礼文島
![]() 稚内港の朝 04:50 ![]() 最北端の駅 稚内 05:14 ![]() 利尻に向けて出航 06:33 ![]() 船上から見る利尻岳 07:52 ![]() 鷲泊港から利尻岳を見上げる 08:16 ![]() 姫沼から見る 利尻岳 08:55 ![]() 姫沼を歩く 08:53 ![]() オタトマリ沼に姿を落とす利尻岳 09:40 ![]() ![]() 沓形から見る利尻岳 10:21 ![]() 稜線を歩く 16:33 ![]() 稜線から元地海岸線を見下ろす 16:30 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
今回は気楽なツアーに乗っかって礼文島の花巡りトレッキングへ。例年ならこの頃からレブンアツモリソウが見られる筈なのですが・・・・この1週間ほどひどく冷え込んだこの春は、さて、如何なものか?こればかりは行ってみないと何とも分かりません。 初日は千歳空港からバスで400kmをひたすら北上します。砂川から留萌、苫前を経由して目指すは最北の町、稚内ですが、生憎ひどい荒れ模様です。 途中、サロベツ湿原に立ち寄りますが、強風と雨で湿原歩きどころではありません。残念ながら僅かにレストハウスで温かい牛乳を飲みながら原野を眺めるのみです。 稚内からは翌朝のフェリーになりますが、その前に今日のうちに宗谷岬へ・・・・日本最北端をこの目で確かめます。北緯45度31分14秒へは到着が午後6時前。雨と寒さに震える、強風吹き荒ぶ荒涼とした岬でした。それでも、到達証明書を発行して貰って、こどものように喜ぶわたしです。 翌朝6時半、稚内港から利尻島を目指します。約2時間の船旅。幸いこの日は絶好の日和です。朝は4時過ぎに起きて、宿から10分ほどの稚内駅まで散歩に出かけます。此処はわが国最北端の駅、線路がぷっつりと切れているのが何とも印象的でした。 フェリーの出航間もなく利尻山が水平線にその白い姿を現します。何という光景!「日本百名山」の利尻岳の項は 「礼文島から眺めた夕方の利尻岳の美しい烈しい姿を私は忘れることが出来ない」 との書き出しで始まりますが、なるほど、まるで海の中からぽっかりと浮かび上がってきたようなその白い姿は息を呑むほどに強烈な印象を与えます。因みに利尻岳は国土地理院初め、ガイドブックでは利尻山と表記されるのが普通ですが、利尻岳の響きが似つかわしいように思います。 利尻島鴛泊(オシドマリ)到着は8時過ぎです。標高1721mの利尻岳登山道のひとつはこの港から車で約20分、標高220mの北麓野営場をその起点としますが、この時期、一般登山者が登ることはできません。標高差は1500mにもなりますから、6時間はかかるでしょう。 姫沼からオタトマリ沼そして沓形へとバスで時計回りに島を一周します。少し時期遅れですが、姫沼のほとりでは水芭蕉がまだ見られます。座禅草は今が盛りでしょうか?沼の周囲に掛けられた木道を一周しますが、何処を歩いていても利尻岳の姿を見失うことはありません。見上げると、其処にはいつも利尻の白い美しい頂が聳えているのです。 沓形では利尻の西稜がそのなだらかな美しい稜線を海岸線まで延ばしています。深田久弥が登ったのはこの西稜登山道。海岸から2時間弱も歩くと5合目登山口の見返台がありますが、そこからコースタイム約5時間で山頂に達するはずです。 鴛泊から礼文島の香深(カフカ)までは更に40分の船旅です。礼文ではいよいよメノウ浜辺りから知床まで花の宝庫と呼ばれる稜線を凡そ5kmの山歩きです。天気は絶好調ですが、やっぱり花には早かったようです。圧倒的に目に入るのはエゾエンゴサク。キバナノアマナ、エゾノハクサンイチゲやレブンコザクラなどがチラホラと目につきます。此処ではアツモリソウは姿が見られませんが、スコトン岬近くの群生地では蕾が見られたようです。 兎も角、たいへんな強風です。うかっりしていると吹き飛ばされそうなほどで、ここでは富士山並みに耐風姿勢を取らなければならないようです。礼文岳でも高々標高490mですから、大した高さではありませんが、その緯度の高さと霧の発生し易い島の環境から、本州では数千メートルの標高でしか見られない高山植物が咲き乱れます。 おそよ3時間のトレッキングを終えて香深の宿に入ったのはもう6時前。翌日はただひたすら札幌に向けて走るだけですから、わずか1日だけの日本最北端での山歩きでしたが、此処へは何時かテントを担いで又戻りたいものです。利尻岳はただ眺めるだけでは余りに惜しいほど美しい山でした。 |