北岳
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![]() 安全指導センター前で出発準備 6:24 ![]() 野呂川の吊橋を渡る 6:29 ![]() 広河原山荘前 6:32 ![]() 大樺沢の渓流 8:19 ![]() 左俣コースの雪渓が遠方に・・・ 9:20 ![]() 前方に北岳 9:47 ![]() 間もなく二俣 9:58 ![]() ![]() ダケカンバの林を登る 11:31 ![]() 右俣の急登から中腹を見下ろす 12:18 ![]() 北岳を目指して出発 翌5:57 ![]() 小太郎山を望む 6:33 ![]() 肩の小屋を振り返る。後方は甲斐駒 6:34 ![]() 間ノ岳に続く稜線上に北岳山荘 6:35 ![]() 山頂 7:05 ![]() 山頂から富士山を望む 7:15 ![]() 吊尾根手前から北岳山荘を見下ろす ![]() 吊尾根分岐のお花畑 8:12 ![]() 八本歯の梯子を降りる 8:52 ![]() 大樺沢二俣方向を見下ろす 10:33 ![]() 思い々にバス待ちのひと時 1:50 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ミヤマハナシノブ(白馬と北岳にのみ生息) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
北岳と言えば南アルプスに位置する、富士山に次ぐわが国第2の高峰。標高差は1700m近くありますから、無事登れば我々としてはもちろんこれまでの最高記録と言うことになります。 朝は10時過ぎの出発。中央道韮崎インターまで400km約6時間の道程ですが、生憎お盆休みとあって高速道路は渋滞気味。途中何度かの渋滞を潜り抜けて芦安駐車場に到着は7時過ぎ。すでにかなりの車です。登山口の広河原までは車は入り込めません。ここから先はあくる朝の登山バスのお世話になるつもりです。 念のためテントは積んで来たものの、張るのは些か憚られる様子。シートにテントマットを敷きこんで車内泊の準備にかかります。バーナーを焚いてラーメンと鯖鮨の簡単な夕食をすませると、もうあとは眠るのみです。今回の前泊では、車内で使うランプや横になる時のために足置き台なども工夫して、幾分は楽になったかも・・・? ただ、後になって知ったのですが、ここ芦安には無料休憩所がある由。ひょっとすると前夜泊には利用出来るのかも知れません。 朝は4時頃の起床。簡単な食事をすませて5時10分の始発バスに乗り込みます。流石メジャーな山とあって、何台ものバスが満席で出発です。広河原までは約1時間。睡眠不足を補うにはもってこいの乗車時間です。 登山口手前の安全指導センター前ではテントが張られて登山届けの受付中。登りには白根御池小屋経由の尾根道を採るつもりでしたが、沢沿いの二俣から右俣コースが距離的には有利とのこと。係員の口振りでは(年配者には)下りに八本歯コルは避けて欲しそうでしたが、なんのなんの予定通りコルは下りルートに使うことにします。 6時半。いよいよ吊橋を渡って広河原山荘横から登山道に入ります。八本歯ルートととの分岐点になる二俣までは700mの高度差ですが前半は樹林帯の中を歩きます。 樹林帯を抜けると大樺沢の左岸に出て、沢沿いに詰め上がりますが、ゴロゴロとした岩場でまことに歩きにくい。遠くに雪渓を垣間見ながら沢道を用心深く遡行します。 10時。二俣に到着です。所要3時間半。ここで登山客は八本歯を目指す左俣ルートと小太郎尾根を目指す右俣ルートに分かれますが、どうやら圧倒的に左俣ルートを採る登山者が多い模様です。大休止のあと沢を離れていよいよ斜面に取り付きますが、見たところ我々の外は女性二人の先行パーティのみ。静かな山歩きになりそうです。 別山の油坂を思わせる急斜面を登ること約2時間で開けた平らな中腹にでます。標高2500mあたりでしょうか。先行の女性ふたりが休憩をとっていますが、ひとりはどうやらバテ気味の様子。ここから小太郎尾根までは高度にして350mの急斜面が続きます。 稜線に出た頃には、あたりはガスで真っ白!高山の空は本当に移ろい易いものです。ガスに包まれた尾根道をひたすら肩の小屋を目指して歩きます。遅くとも3時には小屋に入る予定でしたが、果たして・・・・? あれが小屋に違いないと何度か指導標に騙されながら、白いガスに包まれた小屋がようやくぼんやりとその姿を現したのはもう3時すこし前。もう欲も得もありません。早々に受付をすませて、割り当てられた毛布の上に倒れ込みます。 さて宿泊客は何人いるのでしようか?別棟の宿舎もある様子で良くわかりませんが、グループ毎に1人分の空きスペースを取っている処をみると、まだ多少の余裕はあるのでしょう。青い目の外国人もチラホラです。ここ南アルプスは関西からの交通の便も悪く、関西からの登山客は少ないと聞きましたが、関西弁も結構耳にします。 5時からの夕食を済ませて就寝。外は雨模様です。わたしは山小屋にしては良く眠れた方ですが、パートナーは相変わらず難儀した模様。朝は4時半の起床です。天気もどうやら回復しそうで、絶好の登頂日和になりそうです。 出発は5時55分。ごつごつした岩場の稜線を歩きます。次第に空は晴れ渡って、仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳が遠くその姿を現します。 7時。山頂です。四方に眺望が開け、南東の方角には遠く富士の頂まで望めます。しばしその雄大な風景に見とれるひとときです。 山中2泊して間ノ岳とセットで登る人も多いようですが、それほどの体力はない我々は山頂から八本歯のコルに降りて大樺沢を下る予定です。 吊尾根からコルに入るあたりは見事なお花畑が広がります。見ると花の撮影に余念のない人もちらほら。我がパートナーもその1人です。 有名な八本歯は、なるほど梯子が続きますが、難所と言うほどの大したものではありません。 丁度谷を隔てた向かい側は北岳バットレス。数日前に墜落事故があったところです。カメラを構えた年配の人が指差す先を目で追うと、なるほど、岩壁に取り付く人影が見えます。8,9人もいるでしょうか? 10時10分。八本歯の急斜面を降り立つと、そこが雪渓。といっても随所に崩落の口が大きく開いて、とても歩けるものではありません。 このガレ場を登ってくる沢山の登山客と行き交いますが、どうもコースとしては頂けません。下りに使う方が正解のような気がします。 雪渓から二俣までは凡そ1時間、11時20分に到着です。ここまで来ればもう下山したようなもの。あとは広河原まで散歩気分で・・・と高をくくったのが大間違いでした。 二俣から先の長いこと!広河原には永遠に到達できないと思われるほど長くて辛い道のりでした。 思い起こしてみれば、いつもそうなのです。下りの最後の数キロがどれほど長く感じるか!元気の良い登り始めとは分けが違うことをすっかり忘れていました。 おかげで、中てにしていたバスの出発時刻にはとても間に合わず、次ぎの便までは2時間の待ちとなりましたが、30分前には相乗りバスが発車できるとのこと。例え30分でもありがたい思いです。待ち時間を利用して遅いお弁当をつかいます。 温泉で汗を流して車を発進させたのはもう5時を廻っていたでしょうか。吹田まで400キロの道程を、最後のひと頑張りではありました。 ハードながら花の多い登り堪えのある山でした。高山ではどう言う分けか、いつも天候に恵まれるのが幸いします。ただ、山小屋はどうもいまひとつ好きになれません。何処でも燕山荘程度の設備が整っていれば、もっと気分の良い山行きができるのですが・・・贅沢な望みと叱られるかも知れません。 |