『龍司、これはお前にやろう。』




差し出されたのは、漆黒に金色の龍が施された一太刀の刀。




------これ。あんときの・・・。--------




龍司自身ですら忘れかけていた。
そう、幼い頃どうしても欲しかった父親の刀。

『おおきに。』

龍司は受け取ると、仁の前を素早く立ち去った。
今の己の表情を読まれないように・・・。



-----あんな昔の事、まだ覚えとったんか・・・------



龍司は口元の傷をなぞった。
少し嬉しく思ってしまった自分に苛立ちを覚えて。