御殿山U
(標高1097m)
![]() ちょっと一服 08:45 ![]() 堪らずわかんを履く 09:11 ![]() 深雪に足を取られながら 09:19 ![]() ルートはどこかナ? 10:26 ![]() 一瞬の陽射しに輝く木々 10:34 ![]() 黙々と歩を進めるS氏 10:40 ![]() 突如現れた別パーティ 11:33 ![]() 時折姿を見せる比良の山並み 11:42 ![]() 登山路は一面白銀の世界 11:51 ![]() S氏の後には武奈ヶ岳が見える筈? 12:23 |
今回は昨年の暮れ、武奈ヶ岳に登るつもりで御殿山止まりに終わった山行きのリターンマッチです。2時間早く出発すれば武奈に立てる筈と、朝はまだ暗い内、5時30分の出発となりました。 ところが、運悪く生憎のお天気で、今日から寒波の襲来です。161号を走る頃からすでに雨模様、鯖街道に入ると雪に変わります。 路面はシャーベット状態。流石のS氏のスタッドレスも対抗できず、途中でチェーンを巻くはめになりました。 予定通り7時半には登山口に立ちます。どうやら先行者は皆無。踏み跡のない登山道は序々にその雪の厚みを増して行きます。 登るほどに、今日の積雪量が尋常ではないことに気づきます。トレースのない登山道をマーキングと、かすかに残る道の形跡を頼りに進みますが、深い雪に膝まで足を取られて中々高度が稼げません。ラッセルするのはこれが初めてですが、成る程、通常の数倍の体力を要します。 ここでワカンの出番です。担がれているばかりでこれまで出番のなかったワカンですが、今日はその威力を発揮する筈です。 気温はマイナス2℃ですが、この強風では体感温度は恐らくマイナス6℃を超えているでしょう。余りの寒さにわたしはろれつが廻りません。念のため途中ツェルトを被って小休止、補助食を摂って体温を高めます。 すると、どのあたりだったでしょうか?後ろから追いかけて来た単独行の男性が、ものすごい勢いで先頭に出ます。膝上まで雪に埋まりながら雪と格闘するようなその登り方は、初めて目にする登山者の姿です。 それでも、たった一人のトレースくらいでは大した助けにはなりません。ワカンで雪を踏み固めながら一歩一歩足を運びます。 空は時折その明るさを見せますが、天候が回復する兆しはなく、この時間配分では今回も武奈に立てる見込みは殆どありません。気分は少しずつ撤退に傾きますが、兎も角、風の避けられそうな850m付近まで進んで昼食を取ることにします。 このあたりでと、お昼をとって引き返す算段をしている丁度そのとき、1人のご婦人が立ち止まっている我々を追い越します。 訊ねると、武奈ヶ岳までいくとのこと。この雪の量ではねえ?と思案顔の我々に「大丈夫、行けますよ!いつも1時半頃には到着しています。行きましょう!」とのお言葉。その言葉に圧倒されて、背中を押されるように後に続きます。 それと相前後して2組ほどのパーティ、7,8人をやり過ごしたので、ラッセルはかなり楽になります。こうなると、朝あまりに早く出るのも考えものかも知れません。 御殿山山頂は12時16分。前回3時間の行程に5時間近くかかっています。丁度件のご婦人ほか数名が武奈に向けて出発しようとの様子です。この人たちのペースなら、下山は余裕をもって日没に間に合う時間なのでしょうか?全く眺望は期待できないことも考え合わせて、我々は又しても此処で打ち止めとします。多少の無理をしてでも武奈に向かうべきかどうか?迷うところです。 下山途中、風の当らない窪地を選んでお昼を取ります。幸い雪も降り止んで、震えるほど寒くはありません。 かなりの登山者に踏み固められて、復路の登山路はまるで違います。これなら登りに5時間もは掛からなかったでしょう! 下山完了は丁度3時。登りの半分以下の時間です。 目的は達成できなかったものの、良い経験になりました。悪条件下の冬山とはどんなものか、多少は分かったような気がします。もうこれで、膝まで達する深雪にも、トレースのない登山路にも、そんなにたじろぐことはないでしょう。 |