涸沢カール
(2309m)

     登山日:2006.10.10〜12
     お天気:晴・雨・晴
     人  員:夫婦2名
     ルー ト:上高地ー横尾山荘(泊)ー涸沢ヒュッテ(泊)ピストン
     距 離 :往復30.5km
     標高差:800m

上高地から穂高連峰を望む 初日11:24


明神へ向けて 11:49 

 
明神館 12:19

 
明神橋


梓川越しに穂高を望む 13:05


 
徳沢園に到着 14:06


 
初日最後のひと歩き 14:37

 
新村橋 14:38


横尾山荘 15:20 


山荘前より前穂を望む


次第に深まる秋の色 2日目 7:10


本谷橋をわたる 7:22


屏風岩の威容


息を呑む見事な景観


涸沢カールが姿を現す 8:29


萌えるがごとき紅葉


漸く涸沢ヒュッテ!9:58


ヒュッテ前の紅葉 13:06


日の出に輝く穂高連峰 3日目5:57
仮初めにも山に登り始めたからには、余りにも有名な涸沢カールの紅葉を一目見なければ・・・と穂高行きを計画しますが、当初予定の10月3日は悪天の兆し!急遽予定を1週間遅らせることになりました。涸沢のホームページの情報では紅葉のピークも10日頃とか・・・






ふたを開けてみると、これが大正解!3日頃の数日間はこの方面の山は大荒れに荒れて遭難者が続出した模様です。





朝は5時前に吹田を出発、名神から東海北陸に乗り継いで一路平湯温泉を目指します。








到着してみると、平湯も上高地もこの20年近くの間に我々の記憶からは大きく様変わりしたようで、隔世の感があります。







梓川に沿って歩き始めたのは11時半頃。この爽やかな樹林の道だけは、どうやら昔と変わらないようです。





明神では橋を渡って明神池を覗きに行きますが、どうも・・・昔に比べると、俗化し過ぎて頂けません。嘉門次小屋も建て直したのかしら?昔は池を巡るのにも拝観料は要らなかったように思います。






「氷壁」で有名な徳沢園に到着は午後の2時頃。ほぼ順調なペースでしょうか。山荘前のベンチで持参のおにぎりを頬張ります。美味しいと評判のラーメンは売り切れとのこと。午後の2時ではさもあらんか?






徳沢園から今日の投宿先、横尾までは1時間強の道程、相変わらず気持ちの良い樹林の小径が続きます。








徳沢から15分も歩くと新村橋です。涸沢からの下山にパノラマコースを辿るとすると、この橋を渡ることになるでしょう。「氷壁」の主人公、魚津と小阪はこの橋の下をくぐり、奥又白谷を経て前穂の東壁に取り付いたのでした。







横尾山荘到着は3時半近くになりました。今夜は此処に投宿ですが、平日と言うのに結構混雑しています。あわよくば一部屋独占を想像していましたが大違い!流石紅葉で有名なルートだけはあります。




夫婦連れのパーティ4組の相部屋8帖は、それでも贅沢な部類かも知れません。贅沢と言えばお風呂に入れるのも、山小屋では滅多にあることではありません。





前夜数時間の睡眠で325kmを走り抜けてきた私はもうぐったり!食事を済ませると早々に布団に潜り込みます。






明けてみると外は生憎の雨!かなりしっかりと降っているようです。減量を目論んで雨具を車に残してきた我がパートナーはさてどうするか?と思案している内に、幸いにも小降りに・・・日頃の精進が良かったのかも知れません。







小雨降る中の出発は6時です。梓川を横切って、此処からはいよいよ山道に入ります。標高差は700m位にもなるでしょうか?コースタイムは3時間ですが、さてどれ位かかるやら・・・





雨と言うほどの雨ではありません。次第に好転していく様子です。道は前穂高を巻き込むように横尾谷沿いに続きます。高度が上がるに連れて秋の色が次第に深まります。







本谷橋を渡ったのは7時20分。ここから涸沢に入りますが、先ずは河原で一休み。休憩スポットらしく、大勢の登山客が広い河原で一息入れています。











屏風岩を横目に歩くこと1時間、涸沢のカールが目に入ってきます。いよいよそれらしき雰囲気が・・・実に見事な色合いです。紅葉の名所も随分行っていますが、高山の紅葉はまた格別です。








重い足を引きずりながら涸沢ヒュッテの標識を目にしたのは10時前。ヒュッテはもう其処です。4時間のタイムは先ず々か?我々の脚ではこんなものでしょう。





ところが、受付を済ませて一休みしているうちに雨は本降りに変わってきています。私ひとりで北穂に向かうつもりが、とてもとても・・・仕方なくお向かいの涸沢小屋で珈琲を飲んでいると、女性の登山客の話し声が・・・何でも、アイゼンを持たずに奥穂に向かったものの、穂高小屋で追い返されたとか?そうこうしている内に北穂から下山して来た男性二人の話では、今はもう登頂はとても無理とのこと。これで諦めもつくと言うもの!あとは小屋で沈殿するのみです。








今日は昨日を凌ぐ混みようで、6人部屋に8人とのこと。外にすることも無く、夕食までの間同宿のご夫婦と専らおしゃべりで時間を過ごします。と言っても、おしゃべりしているのは女性陣で、男どもは傍で寝るともなく聴くともなくの風体です。なんでも四国は今治から来られたとか、いかにも好感の持てる気持ちの良いご夫婦でした。(色々ありがとうございました。ご覧になっていればメールを是非!帰りは如何でしたか?)







3日目の朝は晴天。朝陽を浴びる穂高連峰を見ようと、大勢の登山客がデッキで日の出を待ちます。待つこと暫し、突然目の前の山並みがオレンジ色に輝き始めます。これは、確か、モルゲンロートと呼ぶのでしたっけ?ほんの一瞬だけのいかにも幻想的な出来事でした。初めての経験です。







さて、最終日の行動予定は?宿のオーナーの話ではパノラマルートは問題なしとのことでしたが、結局、体調芳しくないパートナーを慮って往路を戻ることにします。何でも屏風のコル以降のパノラマルートは眺望も少ないとか・・・眺望の良い往路を戻る方が良いかも知れません。




明神からは梓川の右岸に渡って、子供たちがまだ小さかった頃訪れた当時の記憶を辿りながら、ゆっくりとした足取りで河童橋を目指します。





平湯に停めた車で装備を解いたのはもう3時を過ぎていたでしょうか、バスターミナルに車を回して温泉に身体を沈めます。至福のひとときです。





帰りは高山で車を停めて暫く街中を歩きますが、この街の夜は早くて開いているお店もチラホラです。外人のツアー客ばかりが目立ちます。若かりし頃二人で訪れた川沿いの小さな料理屋はいずこに?高山でもいつまでも昔のままでは居られないのでしょう。




高速をひた走って帰宅したのはもう11時。憧れの錦秋を堪能した山行きではありました。