>

  人間存在研究所の初代所長沢谷威行は、高齢のため過日永眠しました。享年93歳でした。
  沢谷先生は人類の平和と福祉実現のため、旧来の伝統に囚われない新しい改革の運動を進めていました。
 しかし、西洋伝来の既存の哲学や社会科学に強い疑問を持たれ、人間についての基本的な研究の必要性
 を唱えられ、われわれ市井の活動家・研究者に強い期待を示しておられました。おりからインターネットの普及
 がすすみこれを活用して研究を発表し啓発をしてはどうかと提案され、ネット上に「人間存在研究所」の開設を促し、
 所長の任を引き受けられました。
  幸い『人間存在論(上・下)』を出版し、これを基礎に研究をさらに進め、人間の心を見つめることから世界連邦に
 よる恒久平和への展望を開くことができました。沢谷所長亡き後、さらなる研究の深化と普及に向けて尽力する
 ことがわれわれの責務であると考えます。生前、多くの人にわかりやすく説明できることを求められてきましたが、
 まだ十分とは言 えません。先生の御意志実現のため、更なる精進と研究を重ね、混迷する我が国と世界の人々
 の幸福と平和のために貢献できることを改めて決意いたします。
  ここに先生に対し、深く感謝と哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。 合掌

                                        人間存在研究所 主任研究員  大江 矩夫