もこ もこもこ


■著書名:【もこ もこもこ】
■ジャンル:絵本
■著者名:谷川俊太郎/元永定正
■出版社:文研出版
   発行年:1977年   定価:1,280円
■ISBN4-580-81140-2
■おすすめ度:★★★★★

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 我が家の次男は2歳。保育園に通っていて外遊びが大好き。真冬の寒い寒い
ときでも,園庭に出て遊んでいる保育者泣かせの子どもである。保育園では毎
週,子どもに絵本を選ばせて貸し出してくれるのだが,こんな次男が2週続け
て借りてきたのが『もこ もこもこ』。

 作者は谷川俊太郎さんと元永定正さん。谷川俊太郎さんといえば,いろんな
詩を書かれているが,この『もこ もこもこ』はちょっと違う。

 「しーん」と静まりかえった地平線に,何やら『こぶ』のようなものが「も
こ」と生えてくる。『こぶ』は「もこもこ」と成長していき,どんどん大きく
なって,やがて「ぱちん」と破裂する。破裂してちいさな綿毛のようになった
たくさんの『こぶ』は「ふんわ ふんわ」と飛んでいって,また地平線は「し
ーん」と静まりかえる。・・・・・ そうしてやがてまた「もこ」と盛り上が
り,話は最初に戻って繰り返し。

                                 *

 絵も言葉も大人が見ても面白いなあと感じるのだが,はたして2歳の子ども
は,どんなことを感じて楽しむのだろうか。ひざの上に抱っこして読んでやっ
ていると,もう覚えているのか,ページをめくる前に「もこっ!」とか「にょ
きっ!」とか叫んでいる。

 絵本に出てくる言葉を書き出してみると,「しーん」「もこ」「もこもこ」
「にょき」「もこもこもこ」「にょきにょき」「ぱく」「もぐもぐ」「つん」
「ぽろり」「ぷうっ」「ぎらぎら」「ぱちん」「ふんわ」「しーん」「もこ」
とあって,各ページにほぼ一つの言葉が書かれている。

 こういう短い言葉が覚えやすいし言いやすいのであろう。絵を見ても楽しそ
うに指さして,ひざの上で『きゃっきゃ』と喜んでいる。

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 物語絵本とはまた違って,こういう絵と言葉が一体となった絵本もまた楽し
い。何といっても,子ども自身が喜んでいるのだし。・・・そういえば,上の
お兄ちゃんも2歳の頃に喜んで見ていたのを思い出す。

 そうそう,保育園の先生からも「これは子ども達に人気があるんですよ」と
聞かされた。

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<読み聞かせをしていた頃の感想 (母親の言葉)>

 この絵本も,1歳8ヶ月の頃から喜んでいました。ことばの響きと絵の動き
が面白いようで,よく笑っていました。単純な絵とことばだから,すんなり子
どもには受け入れられるのでしょう。

                                 *

 『よしつぐ』は1歳4ヶ月の頃から喜んで見るようになりました。「もぐも
ぐ」のページでは,よく笑っていました。『よしつぐ』には食べるイメージが
一番身近でよくわかったのかな。
 1歳9ヶ月の頃には,「もこ」「にょき」「ぎらぎら」など,私と一緒にこ
とばを言って楽しむようになりました。


(2001.1.22)

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