大台ガ原
（日出ｶﾞ岳１６９４．９ｍ）

　　　　　登山日：2007.8.14
　　　　　お天気：曇
　　　　　人　 員：夫婦２名
　　　　　ルー ト：駐車場ー日出ヶ岳ー正木ガ原ー牛石ガ原ー大蛇�ｰー駐車場ー七つ池ー駐車場
　　　　　タイム ：

大台ケ原駐車場　　07：12 日出ヶ岳に向かう　　7：16 緑の絨毯を敷き詰めたミヤコザサ　　7：18 　　　　　　7：41 　 赤い葉は何の木でしょう？　　7：42 日出ヶ岳山頂　　08：14　　 　 正木嶺の立ち枯れ風景　　08：32 正木ガ原　　08：54 　大蛇�ｰの先端に立つ奥方　　　09：44 シオカラ谷の清流　　10：38 　 つり橋を渡る　　10：39 ツルアジサイ　　11：13 間もなく駐車場へ　　11：19 大台教会前を西大台へ　12：20　 西大台の小径　　12：21 松浦武四郎碑の近辺で　　12：37 トリカブト

大台ｶﾞ原はこの９月１日から入山規制が実施されるとのこと。そうなれば、気軽に出向くことも儘ならないと、規制前の駆け込みで初めての大台を訪れることにします。 何分にも台高山脈の奥座敷、お盆の帰省ラッシュも気がかりで、朝は未明の４時に出発して、走りなれた３０９号線を南下します。 流石にこの時間では走る車もまばらで、予想を３０分以上も上回るペースで７時頃の到着です。 お盆休みを利用しての宿泊客も多いようで、駐車場は結構な混み具合です。雨こそ降ってはいないものの、山上はガスが立ち込めて、白いベールを被せたよう・・・支度を整えて先ずは東大台に入ります。 まるで絨毯を敷き詰めたようなミヤコザサの群生の中にトウヒやウラジロモミの林。入念に手を入れられた庭園のような美しい風景です。勿論植生保護のためでしょうが、散策道もあちこちに木道が敷かれて実に良く整備されています・・・が・・・いささか整備され過ぎている嫌いも？東大台はすでに原生林とはかけ離れた雰囲気と言わざるをえないようです。 ３０分もあるくと展望デッキに突き当たりますが、晴れた日には熊野灘を望めると言うこの展望台もガスで真っ白！何も目にすることは出来ません。目にしないと言えば、大台では馴染みの筈の鹿の姿も目にしませんが、やっぱりこのガスの所為なのでしょうか？ 日出ガ岳はそこからほんの１０分強ですが、到着する頃には生憎のにわか雨！山頂展望台に急いで駆け込みます。流石に雨の大台ケ原です。このときを初めに、俄かに降り出す小雨に結局一日中追い回されることになります。 日出ガ岳から大蛇�ｰに至る間、有名な正木嶺の白く立ち枯れたトウヒの林や、トウヒとミヤコザサの絨毯が見事な正木ガ原を通りますが、立ち込めたガスがいまひとつすっきりしません。道沿いに掲げられた表示では、何でも、ミヤコザサの繁殖と、それを餌とする鹿の増加が原生林衰退の大きな原因だとか・・・しかし、これには諸説あって、必ずしも万人が納得している分けではなさそうです。 神武天皇像のある牛石ガ原を通過して、東大台最後のスポットは大蛇�ｰです。狭い岩稜を通って先端に出ると１０人ばかりの人が、カメラを構えたり、岩場に座り込んで何かを心待ちの面持ちです。訊ねてみると、大峰連山が顔を覗かせるのをジッと待っているのだとか・・・成る程時折一瞬の間ガスが晴れて山影が姿を現しますが、中々カメラに納めるほどには至らないようです。 大蛇�ｰからはシオカラ谷まで標高１５０ｍほどの下りです。東大台では唯一の登山道らしい雰囲気の道。つり橋を渡ると駐車場までは石段の上り返しが結構キツイ！駐車場に戻ったのは１１時半でした。 食堂前のベンチで簡単な昼食をすませて午後からは西大台に向かうことにしますが、すでに時刻は１２時半近く、エリアルマップのコースタイムは３時間ほどですが、西大台を周回できるかどうかは行ってみないと分かりません。 教会横を下って「七つ池・小処」の表示に従いますが、少し先で谷に降りる方向に「小処展望台」の表示が眼に入ります。展望台？一体何の展望台？とその時は意味が分かりません。とりあえずは七つ池を目標に前進することにします。道は殆ど平坦ですから、行き返り同じタイムとして３時半に戻るための折り返しは２時が限度と、頭の中で計算します。 七つ池までのタイムは凡そ１時間ですが、どうも指導標が不十分で現在地に自信が持てません。そろそろかと思っている処で、カメラを構えた単独行の男性に出会います。訊ねてみると、七つ池はもう大分手前で通り過ぎた筈とのこと。　エッ？そうなのか？それじゃ周回出来るかも？と前進です。 天候は相変わらずです。さっきまで少し陽が差し込んでいたかと思うと、今度は小雨。どうも、これが大台の空模様なのかも知れません。 西大台のトレッキング道は東大台とは大違いで、殆ど手は入れられていません。そればかりではなく、指導標も殆ど整備はされていませんから、広く開けた場所やガレ場ではトレースがはっきりしません。これで迷う人は出ないのでしょうか？ カメラの男性と出会ってから２０分も進んだでしょうか、「七つ池」の表示です。　？・・・七つ池はとっくに過ぎた筈ではなかったのか？どうするか？と迷いが生じます。奥方は前進の様子ですが、此処が七つ池だとすれば、先の道程は随分残っていることになります。現在地に自信が持てない以上引き返した方が無難と、結局戻ることに・・・・ 戻り道の途中でカメラの男性と再会します。「戻ることにしました」とわたし。「いや、わたしも戻ろうと思っていたところです。まだまだ先は長いようですね」 結局駐車場に戻ったのはもう３時半でしたから、振り返ってみると周回ルートの折り返し点近くまで足を延ばしていたのかも知れません。奥方の言うように先へ突き進んでも良かったかも？と幾分悔いを残します。 今回は地形図を持参しませんでしたが、西大台のようにアップダウンの少ない谷沿いのルートでは、地形図で現在地を確認することは結構難しかったかも知れません。事前のルートチェックを怠ったのが悔やまれます。 大台を発ったのは丁度４時。この時間でも何台もの車が駐車場に入場してきます。休暇を利用しての泊り客なのでしょう。何でも、９月からの入山規制を前にして、連日ツアーバスがひっきりなしとか・・・山を愉しむのも容易ではない時代となりました。