本文へジャンプ 乗馬回顧録 

 


乗馬ライフ
おすすめ度 :
コメント:館長おすすめの本です。乗馬はもちろん、馬の話がいっぱいです!



乗馬回顧録


1.きっかけ

乗馬をはじめたきっかけ。
当時の職場の上司が「連休あげるし変わった事をしておいで」みたいな事を言われたから。
なんとなく馬に乗ってみたいと思ったので、体験乗馬を予約した記憶がある。



2.体験乗馬

訪れたのはS県M乗馬クラブ。ドキドキしながらフロントへ。
親切な応対で良かった。少し待ったあとで先生と挨拶する。
「乗馬経験ありますか?」「いいえ」
「今日は一人で来はったんですか?」「はい」
「珍しいですね。だいたい友達と一緒に来られるパターンが多いんですよ。どうして乗馬をしようと思ったんですか」
「なにか変わった事をしたいと思って来ました」など、喋りながら蹄洗場へ移動。
「今日、乗る馬はセーラといいます。まぁ、触ってください」
ここで生まれて初めて馬を見たのだ。馬は常にヒヒーンと鳴きまくってるものと思っていたのだが、すごく静かで動きもしない。なんだか置物みたい。
セーラに「よろしく」と挨拶したあと、屋内馬場へ移動。先生が最初に乗り、並歩、速歩、駈歩を説明。次は自分の番だ!
乗った瞬間、目の前につかまるものがないし手綱も細いし怖かった。
「じゃあ並歩しましょう。両足で蹴ってください」「先生ちょっと待って!どんなして動くか分からへんし引っ張って!」
「じゃあ引っ張るわ」
そしてセーラはゆっくり歩きだした。なんかゴツゴツしてて軽トラックでデコボコ道を通過している感じ。
しばらく歩いて、自分で蹴って歩かせたり止めるようになった。
「次は速歩。安全ロープを持って、僕が立つって言ったら立って、座るって言ったら座ってください。ちょっと今やってみて」
鞍の上で立ったり座ったりを数回。
「じゃあ行くよ、速歩すすめー。立つ座る立つ座る立つ座る・・・」
並歩と違って、すごい反動!こんな反動の中で立つ座るなんて、どないすんの?安全ロープに全体重をかけて無理矢理に立つ座るをする。
「うまいやん!センスあるわ」先生は褒めて勇気づけしてくれるけど、こっちは必死だ!
そして、あっという間に体験乗馬は終わった。
そのあと入会の勧誘があり、とてもアットホームな雰囲気を感じるクラブと、動物好きな性分で、また馬に会いたいと思って入会した。
帰り道、車を運転している時は気にならなかったのだが、降りる時に両足の付け根が激痛&お尻も激痛で、
なかなか降りられず家のガレージで車から降りる事に必死だった。
足の付け根とお尻が痛くて、ガニ股で歩き、座る時は痛い痛いと叫んで、職場の人に笑われていた。とにかく足の付け根が痛いのだ!
しばらくはレッスン後の痛みに耐えて騎乗姿勢作りだ!





3.レッスンレッスン!

乗馬クラブに入会して、一人で馬装できるようになった。
犬と違って何を考えているのかわからず、大きいし、自称:動物好きな私でも怖く感じる。
早く速歩が出来るようになりたい!ただそれだけで一生懸命だ。
屋内馬場で調馬索を使っての速歩の練習。
ひたすら立つ座る立つ座るの号令に従う。でも今は安全ロープに全体重をまかせて突っ張って立つ座る立つ座るの状態。
手綱なんてほったらかし。私の手綱は安全ロープだ。
踵を下げてと言われても下げたらズリッと鐙から滑り落ちそうなんだけど・・・




4.調馬索なし

何度か通っているうちに、調馬索をはずして一人で速歩デビューする事になった。
しかし、私の合図で馬が動いてくれるわけではなく先生が長鞭で馬に合図を送っている。
立つ座る立つ座る立つ座る、くらいで止まる。それ以上に続ける事は自分次第なのだ。
屋内馬場でひたすらマンツーマンのレッスンをして、一人で速歩できるように頑張る。
運動大キライなのに、めちゃくちゃハードな運動ではないか!!!
ハードでも大好きな動物のほうが勝っていたみたい。次回のレッスンが楽しみに思えるようになってきた




5.よろしくお願いします

今日のレッスンはマンツーマンではない。初めて他の会員さんと一緒だ。
複数人でやる時は一列に並ぶ。上手な人は先頭。ヘタクソは最後尾。もちろん私は最後尾。馬は勝手に前の馬についていくので、
ひたすら立つ座る立つ座るをして皆についていく。キツイ!めちゃくちゃキツイ!
馬は後ろについていくほうがラクなのだ。先頭は馬を動かす事も大変だし後ろの馬のペースも見つつ、安定した速度でなければならない。
先頭が急に止まったり、遅かったりすると後ろがつまったり列が乱れてすごく危険な状態になる。
しばらくすると私は個別レッスンになった。他の方は駆歩になる。
私は調馬索をつけて初めての駆歩レッスンをする。
周りの人を見る事は大変勉強になるので、その人達をお手本&目標に初心者は成長していくのだ。




6.なんじゃこれー!?

初めて駆歩をした瞬間に「なんじゃこれー?!」
また安全ロープにしがみついて駆歩レッスン。
先生に速歩と動きが変わると言われたけどスゴイ!最初の一歩を踏み出す時に首がこっちに近寄ってくる。
駆歩の一歩が出たら止まり、次は二歩、三歩と歩数を伸ばしていく。
そして調馬索なしで走る。といっても、速歩同様に長く走れるわけではない。
自分は乗ってるだけ。先生が長鞭で馬に合図を送りながら一緒に走っている。
先生も土がたっぷりある馬場を走りっぱなしで大変だ。
早く一人で動かせるようになりたい。



7.馬は生き物

駆歩の練習をしだしてから、乗馬がものすごく楽しくなってきた。
もっと時間いっぱい乗りたいんだけど、けっこう早めにレッスンが終わる。ちょっと不満だ。
よく考えて見たら、馬は機械ではない。生き物だ。好きでレッスンしているわけではないのだ。
レッスン回数が多くなった馬がストレスで凶暴になったりする。
馬を大事に思ってあげなければ、馬も人間を好きになってくれないんだろうな。
自分の勝手に反省した。乗馬の前に馬が好きってことを忘れず、馬を大事に思いながら乗馬をしようと反省した。





8.屋外デビュー

屋内馬場でのレッスンばかりだったが、初めて屋外デビューすることになった。
屋外へ行くと広いし壁もないし、先生もひたすら一緒に走ってくれないし、自分の力で動かさなければならない。
部班の最後尾でチョロチョロとくっついていく。なんとか遅れずについていけるようになってきた。
馬に乗ってたら先生の言葉をノートに書く事も出来ない。言われた事はその場で実行して体で覚えなければ一生ヘタクソなままだと思い、
言われた事は、すぐ実行するよう頑張ることにした。
それからは上手な人を見本&手本に、先生に言われた事はすぐに実行。
乗馬は自分との戦いだと思う。精神力を鍛えるには良い事だ。




9.先頭に!

地道に通ってレッスンに励んだおかげで、部班の先頭を任せてもらえるようになった。
先頭は非常にツライ。自分が馬を動かさないとダメだから。後ろの人よりも体力消耗が激しい。だけど先頭を走れるのは快感!
先頭に慣れてくると後ろで走るのがイヤになってくる。砂ホコリを浴びたりするから。
なんだか急激に成長して嬉しい。先生にライセンスを受けるように言われたので挑戦することにした。
4級と3級があり、4級を受けようと思ったら、「大丈夫!4級なんか受けんと3級にしいや。勢いでいっちゃえー」って無責任な言葉・・・
とりあえず3級だけ受験することにした。


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10.3級ライセンス

3級は筆記試験と実技。
筆記試験はテキストを買って読めばいいらしく、一応しっかり内容は覚えておく。
実技は決められた経路を決められた動作で正確に行く。
普段のレッスン通りにやれば受かることを信じて・・・
2001年10月21日、雨。体調は風邪で熱が出てて最悪。それでも参加する。
緊張よりも、体調不良が勝って普段のレッスン通りに出来たと思う。
試験が終わって結果は合格!
とうとう3級ライダーになった。後日キャッシュカードのような認定証をもらった。




11.障害デビュー

3級ライダーになって、もっと上達したいと思い、フラットのレッスンを受けていると、先生に障害レッスンをすすめられた。
「障害いこう!障害」「イヤや」
「大丈夫や。いける」「ムリムリ」
あまりに毎回というほど、すすめられるので「じゃあ受けてみるけどイヤになったらやめる」と参加。
初めての障害はイヤな思いしかなかった。
周りは障害経験者ばかりで私は丸太をまたぐのに必死なのにクロスバーを今日から飛べだなんて。
楽しくないレッスンだった。しかし障害レッスンの券を1冊買ったからなくなるまでは受けようとあきらめた。




12.障害レッスン大嫌い

前向きになれないまま障害レッスンを受け続けたある日のこと、落馬してしまった。駆け足をしだした頃に落馬したことはあるが
障害になってから落馬の回数が増えて危険だと感じた。
自分もプロテクターをつけて、安全第一でレッスンを受けなければと思った瞬間だ。
障害レッスンは不機嫌になってると自分でもわかるほど、ふてくされていた。そして、文句も言いまくった。
どうすれば少しでも安全にレッスンが受けられるか考えた末、「自分の鞍を買おう」と決めて鞍を注文した。
乗馬クラブの鞍は鐙革の長さがいろいろだし、きっと長さが一定なだけでも安全ではないかと思って。ただそれだけで買った鞍。
おススメの鞍は色が気にくわず、メーカーなんてどこでもいいから希望の色を言って探してもらった。そしてジャガーの鞍を買うことになった。
これで少しは安全に乗れるかな???




13.3人がかりで

新しい鞍を使う時がきた!腹帯を締めようと思ったら腹帯の革が伸びていないので締められない。
先生に助けを求めたが、先生1人ではどうにもならず、2人が鞍に乗って1人が腹帯を締め、なんとか馬装完了。
革が伸びるまでは一人で出来ないなと思った。
新しい鞍を使ってから落馬がなくなった。そして乗り心地も毎回同じなので馬がレッスンごとに変わっても、馬の反動だけ気になるようになり、
快適にレッスンを受けられるようになった。
「自分の馬がいないのに鞍を買うなんて」と家族や職場では呆れられたが、乗馬クラブ内では呆れる人は誰一人としていない。
いいねぇ、乗馬クラブって。
私の鞍と同じ鞍を持っている人はクラブ内ではいないので、ネームプレートは付けていない。
ネームプレートをつける所にはジャガーのプレートがくっついているのでそれが名前みたいなものだ。
お気に入りの鞍、とんでもない事態になってしまうのだ!




14.カビ

新しい鞍に異変が起きたのはジメジメした天気が続いた時だった。所々が白っぽくなっていて、なんだろうと気にせず軽く拭いていた。
それが第1番目のカビだとは知らず・・・。
ある日のこと、鞍庫を見て「どっひゃー!鞍がカビだらけ」緑や黄や白色のカビが上品な深いワインレッド色をした鞍に大発生!
すごい下品で不潔な鞍に変わり果てていた。おまけに「腹帯も頭絡もカビてるやん」
それからは乗る前に鞍のカビ取りをしなければならず、困っていたのだが、もっと大変な事態になった。
なんとなんとキノコ?のような物体がベッチョリくっついてる!!!山とかの木の根元のキノコの形をしていない白い物体みたいなのが鞍に発生。
クラブ内では誰かが鞍にキノコを生やしたという噂が広まり、それが私だとわかったクラブの子供達に「キノコさん」なんて呼ばれるハメに。
もう絶対にカビささへん宣言をして、クラブの方のカビ対策を教えてもらい、鞍庫には除湿シートと除湿剤を大量に入れてカビ&湿気対策をした。
それからは何とかカビ大発生もなくもちこたえている。
馬具は革で出来ているのに天候かまわず使わなければならないので自分の持ち物が増えれば増えるほど
長持ち&カビ対策費がかかることがわかった。




15.競技会デビュー

障害レッスン、イヤならやめると宣言しながら、結局は続けてしまっている。障害鞍を買ったから続けるしかないような状態になった気がする。
先生が「試合に出よう!」と言った。慌てて競技用ウエアを揃えて見た目は決まってる。
まだクロスバーで必死なので、クロスバーの競技に参加することにした。
試合当日、今まで1コの障害を飛ぶだけだったのに、試合だと8コくらいは飛ばなければならない。そんなん初めてやん!
やっぱり棄権しようと思ってたら順番がきてしまった。馬は試合慣れしているテイオー。
ベルが鳴ってテイオーは私の合図で動くというより勝手に走り出した。しかも気合が入って勢いがある。
もうテイオーに全てを任せて私は落ちないように乗っていよう。「さよなら」って心境。
テイオーはどこで経路を覚えたのか勝手に走ってくれている。1分も乗っていないのに長く感じた。
結果は6位入賞。初めて参加して入賞できるなんてテイオーに感謝感謝。競技会は6位まで入賞でリボンがもらえる。すごく嬉しかった。
その後も競技会に出られる時は参加してポツポツと入賞することができた。
クロスバーで1位のブルーリボンを貰った時で、クロスバー競技は卒業した。




16.2級ライセンス

ここんとこ競技会に出ても入賞できず、何の成果も得られないときに、「2級受けるか?」と先生。2級は障害と馬場馬術があり、障害は私には絶対に無理。
なら、馬場馬術しかないけど、馬場レッスンは受けていないし・・・。
試験1ヶ月ほど前にフラットレッスンを馬場レッスンに変更して飛び入り参加状態で挑戦した。周りは馬場鞍でレッスンしている馬場専門の方ばかり。
その中で一人だけ障害鞍で馬場レッスン。これで受かったら奇跡やわと思った。
2004年12月5日、天気はミゾレ&雨で最悪。
馬場ライセンスは正装で出なければならず、馬場専門の会員さんは馬場正装。ヘルメットも障害と違って上品な感じ。
私は毎度の障害正装で。ヘルメットのハーネスをはずすように言われ、はずした。
気づいたんだけど、手袋は白って決まっているんですね。何も思わず茶色を持ってきて、時すでに遅し。
馬場馬術用の鞍を試験を受ける方にお借りして、乗り心地が良くて感激!感激もつかの間、自分の順番がきて経路へ。
ヘルメットがカパカパして落ちそうなんだけど・・・。
駆歩の時にやっぱり脱帽してしまった。先生が「気にするな!続けろ!」と叫んでる。
脱帽してからは気にするものがなくなり、落ち着いて経路をふめたと思う。
終わってから先生が「試合やと脱帽は罰金1万円やで」と、笑いながら言った。
結果は合格!
とうとう2級ライダーだ。これからもっと細かく騎乗技術の勉強に励もう!




17.乗馬しませんか?

難しい乗り物といえば「馬」だと思います。生き物だし、今はゴキゲン、10分後はフキゲンになるのは当たり前。
ゴキゲンでもフキゲンな時でも同じように乗り続ける技術が必要です。
それを勉強するのが楽しいんです。
最初は一人で駆歩ができたり、大きな成長がみられるので楽しいです。
しかし、それが出来るようになると、自分がどんなに成長してるかなんてわかりません。そこから上達するかしないかの境目だと感じます。
上達したいのであれば先生のアドバイスをしっかり実行して頑張る。先生のアドバイスをクリアすれば新たなアドバイスがもらえます。
見た目には成長していないのですが、馬が暴走した時や、癖のある走りをする馬に乗った時でも、諦めずに自分のもっている騎乗技術でなんとか対処しようという気になるし、乗り方が変わってきます。自分の乗ってる姿はわからないけど。
乗馬は金持ちのすることだと思われがちですが、
(その通りな部分もありますが)庶民のスポーツでもありますよ。
金持ちの人は自分の馬をもっています。だけど、私のように馬がいなくても楽しめます。
お金がかかると思われがちですが、
(その通りな部分もありますが)普通にレッスンするだけなら、お金がかかることもありません。
衛生面を考えるとヘルメットだけは買わないといけませんね。汗をかくから。
乗馬をしようと誘われても「お金」の心配が先にくると思いますが、私には「支払うお金」以上に良いものを与えてくれると思っています。
世の中の言葉でいえばアニマルセラピーです。馬の世界ではホースセラピーです。
ちなみに1年半以上もプー太郎ですが乗馬を続けています。なので金持ちでなくても出来ます!
もっともっと楽しみたいから次の仕事を早く見つけたいんですけどネ





18.2コ目の長靴です

1コ目の乗馬靴は手入れの時も履きっぱなしで丁寧に扱わなかったために革が切れてボロボロ。
自分の足のサイズに測ってもらった良い靴なのに。
最近、新しく買い換えました。フロント行ったら「買おう買おう!」とスタッフにすすめられ、
座ると同時に寸法をとられました。
「鞍も珍しいから靴も珍しくしよう」と言われ、決まったのがコレです。
クラブ内で履いてる人は見かけません。初めて履いた時は革が硬くて痛くてレッスンに身が入らなかったです。
なんか派手っぽく見える靴が恥ずかしかったです。良い靴を履いてるわりに技術がヘタだしね。
この靴を履いても納得いくような上手なライダーになりたいです。
「今度の靴は大事に履くんやで」と念をおされました。
今のところ雨の日は1コめのボロ長靴、手入れする時はゴム長靴に履き替えて大事にしています。
革の靴は長く使えば使うほど履き心地が良くなるんで、履き心地が良くなったときに買い換えることがないよう長く使えればと思っています。


     


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