稲木昭子・沖田知子 著
『コンピュータの向こうのアリスの国 』
ここ数年のコンピュータの発展は目を見張るばかりです。もしキャロルが生きていれば、早速コンピュータに取り組んでいたことでしょう。緻密な頭脳と豊かな発想の主であったキャロルがどのように活用しただろうかは想像に任せるしかありませんが、結構取り合わせとしては悪くないようです。というのもキャロルは、自らの頭脳コンピュータを駆使して、さまざまなことば遊び、謎謎や物語をものにした先達の一人と考えられるからです。そこで視点を変えてみて、現代の私たちがコンピュータを利用してどれだけキャロルに迫れるかを見るのはどうでしょうか。これが本書のそもそもの発端です。
二冊のアリス物語をまとめてその魅力の源泉を考えてみたいと思います。キャロルの綿密な頭脳コンピュータには現代のコンピュータを、そしてその豊かな発想にはキャロル自身のことばを手がかりに読んでいきたいと思います。どれだけキャロルに挑戦できるか、一緒に考えてみましょう。
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