もけら もけら


■著書名:【もけら もけら】
■ジャンル:絵本
■著者名:山下洋輔/元永定正
■出版社:福音館書店
   発行年:1990年   定価:1,100円
■ISBN4-8340-0402-3
■おすすめ度:★★★★

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 2歳半になる次男が「でけでけ,ぐがんぐがん,どばどば,・・・」とつぶ
やいている。もうかなりの言葉も覚えコミュニケーションができるようになっ
ている筈なのに,一体何を訳の判らない言葉をつぶやいているのか,と不思議
に思ったが,そこでハタと思い出した。そういえばそんな言葉が次々と出てく
る絵本があったなあ・・・と。そうだ『もけらもけら』という絵本だった。

 出てくる言葉は擬音というかなんというか,大人にとっては訳の判らない単
純な繰り返しの言葉が全ページに渡って出てくる。描かれている絵もまた面白
い。抽象的というか未来の絵というか,はたまた子どもの絵というか。言葉で
はちょっと表現できないので実際に見てみるのが一番だろう。

                                 *

 子どもが小さいうちは,まあ普通,親なり兄ちゃん姉ちゃんが読み聞かせし
てやるのだが,ストーリー性のあるいわゆる物語絵本だと人前で読んでいても
とくに平気なのだが,この『もけらもけら』はちょっとどう読んだらいいのか
(というかどう発音したらよいのか)がよく判らず,人前で読むにはちょっと
気が引ける。

 ただこれも読むのにあまり慣れていない父親だからであって,幼稚園の教諭
をしていた母親なんかは,どこででも平気で読んではいるのだが・・・。

 しかし気後れしてボソボソ読んでやっていても,多分この絵本の面白さは出
ないし,折角の絵本も子どもの気持ちに入っていきにくいだろう。実際,発音
はどうでもよく,とにかく元気に読んでやると,子どもはケラケラと本当に楽
しそうにしてくれる。

 いいなあこういう絵本は・・・。しかめつらしていては読めないし,子ども
を膝のなかに乗せて,こういう絵本を読んでやっていると,本当に楽しい平和
な「ひとこま」だという気になってくる。

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<長男に読み聞かせをしていた頃の感想 (母親の言葉)>

 1歳8ヶ月の頃からのお気に入り。

 この頃,『かずのぶ』は簡単な言葉を話し始めた頃で,指を指して「ここ,
ここ」,「それ,それ」などと言ったり,「むつ,むつ(おむつのこと)」,
「ちょーちん,ちょーちん」など,ものの名前を2回続けて言うことが多かっ
たので,「もけらもけら」の中の言葉も言いやすく,すんなり受け入れられた
のかもしれません。自分でも話せる言葉なので,よく覚えて何度も唱えていた
り,指を指して言ったりしていました。

 言葉の響きと絵の感じ全てを,それなりに受け止めているんだなあと感じま
した。
 大人が見ると,一体なんだろう? とびっくりしちゃう絵本ですけどね。 


(2001.8.25)

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