子育てコラム:子育てに悩んでいるお母さんを応援します

Vol.16:依存と自立 H29.4.9

 共依存という言葉を目にすることが多くなり、分かるような分からないような曖昧な意識で受け流していましたが、インターネットで少し調べてみました。どうも、アルコール依存症の家族の特徴として出てきた言葉のようです。依存症患者の世話や後始末をすることに自分の存在意義を見出すということのようです。
 話は少し飛びますが、子育ての中で私が大切と思っていることは、いかに自立に導くかということです。産まれたばかりの赤ちゃんが、歩くようになり、言葉を覚え、お友達と遊ぶようになり、勉強をして、大人になる。最初は、すべてを親に依存していますが、少しずつ自立に向かって進んで行きます。かわいい自分の子が、困らないように世話をしたいのが親ですが、世話しすぎると、自立は難しくなります。子どもは、本能的に自立に向かおうとする意欲があります。2〜3歳の子供が、「自分でする!!」と言うのがそれです。親にとっては、やってあげた方が上手にできるし、時間もかからないのですが、できれば待ってあげたいものです。ただし、他人に迷惑がかかる場面では、親の責任で何とかすべきでしょう。自立は自分勝手とは違うからです。たとえば、お散歩の途中、公園の階段を一段ずつゆっくり降りるならじっくり待ってあげたらよいけれども、混雑した駅の階段を自分で降りたいと言った時は、親が抱えてでも早く降りるべきだと思うのです。まだ下手なので仕方ないのです。そして、また公園で練習して、上手になったら駅でも自分でできるようになるのです。自立とは、自分が成長しないと得られないことで、出来た時には胸を張って誇らしい気持ちになるものです。どれぐらいの試練なら乗り越えられるのか見極めて、必要なところで手を差し伸べる。その塩梅はなかなか難しいですね。
 共依存という言葉には、子育てのヒントになる一面がありそうで、もう少し勉強をしてみようかと思います。

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