百里ヶ岳
(標高931m)
![]() 針畑川の傍らに車を停める 9:10 ![]() 登山口付近の素晴らしい風景 ![]() やせ尾根道を辿る 9:50 ![]() ![]() ガスに包まれた登山路 ![]() ブナ林 ![]() ロープを頼りに急登を登る ![]() 標高747mのシチクレ峠 11:35 ![]() 山頂風景 12:20 ![]() 登ったばかりの百里ヶ岳を振り返る ![]() 墨絵のような比良の山並み |
百里ヶ岳は生杉(オイスギ)から入る三国峠とは峰続き、同じ朽木村に位置する山好きには良く知られた山のひとつです。 7月最後の日曜日はどうやらお天気も下り坂で多少は暑さもしのげそうと、あまりの暑さに気の乗らないパートナーをなだめすかしての山行きです。 もうすっかり走り慣れた鯖街道は比良山荘を少しばかり通り過ぎて、梅ノ木から783号に入ると突如いかにも厳しい山道が現れますが、それを抜けると景色は少しずつ穏やかな山村風景に変わります。 針畑川沿いの美しい県道を走り抜けて、生杉で三国峠方面と分岐するとそこがもう小入谷、百里ヶ岳の山麓です。県道右手に新道登山口の標識を見つけて車を停めます。ところがどっこい、車を降りるなり数匹のスズメバチが待ち構えています。暫くかがんで遣り過ごそうとしますが、一向に飛び去る気配はありません。 止む無く駐車を諦めて下山口の小入谷バス停に向かいますが、そこでも又もやスズメバチの来襲!百メーターほど戻った針畑川の川岸に車を停めてようやくの下車です。畑仕事のおじいさんに訊ねてみると、新道登山口までは、歩けば橋を渡って5分とか。さっきのスズメバチが姿を消していることを祈りながら登山口に向かいます。 このハチ騒動で出発は30分以上遅れての9時半。標高差約500mにしてはどう言う分けかコースタイム3時間半の道程です。 ところが標高701mの小ピークを通過したあたりだったでしょうか、今度は空模様がどうやら怪しそうです。しばらく様子をみますがどうも本降りの気配です。ようやくにして雨具とスパッツを身に着け終わったころにはすでにかなりの雨脚。あたりは白くガスに包まれます。 「涼しくなって良いかも!」とはパートナーの言。なるほど上下の雨具を着ている割には暑さを感じません。時折雷鳴が響きますがまだかなり距離はありそうです。雷が近づくまではそのまま前進の構えです。 ここ百里ヶ岳の尾根道は自然林で気分のよい道ですが、小ピークの連続で稼いだ高度を返してはまた稼ぐといった風で、なかなか高度を詰められません。おまけに途中何度もスズメバチに取り囲まれては暫くしゃがみ込むと言った塩梅で、どうにも処置なしです。 12時過ぎにようやく根来坂峠下山道との分岐です。山頂までは高度にして75mですが、ここで昼食を見越して、雨を凌ぐためのツェルトを張ることにします。此処からはツェルトの下にザックをデポして空身で前進です。 下山路分岐を通過してしばらく、一つ目の小ピークにパートナーを残して単身で山頂に向かいます。最後の登りがキツイ!登頂は12時半頃。トラブル続きの割には早い登頂でした。百里を見渡せたと言うのはどうやら昔の話、今は木々に囲まれて眺望は殆どありません。 山頂から戻り、ツェルトの下にビニールシートを敷いての遅い昼食ですが、虫が多くて昼飯どころではありません。虫除けをスプレーしたり、扇子で追い払ったり・・・何とも慌しいお昼ではありました。 お昼をすませて下山にかかったのはもう1時半。しばらくは相変わらずの雨模様でしたが、次第々々に雨脚も緩み山も明るさを取り戻します。下山は楽なのが当たり前ですが、アップダウンの烈しいこの山では結構辛い下りです。 分岐点では「此方の登山路はややこしい!」との麓のおじいさんの言葉を思い出して、往路を戻ることにします。雨でガスった初めての登山道では賢明な選択でしょう。 下山は丁度3時。車に戻った頃にはすっかり雨もあがって、陽射しさえ戻り始めていました。 いかにも美しい針畑川の辺に降り立って、すっかり泥まみれになった登山靴や雨具を清流で洗います。パートナーは今朝言葉を交わしたおばあさんと何やら立ち話。お土産にきゅうりを頂いたとか、何とも心温まる話です。 絵に描いたように美しい朽木の景色に目を奪われながらゆっくりと帰りの車を走らせます。三度目は雪解けの頃に訪れたいところです。 |