「お四国」日誌 2003・10〜 |
阿波(徳島県) 発心の道場 写真はクリックすると拡大できます |
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第 1 日 | 10月2日(木) 晴、【17km】 | 上板町・安楽寺宿坊 | |
1霊山寺 2極楽寺 3金泉寺 (番外)愛染院 4大日寺 5地蔵寺 6安楽寺 | |||
・9:45 JR板東駅の改札を出た。初回ほどの緊張感はないが、気分は高揚している。さあ出発だ! ・道中、家々の庭からキンモクセイの強い香りが漂ってくる。田んぼの畦には盛りを過ぎた彼岸花が・・・。 ・2番札所の門前で、遍路姿の地元のご婦人からみかん・キャンデーなどお接待を受ける。自転車遍路のおじさんからは、「徳島は置き引きが多いから気をつけなさい」と注意を受ける。 ・宿坊は「温泉山安楽寺」というだけあってお風呂は温泉。夜はお勤めに参加。 |
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第2日 | 10月3日(金) 晴 【20km】 | 上板町・安楽寺宿坊 | |
@大山寺 |
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・H=400mにある別格@大山寺巡拝。宿に荷物を残して身軽になって出かけた。山への入口が見つからず何度も人に尋ねた。遍路道は草が茂って歩けず、車道を行くしかないが、登るにつれて見晴らしがよく、風が冷たくなった。やはり山道はうれしい、眺めが違い、空気も違う。足の運びもまた違う。 ・88ヶ所の主ルートを外れると人も車もほとんど通らない、もちろん団体さんを運ぶ観光バスも。 ・和尚さんが出してくれたお茶をいただきながら、別格20ヶ寺の由来などを聞かせていただく。 ・宿坊は、連泊で食事が2日間同じものにならないようにと、細かい配慮をしてくれてありがたかった。昨日も今日も宿坊は団体客で賑わっている。 |
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第3日 | 10月4日(土) 晴れ時々曇り 【22km】 | 鴨島町・さくら旅館 | |
7十楽寺 8熊谷寺 9法輪寺 10切幡寺 11藤井寺 | |||
・7番十楽寺から10番切幡寺まで、オランダの夫婦お遍路さんと前後しながら歩いた。名前はマルタ&イネーケ。4週間の休暇を取って日本に来て、九州・広島・四国・高山・金沢・京都と観光するという。四国では4日間お遍路体験をしている。「良いところばかりを選んだね」と言えば、「ガイドブックでしっかり勉強したもん」という答え。 ・熊谷寺の納経所によってトイレを借りる。ここは本堂と少しはなれているが、なんと三台のカメラが設置してあって、その画面がテレビに映し出されているではないか。ちょっとびっくりしたが、話に聞いた置き引き防止などには案外役立つかもしれない、と納得。 ・10番切幡寺門前のうどん屋で昼食をとっていると、彼らも遅れて入って来てざるうどんを注文した。奥さんのほうはナイメーヘンの4デーマーチに10回参加、しかしだんなはゼロ。ナイメーヘンにきたら我が家で泊まれと、メールアドレスと電話番号のメモをもらった。 ・吉野川を渡るところで、地元のおじさんが一緒に歩きながら話し相手になってくれた。 |
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第4日 | 10月5日(日) 晴のち曇り 【23km】 | 神山町・植村旅館 |
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12焼山寺 (番外)長戸庵、柳水庵、一本杉庵、杖杉庵 | |||
・いちどH=740mの一本杉庵まで登ってから、H=400mの左右内部落まで降りる。そして再びH=700mの焼山寺に登るのだから、難所というだけのことはある。しかし日ごろ歩き慣れているものにとっては、自然が豊かでこんな楽しい道はない。焼山寺までわたしの足で5時間弱。 ・巡拝の後、焼山寺の茶店で、宿でお接待にいただいたおにぎりを食べた。「井村様へ」と書いた女将さんの激励文がついている。茶店のおばさんの話では、宿泊したお遍路さん全員に書いてくれるらしい。 ・ちょうど一時間経って出かけようとしたところにオランダ夫婦が上がってきた。焼山寺の宿坊で泊まるという二人と別れて下山。今回は鮎喰川の北岸の道をとり植村旅館へ。宿は山峡を流れる鮎喰川沿いにあり、川の流れの音を枕に眠る。昨夜も今夜も客はわたし一人。この辺りは山の斜面を利用してスダチを栽培している。 |
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第5日 | 10月6日(月) 雨 【26km】 | 国府町・民宿まつもと屋 | |
A童学寺 13大日寺 14常楽寺 15国分寺 16観音寺 17井戸寺 | |||
・今回の遍路で初めての雨、遍路みち保存協会のポンチョを着用したが傘と違って両手が空くのでなかなか具合がいい。鮎喰川の清流を右に見ながら歩く。宿に着いて「きれいな川ですね」と言うと、「ダムがないからね」という返事。 ・宿は井戸寺の門前、今夜も客はわたし一人、宿のご夫婦が話し相手をしてくれた。 |
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第6日 | 10月7日(火) 曇り 【27km】 | 立江町・立江寺宿坊 |
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18恩山寺 19立江寺 | |||
・前回は地蔵院を通るコースを歩いたが、今回は徳島市街を抜ける道を選んだ。18番恩山寺で、コンビニで買ったサンドイッチの昼食。その間に5人のお遍路さんに出会った。堺の二人連れの男性、京都のご夫婦、山口の神原さん。道中で出会う歩きのお遍路さんには必ず声をかけるようにしている。 ・神原さんはわたしの顔をじっと見て、初対面ではないという。しばらく考えて「いつか屋島寺でお会いしましたよ」という。息子の所に行ったら必ず屋島寺に参拝しているので、その時にお会いしたようだ。 ・案内された部屋には窓がない。廊下の前の二部屋、隣の部屋には窓があるのに、最悪ではないか。しかしすぐに気をとりなおす。ま、いいか、どうせ寝るだけ、風呂があってご飯が食べられたら上等。夕食は団体さんがいて賑やか、恩山寺でお会いした京都のご夫婦も同宿だった。同席のみなさんに門前の果物屋さんで買ったみかんをお接待。お接待もいただくばかりでは心苦しく、たとえささやかでもお返しをすると気持ちのバランスが取れる。 |
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第7日 | 10月8日(水) 曇りのち晴 【26km】 | 勝浦町・民宿金子や | |
取星寺(水晶寺・十九番奥の院)、沼江大師、星谷寺(星の岩屋) | |||
・取星寺、星谷寺と、前回歩いていないコースを歩いた。前にも書いたが、88ヶ所のルートをはずれると標識が極端に少なくなる。取星寺には地元の人がわざわざ案内してくれた。両方ともお参りの人は見かけず。星の岩屋でも途中道を間違えて引き返し、やっとたどり着いた。道を尋ねようにも人がいないのでどうにもならない。 ・星の岩屋にはちょっとした滝があり、これは「うらみの滝」というのだと後で教わった。「うらみ」は予想を裏切って「裏見」と書く、滝の裏側に回って滝を見られるから。 ・今日は午前中、那賀川、午後から勝浦川に沿って歩いた。 ・今夜の客は15人、安楽寺宿坊で一緒だった明石の姉妹遍路に再会。 |
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第8日 | 10月9日(木) 秋晴 【28km】 | 勝浦町・民宿金子や | |
B慈眼寺、 灌頂の滝 | |||
・慈眼寺(H=510m)には「穴禅定」といって長さ100メートル程の鍾乳洞がある。ローソクを片手に、案内のおばさんの指示通り、身体を横にしてなおかつ所々かがんだり腹ばいになったりしながら進むと、お大師さんが座禅をしたという場所に行き着く。入場料が一人千円でお寺の絶好の収入源になっている?(関係ないか) 但しこれは三人からの話で、二人だと千五百円、一人だと三千円取られるのには納得がいかない。ちょっと勘定高いんじゃないでしょうか。慈眼寺は二十番奥の院・別格B番になっているが、この穴禅定と近くの灌頂の滝を目的に団体のお遍路さんがよく訪れているというのに。 ・往きは車の通らない遍路道を、帰りは灌頂の滝まで下りたのでそのまま車道を歩いた。往路でまた慈眼寺から戻ってくる神原さんと出会った。宿近くの無人販売で100円のみかんを買ったが、十数個入っていてなかなかおいしかった。 ・宿の客は七人、話好きな仙台の76歳マラソンランナー氏が座を盛り上げていた。札幌の77歳氏は、70歳から歩き遍路を7回やり、今年から家族に言われて車にしたという。元気な先輩達に脱帽! |
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第9日 | 10月10日(金) 晴 【23km】 | 新野町・民宿山茶花 | |
20鶴林寺 21太龍寺 (番外)舎心ヶ嶽 22平等寺 | |||
・鶴林寺(H=500m)と太龍寺(H=600m)の二つの山登り。太龍寺では前回行かなかった「舎心ヶ嶽」に行き、座禅をしているお大師さんの像の膝元に座ってみた。 ※ここは立ち入り禁止になっている。後日、ここで20mほど墜落、ケータイで助けを求めヘリコプターで救助されたという投稿を、「週間遍路」で見た。 ・太龍寺で昼食中、佐賀のご夫婦、山口の神原さんに出会い、「リュックを軽くしたいので」と、昨日買ったみかんをお接待した。遍路どうしでこういうことができるのも、二回目で気持ちにゆとりがあるからか?でも100円で買ったみかんだからえらそうなことはいえない。下山途中でトンビの鳴き声を聞いた。上を向いて「またやってきたよ」と挨拶する。 ・夕食時、居合わせた地元のお客さんから明日の朝食をお接待していただく。近くに宿を取った神原さんが食事に来た。この人とはよくよく縁があるようだ。 |
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第10日 | 10月11日(土) くもり 【28km】 | 日和佐町・きよ美旅館 | |
(番外)月夜御水庵 (番外)弥谷観音 23薬王寺 | |||
・弥谷観音で、東京在住の二人のドイツ人遍路と話しているところでまた神原さんに出会い田井ノ浜まで一緒に歩いた。彼は49歳、車で50回、歩きで7回目というだけあって道中のことは実に詳しい。廃業した宿、新しく出来た宿のことなど詳しく教えてくれた。托鉢をするという彼とは途中で別れた。 ・彼の勧めで由岐の分岐で、前回歩いた国道55号を離れて、志和岐谷合流点から日和佐海岸への道を歩いた。二時間ほど余計にかかったけれど、景勝の海岸線は素晴らしかった。 ・木岐の漁港で昼食をとっているとき、釣り舟の船頭さんが現れて、十年前と今年の2回の遍路体験談を聞かせてくれた。十年で自分の心境がどう変わったかという話で、相槌を打ちながら聞かせてもらった。 |
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第11日 | 10月12日(日) 雨 【― km】 | 日和佐町・きよ美旅館 | |
巡拝なし | |||
・お遍路を休んで、当地の祭り見物をした。祭りは、海がめの産卵で有名な日和佐大浜海岸の神社でやっていた。折からの激しい雨で、16基あるおみこしが次々に海に入るという期待していた行事は中止になった。 ・雨宿りを兼ねて「ウミガメ博物館」を見学、午後からは前回宿泊した千羽温泉に入浴してゆっくりと体を休めた(500円)。温泉の帰り、地元のおじさんから声をかけられ、生ビール3杯のお接待を受ける。毎日のようにいろいろなお接待をいただいているが、励まされて元気が出る、本当にありがたいことです、南無大師遍照金剛。 ・今夜は浜松の若いお遍路さんと同宿、オームの麻原某を思わせるひげをはやしている。 |
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第12日 | 10月13日(月) くもり 【29km】 | 海部町・みなみ旅館 | |
小松大師 草鞋大師 C鯖大師 | |||
・夜中に目覚めると雷鳴がとどろき、外は暴風雨のようだった。その雨も八時ごろには上がったので出発した。途中、珍しく10人のお遍路さんを次々追い抜いた。 ・牟岐警察が敷地の片隅に「遍路休憩所」を設けてくれている。休憩・昼食。 ・八坂、内妻の両トンネルでは、現地の案内板にしたがってトンネルを避けて大坂峠、松阪峠越えの道を歩く。早く、楽に行くならもちろんトンネル。 ・鯖大師前の「鯖瀬大福」に寄るも売り切れ、ああ悲しや! ・内妻海岸には多くのサーファーが群れていた。明石海峡大橋を使って関西方面からやってくるらしい。 ・これで徳島が終わった。明日から高知に向かう。 |
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