龍司は当然、仁の部屋に入る事を禁じられた。
入ろうとすれば、舎弟共にまで止められる始末。

懲りもせずコソコソと仁の部屋へ向かおうとする龍司を後ろから呼び止める声がした。高島だ。
「龍司。ガーゼを替えてやる。こっちへ来い。」
龍司は面倒臭い奴に捕まったと、口を尖らせながらも、高島の後を着いて行った。
高島に顔のガーゼを外された。
「いったいわぁ!!もっと丁寧にせぇやぁ!!!!」
はいはい。と高島は龍司の言葉を流した。
「龍司・・・・。」
さっきまで、どんな文句を言っても一言も話さなかった高島が突然話しかけてきた。
「あぁ?」
なんだ?怒るのか?と龍司は身構える。
「こんな目に合っていても、まだあの刀が気になるのか?」
高島はガーゼを貼り終え、「出来たぞ」と、ペシっと軽く龍司の頬をはたいた。
「何すんねん!!
ボクはあの刀が大好きやねん!!!
絶対いつか、おとんに貰うんや!!!」
欲しいとねだる物は違えど、行動は玩具をねだる子供そのものだ。
普通なら、何針も縫う怪我をすれば、近づきたくなくなるものだろうが、益々好いているように見える。

-----いい根性をしているな。------

高島は将来、面倒になりそうだな。と失笑した。
「がんばれよ。」
其れだけを言い残し、部屋を立ち去った。