第4話  −地図と道標−



歩いて四国八十八ヶ所を巡ろうとするなら、地図はまず不可欠です。それと今回行ってみて判ったのですが、歩き遍路用の「みちしるべ」や「へんろシール」が道中に設置されていて、ずいぶん助けられたものです。今回はその「地図」と「みちしるべ」や「へんろシール」の事を書きます。

「地図」
今回使用したのは
「四国遍路ひとり歩き同行二人」(へんろ道保存協力会編、3,500円)
です。本書と別冊の二冊に分かれていて、本書の方は遍路のためのガイドブック、別冊が地図と霊場・宿泊施設一覧表という構成になっています。(現在改訂中で、新版では一冊にまとまるそうです)
愛媛にある協力会に直接注文するか、1・11・21・24・37・44・55・75番の各札所で入手できます。

別冊の地図には札所と番外などその関連施設の他に、コンビニ・食料品店・食堂喫茶・公衆便所・公衆電話・バス停・宿泊施設が記入してあります。
宿泊施設一覧表では、住所・電話番号・予約の要不要・前の札所からの距離・次の札所までの距離が網羅してあり、歩き遍路にとってこれほど力強いものはありません。

ガイドブックの方も、計画の立て方から装備・霊場での作法・マメの手入れの仕方まで実に懇切丁寧なものです。わたしは一番札所に行ってから購入したのですが、事前に入手しとけばもっと役に立っただろうと思いましたが、遅かりしです。

「道しるべ」

「みちしるべ」は20cm×30cmくらいの大きさで、主要な分岐点に設置されています。全道程に約2,000本あるそうです。「シール1、2」は直径5cm位のもので、国道・市街地中心に約7,000枚貼り付けてあるそうです。何れも上記協力会のボランティアによるものです。

地図は持っていても、なんといっても初めての遍路、人家のないところや地図でわかりにくい個所などでは、
道しるべ シール1 シール2

「これでいいのかな?ひょっとして間違えたのでは?」という不安に襲われることが、何度もありました。そういうときにこの「みちしるべ」や「シール」に出会うと、「ああ良かった!」という安堵感が持てて、気持の上でもずいぶん助けられたものでした。本当に有難いものです。多謝!

この他に、山中では大きさが10cm×15cmくらいの札を木の枝などにつけてくれています。多くは「南無大師遍照金剛」と書いてありますが、「もう少し!頑張ろう」、「都情山趣」などの文字と、取り付けてくれた人の名前が書いてあるものもあります。日本ウオーキング協会の「空海のみちウォーク」のテナントもよく見かけました。
道中、人に出会うことは意外に少なかったように思います。道を尋ねようにも人がいなくて困ったことが何度もあります。人に出会ったら「こんにちわ」と挨拶し、「○○へはこの道でよろしいですか?」と尋ねることにしていました。このこと自体が地元の人との対話であり、さらなる対話への糸口にもなりました。

「道に迷う」
地図とこれだけの道しるべがあっても、何度か道を間違えました。下を向いて歩いていたり、道連れになった人と話に夢中になっていたりして、「みちしるべ」や「シール」を見逃すことだってあります。

市街地では間違えても大して困りませんが、山道では大変です。一度峠越えで、道を間違えて行き止まりになったことがありました。例の「南無大師遍照金剛」の札が見当たらないのです。
ポケットから飴玉を取り出し、「慌てるな、落ち着け!」と自分に言い聞かせ、深呼吸をしました。磁石を見るとまるっきり反対の方角に向かっています。やむなく標識のあるところまで引き返して事なきを得ました。登り始めの分岐で間違っていたのです。


参考;へんろみち保存協力会

住所 〒791-8075 松山市ひばりヶ丘5-15
名称 へんろみち保存協力会
電話 089-952-3820
URL http://www.kushima.com/henro/hozonkai/

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