第1話  −お遍路に関する用語−



お遍路にはいくつかの専門用語?があります。今後何回も登場しますので、主なものをいくつか紹介しておきます。

「お四国」
「お四国」という言葉を耳にしたことがありますか?四国八十八箇所を遍路すること、あるいはお遍路さんのことを、四国の人は「お四国」と言います。わたしも何度か、「お四国ですか」という具合に、話しかけられました。

「お接待」
これぞまさに四国のお遍路文化。わたしたち遍路を励まし、あるいはやさしく見守る四国の人達の心遣いのことです。
具体的には、金品をくれる、茶菓を振舞ってくれる、車に乗せてくれる、宿や食事を提供してくれる、道案内をしてくれる、といった行為です。だから企業などで日常よく使う「接待」とはちょっと意味合いが違います。
現に、わたしも今回の遍路行で、
「お遍路さん、お接待させてください」
と呼び止められて、いくばくかのお金や、果物・ドリンク・たこ焼きなど飲食物のお接待には何度も遭遇しました。また、わざわざ追いかけてきて、「道が違いますよ」と言って正しい道を教えてもらう、というようなことも何度かありました。お接待を受けたら、納札をお渡ししてお礼を言うのが礼儀だそうです。
お遍路さんは、お接待を断ってはいけないと聞いていましたので、ありがたくお受けしていました。しかし歩き遍路が目的だったので、「車に乗せてやる」というお接待だけは丁重にお断りしたのはいうまでもありません。

「順打ち」「逆打ち」
第一番から第八十八番へと番号の順に巡るのが「順打ち」で、この逆が「逆打ち」です。この他に順番にこだわらない巡り方もあります。今回わたしは「順打ち」で巡りました。ただし、一箇所だけ44番太宝寺と45番岩屋寺は順番を変え45→44としました。

「結願」(「けちがん」と読みます。「満願」ともいいます)
四国八十八霊場全てを参拝し終わること。
結願した後、高野山奥の院にお参りすることを「満願」と区別する言い方もあるようです。


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