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世界の窓

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インドネシア・バリ島 VOL

うみ女史

 

 

(98/ 8/19 バリ島からのレポートより)

◆ あれから3ヶ月たったバリ島 - 8月18日−
 
 

5月の騒乱から3ヶ月がたちました。バリはもう本当になにもなく、穏やかな毎日が続いています。観光客も少しずつ帰ってきて、8月に入ってからはどこのホテル も満室、もしくはそれに近い状態が続いているようです。日本人のお客さんも今で はかなり増えてきました。とは言っても、いったんリストラされた人たちは、そう簡単に復帰できないようですが%%%。でも、少しずつよくなっていることは確かなよ うです。8月17日はインドネシアの独立記念日だったので、ジャカルタではその日 のために暴動宣言を出したりしている組織もあったようですが、それもどうなった のかバリにいるかぎりでは全然わかりません。私は元々テレビっ子ではないので、 ほとんどテレビを見ないのです。で、今日、18日になってから、何人かの人に「ジ ャカルタでは暴動があったのかな?」と聞いても、みんな「さぁ?」と首をかしげるばかり。ここはあまりにも平和すぎて、とても同じ国でそんなことがあるなんて信じられないくらいです。

バリで最近、変わったことと言えば、車がやたらと増えたことくらいです。ジャカルタやスラバヤの華僑が大勢、ベンツやBMWをはじめとした高級車と共に安全なバリ に移住してきたので、一部地域では夕方の交通渋滞がすごいのです。私立の小中学校も彼らの子供でいっぱいになり、3クラスも増設されたらしいですが、それでも入学出来ない子供が大勢いたそうです。

早くインドネシアの政治が安定して、みんな住みたいところに住めるようになるといいのにね、ってつくづく思いました。これだけ大きな国で、資源も豊富なんだから、公正な政治をやりさえすれば、なーんにも恐いことないはずなのですよ。実際 、スハルト前大統領とそのファミリーの不法資産をすべて国に返還すれば、他国からの借金を全部返せるくらいだといわれているのです。「だったら早くそうすれば いいじゃん」って私なんぞは単純に考えてしまうのですが、人間のお金や物に対する執着心というのは、そう簡単には消せないみたいですね。守るものがたくさんある人っていうのは大変だなって思います。

それからひとつ、これからバリに遊びに来られる方に気をつけていただきたいこと 。バイクを使ったひったくりが増えていますので、バックは車道側に持たないように、出来ればショルダーバックをたすきがけで歩道側に持つのがいちばん安全です 。犯罪は多くはないのですが、日本人観光客はやはり目立つし、無防備な人が多いので、街を歩くときは少しだけ気をつけてください。かと言って、こちこちに緊張 する必要もないし、「人を見たら泥棒と思う」必要もありません。ほんのちょっと気をつければいいことなのです。ほんのちょっとだけ気をつけて、そしてバリでの休日を思い切り楽しんでください。

そしてもうひとつだけお願いできるのであれば、いくらバリが安全だといっても、インドネシアの経済危機は同じです。物価が高騰し、買いたいものはもちろんのこと、生活必需品さえも買えない人がたくさんいます。こちらに住む私たち外人でも ルピアの収入を得ている「ルピア生活者」は、結構生活がきびしくて、そのために バリを断念し、帰国する人もいるくらいなのです。ただ、外貨の高騰の方が大きいので、日本を含む外国から来た観光客にとっては(例えば今のレートで商品を日本 円に換算すると)、以前よりもずっと物価が安いことになります。だから、買い物をしていただくのは、バリの人にとってとてもありがたいことなのですが、あまり不用意に「安い、安い」を連発して、こちらに住む人の神経を逆なでするようなこ とはしないようにしていただければと思います。「私たちにとっては安くても、この人たちにとってはものすごく高い」ということを心の隅に止めておいていただけたらと思います。いくらお客様と店員でも、お互いに人間同士ですから、相手の気 持ちを少しだけでも思いやっていただきたいということです。

また、それと同じように、ほんの少しの思いやりさえあれば、旅行ももっと楽しくなるのではないでしょうか。例えばホテルのベルボーイが、重いスーツケースを嫌 な顔ひとつせずに部屋まで運んでくれて、にこにこしながら部屋の設備について説明をしてくれたり、夜中のルームサービスでもにこやかに感じのよい対応をしてくれたりしたら、チップを多めに渡すとか、その時に日本語でいいから「ありがとう 」とひとこと、だけど心をこめて言うとか、そんな些細なことでいいのです。ともすれば私たち日本人はそういったサービスを「仕事なんだからあたりまえ」と思ってしまいがちですが、特に今のインドネシアの経済状況の中、自分の苦しい生活の 不安や不平不満をお客様に見せずに、気持ちのいいサービスを与えてくれた人には 、お客様の方もほんの少しの気持ちを返してあげてほしいなって私は思いました。 ほんのちょっとした提案だと思ってください。

HAVE A NICE HOLIDAY IN BALI !!


(98/ 5/23 バリ島からのレポートより)

◆ 続報・バリ島での動き  98/05/22 22:13:21現在
 
 

昨日の朝、スハルト大統領が辞任してから、 この島に張り詰めていた緊張した空気が一気に 元のなごやかなのんびりした空気に戻りました。
まるで何もなかったかのように町は動いていますが、 やはり観光客の姿がめっきり少なくなり、 ただそれだけが以前と違うところでしょう。

外務省はまだ危険度4から下げるつもりはないらしいですが、 「バリ島を除くインドネシア」というように変えてもらいたいですね。
実際、ジャカルタやスラバヤからも大勢の人がバリ島に 避難して来ているくらいなのですから。 バリ島が危険だったら誰もここには避難してこないでしょう。 日本の人がここに来たら、きっと 「なーんだ、なにも危ないことはないじゃないか。 なにが危険なんだろう」って思う筈です。

確かに一時期は緊張感が漂っていましたが、 今はもう、普通通りです。 早くお客さんが戻って来てくれないと、また大勢の人が リストラされてしまいます。 今年に入ってから、ひとり、またひとりとこちらで働く日本人が リストラされて帰国したり、他の国へ行ったりしています。 私は自営なのでリストラはされませんが、 友達がどんどん減っていってしまうのは寂しい限りです。 また、仲良くしていた旅行会社のローカルスタッフが 次に会社に行くとリストラされていなくなっていたりすることが けっこうあって、その度にせつない思いをします。
一日も早く、活気のある本来のバリ島が戻ってきてほしいです。

おもちゃ箱をひっくり返したようなクタの町の喧騒、
ビールに酔っ払ったオージーたちのはしゃぐ声、
ショッピングバックを沢山かかえた楽しそうな日本人の女の子たち、
女の目から見てもほれぼれするほどかっこいいヨーロピアン女性の 颯爽と歩く姿、
おしゃれをしてバンドの演奏に踊り狂う人たち…。

そういった光景、そして町の物売りやビーチボーイまでもが この島の照りつける太陽や、夜の濃厚な空気にぴったりと溶け込んで、 バリ島ならではの独特な雰囲気を作っていました。

やはり私たちの愛するバリ島は、そんな風なバリ島なのです。
文化と伝統、レゲエとガムラン音楽、イタリア料理とバリ料理、 光と陰、ドラッグと宗教、海と山、ツーリストとビーチボーイ、富と飢え… そういったものが一体になっているのがバリ島です。
バリ・ヒンズーでは「善と悪は永遠に共存する」と 信じられていますが、ここはまさにそのとおり、二つの両極が ひとつになって強力なエネルギーを生み出しているような気がして なりません。
この島に来るツーリストにリピーターが多いのは、 この独特な雰囲気とエネルギーのせいだと私は思います。 「一度バリ島に行ったらハマってしまった」という友達が みなさんの周りにもひとりはいるんじゃないでしょうか。

一日も早く、またもとどおりのエネルギーでいっぱいの 元気なバリ島に戻ってくれることを願ってやみません。

 


(98/ 5/21 バリ島からのレポートより)

◆ 続報・バリ島での動き  98/05/21 01:57:09現在
 
 

朝起きるとジャカルタでデモ中止のニュース。
これ以上の流血を避けるためとは言え、 スハルトと国軍が、その力で反政府派を脅し、 力技で押え込んだという印象は否めません。

結局、今日はスハルトの勝ちに終わったみたいだけど、 「天安門のようにしてやる=軍の力で学生たちを殺してやる」 なんて言うなんて本当に最低の人たちだと思いますよ。

最低と言えば、今日、テレビで治安部隊のおじさんたちが 戦車に学生を乗せてあげているところを放映していました。 ものすごくわざとらしく、まるで平和な時に社会科見学に来た 小学生たちを戦車に乗せてあげているような感じで、 軍人たちはやさしい笑顔。

「ほらほら、ここに足をかけて。あ、ほら、そこ、危ないよ」 みたいなことを言ってました。 「治安部隊と学生和気あいあい」とでも言いたいのでしょうか。 そのあまりにもクサイ演技に、見ていて思わず 鳥肌が立ってしまいました。 こんなのをテレビ放映しても、鵜呑みにする人がいるんでしょうかね。 あー、もう、ほんとうに気持ち悪かったですよ。

バリ島でのデモは、大学のキャンパス内だけで行われたとか、 バリ州の集会所を学生が占拠したとか、 レギャン通りを学生たちがバイクで行進したとか、 情報がまちまちで本当のところがまだ分かりません。
なにせ私は一日中、家に閉じこもっていましたから。
でも、こちらで結婚している日本人の友達は インドネシア人の旦那さんと一緒に車でスーパーに 買い物に行ったそうです。
バイパス沿いにある「マクロ」という大手スーパーと デンパサールの「ティアラデワタ」(こちらも大きなスーパー)は、 なんと営業していたそうです。 道路には警官の姿が目立ったものの、車もほとんど走っておらず、 「逆に快適よぉ」と言っていましたが、 独り者の私にはとてもじゃないけどそこまで出来ません。

でもその2件以外のほとんどの店が 今日は休業していたそうです。 町は閑散として恐いくらいだと他の人が言っていましたが、 なにはともあれ「外人血祭り説」が流言に終わって ホッとしています。

やはりバリ島はバンジャール(町内会みたいなもの)の結束が 強いのと、観光で食べている島なので「なにかあったらみんなが 職を失う」という意識が強かったのでしょうか。 とりあえず今日はなにもなくて本当によかったです。

明日はインドネシアの祭日です。 私は明日も大事を取って家に立て篭もっています。
(と言って本当は寝ているんですよね、これがまた)

 


(98/ 5/20 バリ島からのレポートより)

◆ 続報・バリ島での動き  98/05/19 22:33:36現在
 
 

明日の全国一斉大規模デモをひかえ、バリ島も 状況が大分変わってきました。
つい先週までは、ほとんどの人が「バリ島は大丈夫派」 だったのに、かなりの数の人たちが「本気でやばい派」 に変わってきています。

軍がスハルト大統領の味方をするような発言をした為です。 このままでは不利になった反政府派が 世界中の目をインドネシアにむけさせ、 スハルト大統領の失脚を狙う為に 「バリ島の外人を血祭りにあげる」という説が まことしやかにながれ始めました。 明日のデモの為にすでにジャカルタやスラバヤ、ロンボクからも 扇動者たちが集まり、待ち構えていると…。
 
 

いやがおうでも高まる緊張感…といったところでしょうか。 こういう時には流言蜚語が飛び交うので、 それに惑わされないようにしたいと思っています。

私たちはというと、冷蔵庫にとても入りきれないほどの 食糧の山を用意し、家にたてこもる準備万端です。 とりあえず明日の様子を見て、お互いに電話で連絡を 取り合おうと約束しています。

本当に本当にほんとうになにもないことを祈ってやみません。 20日の大規模デモまであと残りわずかとなりました。 今日(18日)、一部の日本人が会社命令で シンガポールに避難しました。 まだ居残りのお客様のいる旅行会社の人たちは、 仕事があるので身動きが取れないとのことです。


(98/ 5/19 バリ島からのレポートより)

◆ バリ島での動き  98/05/19 02:28:33現在
 
 

20日の大規模デモまであと残りわずかとなりました。 今日(18日)、一部の日本人が会社命令で シンガポールに避難しました。 まだ居残りのお客様のいる旅行会社の人たちは、 仕事があるので身動きが取れないとのことです。

ジャカルタでのデモを扇動した人たち(学生?)が バリ島にすでに到着し、20日のデモに備えている という噂もあり、こちらに住む日本人の中にも 脅えるひとが増えてきました。

スーパーマーケットは買いだめをする人たちで ごったがえしています。
今日やっと一部の銀行が開き、 大手のBCA(バンク・セントラル・アジア)などは 付近の道路にまで車がはみ出して、渋滞が出来るほどでした。

こちらに住む人たちの意見は真っ二つに分かれています。
インドネシア人と西洋人、そして一部の日本人は 「バリ島はジャカルタのようにはならない。
万が一、暴動があったとしてもデンパサールのマタハリデパート とその周辺の華僑の店あたりがやられるくらいだろう」 の「バリ島は大丈夫派」。(ちなみに私もそのひとり) もうひとつは「今回はバリ島も例外でなく、本気で やばいらしい。外人はみんな狙われている」 の「本気でやばい派」です。
後者は日本人が中心で、かなり少数です。
なぜ日本人がそんなにぴりぴりしているかというと やはり日本サイドの報道にあると思います。 確かにジャカルタやスラバヤなどでは、本当に恐い思いをして いる方がたくさんいらっしゃるでしょうし、その方たちについては 安全な場所に少しでも早く避難出来ることを私も願っていますが、 インドネシアはとても広い国です。ジャカルタが危ないからと いって、十羽ひとからげには出来ません。

確かに今日あたりは、町の空気も心なしか張り詰めているような 気はしますが、それでもやはり「バリ島は大丈夫」と 信じたい気持ちでいっぱいです。 

 

 

(98/ 5/17 バリ島からのレポートより)

◆ バリ島は平穏です。
 
 

バリ島はジャカルタ等と違い、平穏な毎日が続いています。
同じインドネシアなので心配してくださる方が 沢山いらっしゃいますが、バリ島は大丈夫です。
例えば日本の東京・大阪で暴動があったとして、沖縄ではたいした影響がないのと同じです。 先日、学生のデモがありましたが、単なるデモ行進だった そうです。ただ、帰り際に投石行為があり、軍の方でゴム弾を 発砲したという話ですが・・・。
バリ島では今のところ、燃やされる商店も車もありません。 デンパサールの華僑系商店がいくつか店を閉めているくらいです。

そして学生がどんなにデモをしても、軍や警察は決して実弾を 発砲することはないでしょう。なぜならバリ島はインドネシア政府 にとって大事なドル箱だからです。この観光地で流血があれば、一番 損をするのはインドネシア政府です。
例えば、この物価高で国際線のエアポートタックス(空港税)も デンパサール空港ではひとり10万ルピアになりました。 一台の飛行機でも約300人の乗客があります。
もうそれだけで3千万ルピアです。
その国際線の飛行機が一日に何台も飛ぶのです。
政府がこの空港から稼げる税金だけでもすごい金額になります。 (ちなみにインドネシア人の月給はお手伝いさんクラスで5〜10万ルピア、 事務員で15〜25万ルピア、マネージャークラスでも50〜200万ルピア くらいです。1円:72ルピア:5月14日現在)

それ以外にも観光客は外貨を落としてくれるのですから、 インドネシア政府がバカでなければ、この島は守られる筈です。 「バリ島が危なくなる時は、インドネシアが終わる時」というのが ここに住む外人たちの大方の見方です。

今日、日本政府から勧告4が出てしまいましたが、私を含む私の周りの人たちは、日本にもシンガポールにも 逃げる気はありません。
バリ島に住む日本人は、大きく分けて2種類いますB バリ島が好きで自分で望んでここに来た人と 会社から派遣されて望まないのに来た人です。 私を含める前者は余程のことがないかぎり、 ここを離れないでしょう。 後者は「パスポートとエアチケットはいつも持ち歩いている」 とか、「妻子だけでも日本に返した」とか言っています。

でも実際のバリ島はのんびりしたものです。 私などは先週、車を購入しようと中古車屋をまわっていたくらいです。 バリ島で売られている商品は、ほとんどスラバヤ(ジャワ島)から 送られてくるので、このままでいくニスーパーマーケットに並ぶ 商品が激減するかと思われますので、米、牛乳、缶詰等は 買いだめしましたが、まぁ、それくらいです。

そんな訳で平穏なバリ島ですが、20,21日は 他の地域と同様、大規模なデモがありますので、 この日だけは家から出ないようにしようと申し合わせています。 その時に何か変化がありましたら、またレポートさせていただきます。 私たちは一日も早く、平和で安全なインドネシアと 観光客のみなさんの笑顔が、この島のやすらぎと共に戻って来ることを 祈ってやみません。

 


(98/ 4/25 バリ島からのレポートより)

◆ *熱帯雨林は育つ!!*
 
 

インドネシアに住んでいていつも感心するのが、「毛」の伸びるのが 異常に早いということ。これは他の熱帯地方も同じなんだろうけど、 髪の毛はもちろん、眉毛、まつげ、鼻毛、脇毛、陰毛・・・と、 毛と名前のつくものならなんでも、びっくりするくらい、どんどんどんどん 伸びてゆく。

私なんぞ、日本にいるときは、短い伏せまつげだったのが、 1年もしないうちに長くなり、長くなったと同時にくるんと上に持ち上がって、 ビューラーのいらないまつげになったのだ。どうだ、まいったか・・・ という感じ。まぁ、まつげが長くなったのは嬉しいし、髪の毛が早く のびるのもヘアースタイルを変えるときに便利だからいいとして、 問題は鼻毛、その他の体毛くんである。ちょっと油断すると乙女の 鼻の穴から黒い毛がぴゅっつと飛び出してしまうのだから、 かっちょ悪いもはなはだしい。眉毛もしょっちゅう抜いたり、切ったり しないといけないし、脇毛、陰毛にいたっては・・・である。 毛のほかには、爪もとても早くのびる。

だからちょっと間違えて深爪をしてしまっても、「まっ、いっか」で すんでしまう。「どうせ、またすぐのびるから」と気楽にかまえて いられる。これが日本だったらこうはいかない。 「ぎょえー、どーしよー!! マニキュアが塗れない!!」と大ショックを 受けてしまうのだ。まぁ、なにごとも一長一短だな。 それにしても、こういった現象にあうたびに、 「だから熱帯雨林は育つんだー」としみじみ考えてしまうのは 私だけだろうか。 ちなみに、こちらに住んでいる人たちにこのことを聞いたところ、 40歳を超えている人はこの現象にあてはまらないという結果が出たので 悪しからず。


(98/ 4/14 バリ島からのレポートより)

◆ *くりしす  もにてーる*
 
 

今、インドネシアで日常的に一番多く使われている言葉が「クリシス モニテール」。去年の11月ぐらいから徐々にドル高になり、今年に入ってからは 、爆発っつ!!っていう感じのドル高による物価の高騰をさすらしい。
まぁこのところの物価高ときたら、どう考えてもふざけているとしか思えない。チーズ(3倍)や ニュージーランド産の牛乳(2.5倍)などの輸入品が上がるのはまだ仕方がない としても、なんで蚊取り線香が2倍になるの?なんで国産のツナ缶が5倍になるの ?国産の牛乳も2倍になったし、コピーは5倍(紙が値上がったからだと)という風 に日用品が2〜5倍になっている。つまり、便乗値上げが横行してるってわけ。
も う、星飛雄馬のお父さんみたいにちゃぶ台をひっくりかえしてどなりたくなるような状態ですわ。でもみんなの給料は1ルピアも上がらない。それどころか経営不振 でぼこぼこリストラされる始末。じゃあ誰が儲けてるかっていうと、そりゃあもう ボスたちですね。特に輸出業者は笑いが止まらんでしょう。それ以外の便乗値上げ 派ボスたちが、「ドル高だから値上げするのも仕方ないでしょう」、「従業員の首 を切るのも仕方ないでしょう」というときに便利なのが、この"クリシス モニテール」という言葉。だって"クリシス モニテール」なんだから仕方ないじゃないか、という大義名分になっているのだ。 そして値上げされた商品を買う消費者や、リストラされた人たちが"クリシス モニテールだから仕方ないや」と言ってあきらめるときにも、この言葉は使われるのです。どうです? 便利な言葉でしょう?

*バリ島に遊びに来てください*

というわけで、確かに以前より物価は高いけど、それでも円を含む外貨が物価より も高くなっているので、観光客のみなさんには以前よりもお得なバリ島。しかもジャワ島のような暴動もありません。あいも変わらずのんびりしたところです。とこ ろが、このドル高騒ぎで観光客が減ってしまったので、観光業界で働く人たちもた くさんリストラされているのです。彼らがまた職に就けるように、どうかバリ島に 遊びに来てください。バリ島はビーチリゾートだけでなく、伝統文化が今に息づく 島。楽しみ方もいろいろです。そしてここだけの話、豪華な一流ホテルにこんなに 安い値段で泊まれるのは、きっとバリ島だけですよ。