なあい なあい あった


■著書名:【なあい なあい あった】
■ジャンル:絵本
■著者名:徳永満理/宮沢晴子
■出版社:アリス館
   発行年:1996年   定価:1,030円
■ISBN4-7520-0061-X
■おすすめ度:★★★★

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 我が家の次男は名前を『よしつぐ』という。現在2歳と5ヶ月。その彼がこ
のところ「読んで読んで!」と持ってくるのが,『なあい なあい あった』と
いう絵本で保育園の情景がそのままに描かれている。

 大好きなボールがどこを探しても見つからない。あっちを見てもない。こっ
ちを見てもない。一生懸命探してやっとカーテンの向こうで見つける。「あっ
た〜!」ととっても嬉しそうな顔が描かれる。

 外へ遊びに行くのか,それともお帰りの時なのか,靴箱に自分の靴が見つか
らない。みんなは次々と靴をはいて(はかせてもらって)出かけていくのに,
自分の靴が見つからない。泣きそうな顔して,ようやく縁の下に転がっている
のを見つけられる。「あった〜!」

 お気に入りの自動車のおもちゃが見つからない。棚の上を見てもおもちゃ棚
の中を見ても見つからない。絵本の棚をひっくり返し,おもちゃ箱をひっくり
返しても見つからない。ふと振り向いた拍子に後ろの棚に乗っている自動車を
見つけられる。「あった〜!」

 泣きそうな顔と嬉しそうな顔。子どもの動きが保育園での情景そのままに描
かれている。

                                  *

 作者が長年保育園の先生をしていたこともあってか,実際の園の様子をその
ままに描いている。描かれている対象は1歳児。ああ1歳児というのは確かに
こうなんだなあ,と納得できる。

 我が家の『よしつぐ』も2歳になる直前(9月)から保育園に行き始めた。
4月から入ったとすれば1歳児。園の送り迎えで時々保育園に行くと,まさに
この絵本のような情景がそのままに展開されている。

 ちょっと年上の子(2〜3歳くらいかな)は,「あっ,よしくんのおとうさ
んだ〜!」と言っては迎えてくれる。なかなか嬉しいものである。

 たまに帰るのを嫌がって「絵本読んでっ!」と持ってくるときがある。しょ
うがないので園の中で読んでやっていると他の子ども達も寄ってくる。すぐそ
ばでは,「あ〜んあ〜ん」と泣いている子どももいる。

 実際に自分が体験して始めて,楽しく微笑ましい世界が展開されているなあ
と感じることができる。(もちろん先生達は大変なのだろうが・・・)
  それもあって,この絵本と自分の保育園体験が重なり,とても楽しくそして
納得して,何度も何度も読んでやることができた。

 他にシリーズとして,『ばいばい またね』 『おいしいな うれしいな』が
出版されているが,我が子はここに紹介した『なあい なあい あった』が一番
気に入っているようである。 


(2001.4.2)

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