぐさま休憩所へとソレを運びました。頑丈に、
丁寧に、完璧に梱包されたその小包の中から現れたもの・・・
それは・・・

み、み、ミツユビハコガメぇぇぇーーーーー!!

し、しかも2頭もぉぉぉーーーーーーーーー!!

あの、夢にまで見たミツユビハコガメが丁寧な保護梱包から
解き放たれ、僕の目の前で「グゥーッ」と首を伸ばし、大き
な目でキョロッ、キョロッと辺りを見渡している・・・もう
腰が抜けそうなぐらいの喜びです。早速、長旅の疲れを癒し
てあげるために温浴をさせると、1頭はグビグビ水を飲み始
め、もう1頭は数分後に脱糞(^-^)。送り主の方の配慮で搬送
中の衛生を保つために、送る数日前から食事を抜いてくれて
いたということで本当に綺麗な状態での御対面でした(^-^)。

しかし、まだまだ仕事は盛り沢山。いつまでも眺めていたい
気分でしたが泣く泣く(^-^;)かわいいかわいいミツユビハコ
ガメ2頭を夏だから許されるコンテナ(笑)に入れ、仕事へと
戻りました。ここだけの話ですが(^-^;)もう頭の中はミツユビ
ハコガメでパンパンの状態。専用ケージの準備や、エサの
調達、命名等・・・めくるめくカロリナハコガメの世界です(^-^)。

ここで皆さんに、今となっては希少な存在となってしまった
ミツユビハコガメがどうして2頭も入手できたのかをお話し
しなければなりません。前にもお話ししましたとおり、この
ミツユビハコガメを含むトウブハコガメやニシキハコガメや
フロリダハコガメなど、いわゆるアメリカハコガメ類は全て
つい最近ワシントン条約とアメリカ国内法で保護され、日本
で入手するのは非常に困難な種となってしまいました。とは
言え、原産国アメリカ合衆国では養殖個体が1頭3000円
−4000円で販売されているそうで、ミシシッピーアカミ
ミガメ(ミドリガメ)に次ぐポピュラーなカメとしての地位
を今も保っています(う、羨ましすぎる・・・)。日本では
入手出来ない、というわけではないのですが、輸出入の手続
きが非常に手間がかかり、経費もバカにならないので卸業者
もなかなか手を出せない状態なのです。密輸出入という冒険
を冒してくれる(^-^;)業者もありますが、1度に運べる個体
数が少ないので非効率的ですし、なによりリスク代金として
価格は上乗せされるので結局小売りの段階では価格は高価な
ものとなってしまいます。

果たして僕はこの2頭のミツユビハコガメ(ちなみに甲長は
約12cm)をいくらで入手したでしょう・・・・・・??

「タダ」・・・つまり「0円」

です。これはもう最高にラッキーで、最高にイイお話なので
絶対ここで語るべきだと思いました。ちょっと、スミマセン
その前にどうしても我慢できないので叫ばせて下さい(^-^;)。

ほっ、本田さんありがとうございますぅぅぅーっ!!

ふぅ・・・。実は僕のメールボックスには大体3日に2通程、
多い時で1日3通ほどメールが届きます。定期的に情報交換
をさせていただいている方もいれば、リクガメに関する質問
メールの方や、純粋に「魅惑のカメROOM」に対する感想
のメールであったりします。その中で、遡ること半年以上前、
香港の会社に出向のような形で赴かれている本田様という方
から(もちん香港からです)メールを頂きました。「日本の
リクガメに関するホームページとしてはイイ線いってるよ」
というお褒めのお言葉のメールでした。今でこそ、アメリカ
西海岸・東海岸、東南アジア方面からもメールを頂けるよう
になりました(いずれも邦人の方です)が、当時、海外から
メールを頂くのは初めてで、大変な感動を覚えました。何度か
メール交換をさせて頂き、香港のリクガメ事情なんかも教えて
頂いたりして実に充実した情報交換(僕の方からは大した
情報を提供していないので正確には「情報収集」でしょうか)
が出来ていました。そんな折、僕が「ハコガメに目覚めた」と
いう旨の文章をここに掲げ、結局一番欲しかったミツユビ
ハコガメは断念せざるを得ず、セマルハコガメで我慢した
という下りを御覧になった本田様から「ウチに2頭いるん
だけどお譲りしましょうか?」というメールを送って下さった
んです!!

な、な、なぁにいぃぃぃーーーーーー??!!

すぐには信じられませんでした。本田様にとってもカワイイ
大切なミツユビハコガメです。希少価値は変わりませんから
ショップに持ち込めばちっょとしたお金にもなります。それ
を本田様は「愛ですよ、愛。カメに対して愛がある方にもら
ってもらう方が私も安心できますから」と、泣かせるお言葉。
ちょうど本田様御自身も、新しくヒョウモンガメを購入予定
でらして、スペース的にも「ミツユビハコガメ」をどうにか
・・・ともお考えになっていたとのことで、僕も心の底から
喜んで「頂戴」することにしたのです。本田様は、なかなか
日本に帰って来る機会が無く、帰ってきてもすぐにまた香港
へとんぼ返り、ということが日常茶飯事の国際的なバリバリ
のビジネスマンなので気長に待っていて欲しい、とのことで
したが、その数カ月後には「帰国の予定あり、詳しい住所と
連絡先を教えられたし」のメールが届き、お返事して数週間
後の木曜日(ウチの会社の定休日)に外出先から帰宅したと
ころ、留守電に1件の用件が入っていました。「本田です。
今、東京です。今日送りましたから明日には届きます。ケア
の方、よろしくお願いします」との内容!!

おっ、おっ、おわああぁぁぁーーーーー!!!

狂喜乱舞とはこういうことを言うんだと、初めて思いました。
そして冒頭のダンボール箱が届くシーンへと繋がるわけです。

ハコガメというカメはアジア・アメリカを問わず、その全般
において、飼育者の飼育方法によって超飼育容易なカメにも
なれば贅沢で気難しいカメにもなります。僕の知っている方
のミツユビハコガメの飼育の日々を見てみても、昆虫探しや
ミミズ探しに明け暮れ、果実や葉野菜、人工飼料などは一切
口にしなくて困っている様子・・・。しかぁーーし(^-^)!!
本田さんから頂いたミツユビハコガメの大好物は、ななんと
レプトミン!!チンゲン菜や小松菜にレプトミンやガマルス、
セラ・ラフィーPをガツガツ食べるとのこと。なんて飼い易
いハコガメなんだ・・・(T-T)。

1日が終わり、仕事から戻ってまずは霧吹きでシュッシュッ
と身体を湿らせてあげました。地中海リクガメたちと一緒に
いたので若干乾燥気味になっていたようで気持ちよさそうに
霧を浴びていました。特に地中海リクガメ連中に虐められた
形跡もなく、グゥーッと首を上に伸ばして堂々としています
そしてスッポンモドキ用のレプトミンをエサ皿にパラパラと
音を立てて入れると、敏感に2頭はその「音」に反応を示し、
エサ皿に向かって突進して来るではありませんか!!感動の
光景でした・・・。エサ皿に頭を突っ込むようにして2頭の
ミツユビハコガメはレプトミンをまるで柿の種でも食べるか
のように「パリッ」「ポリッ」と心地よい音を立ててあっと
言う間に食べ切ってしまいました。
「飼える!」僕の心の中
に確固たる自信が生まれました。本田さんには「愛がある」
とおっしゃって頂いたものの本当に飼えるのだろうかと内心
心配だったのです。

その後、本田さんからは国際電話で「その後」のハコガメ達
の様子を聞かれた上で、注意点や飼育テクニックをいくつか
伝授して頂き、本当に至れり尽くせりのミツユビハコガメの
入手と相成ったわけです。今もまだリクガメとの同居中です
が、近く、バリバリのハコガメケージを造ろうと画策中です。

人間とは欲深いもので、今の僕には、また1つ大きな欲望が
生まれています。本田さんから頂いたミツユビハコガメ2頭
は両方ともメスです。1頭はフロリダが少し入っていますが
間違いなくミツユビのメスです。そうです・・・次なる欲望
は「オスの入手」です(^-^;)。もう、ずいぶんと前にオスの
ミツユビハコガメを入手できたら、その容姿から「松井秀喜」
と名付けるつもりでいました(^-^;)。その「松井秀喜」入手
が叶えば・・・本田さんからお譲り頂いた彼女たちと繁殖に
チャレンジするつもりです。メラメラメラ(野望の炎の音)

と、そんな矢先・・・今月号の熱帯魚関連月刊誌の広告の中
に、京都の専門ショップで「ミツユビハコガメ(オス)」と
書かれた広告が載っているではありませんか!!こ、これは
なんとしてでも抑えなければ!!早速、僕はそのショップに
電話を入れました。電話の向こうは気さくなお兄さんでした。

僕「広告で見たんですがミツユビハコガメ(オス)ってまだ
  ありますか?」
店「えぇ、ありますよ。中型のは全部売れてしまいましたが
  一番大きいオスとベビーなら残ってます」
僕「大きいって・・・どのぐらいですか?」
店「そうですねぇ・・・20cm弱・・・かな」
僕「お値段は・・・?」
店「10万です」
僕「ぐっ・・・キツイですねぇ(^-^;)」
店「安い方ですよ。キレイなレッドヘッドですし、繁殖にも
  3年連続成功させているオスですから。ベビーは4万円
  しますからベビー買うよりコレ買って繁殖させたほうが
  絶対お得ですよ(^-^)」
僕「通販はしてもらえます?」
店「オススメは出来ませんけど・・・どちらですか?」
僕「和歌山です」
店「和歌山!?うーん・・・そうですねぇ・・・折角そんな
  遠い所から来ていただけるんでしたら8万5千円にさせ
  ていただきますよ」

この時点で僕の心はグラグラのフニャフニャに揺らいでいま
した・・・。が、しかし・・・

僕「8万5千円!・・・うーん惹きつけますねぇー(^-^;)。
  ちなみにエサは大体どういうの与えてるんですか?」
店「それねぇ、コイツすごい偏食なんですよ。超贅沢なヤツ
  で、ピンクマウスしか食べないんですわ(^-^;)」
僕「ピ・・・ピンクマウスだけ?!」
店「そうなんです。そりゃ果物や野菜も多少は食べますけど
  基本はピンクマウスですね」
僕「ありがとうございます。非常に魅力的なお話だったんで
  すが今回は諦めます」
店「そうですか、じゃあまたどうぞ宜しくお願いします!」

もう説明は必要ありませんよね?僕の手には負えない個体と
解った時点で諦めがつきました。惜しい・・・惜しすぎる!
何故ピンクマウスなんだ・・・(T-T)。あれから1週間・・・
今も僕はミツユビハコガメのオスを譲って下さる方、あるい
は売って下さる方を探しに探しています(^-^;)。これを読ま
れた方でどなたか心当たりのある方は是非メールをください。
心よりお待ちしています。
そして、もう1度・・・

本田さん、本当に本当にありがとうございます。大切に大切
に育てます。繁殖にもチャレンジします。わからないことが
あったらメールしますのでまた色々教えて下さいね(^-^)!!


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