ぐ り と ぐ ら


■著書名:【ぐりとぐら】
■ジャンル:絵本
■著者名:中川李枝子/大村百合子
■出版社:福音館書店
   発行年:1967年   定価:743円
■ISBN4-8340-0082-6
■おすすめ度:★★★★★

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 絵本の定番。誰もが一度は見る絵本かなと思う。一度見て,そして読み聞か
せをすると「ああなるほどやっぱりこれはロングセラーなんだなと感じる。も
う30年以上も前に出されたものなのに全然古さを感じない。このへんが絵本
のいいところなのかもしれない。

 2歳半の次男が,なぜか最近この「ぐりとぐら」を気に入って,一度読まさ
れるとその後何度も何度も読まされる羽目におちいっている。いろんな動物達
が出てくるところが面白いのかもしれないし,言葉の調子が面白いのかもしれ
ない。

 いま通っている保育園では毎週一度絵本を貸し出してくれる。自分の気に入
った絵本を持って帰っていいらしく,自分で選んでいるのかどうかは知らない
が,毎週なにかしら持って帰ってくる。

 つい先日,我が家の息子は絵本を借りて帰る日に,この「ぐりとぐら」を選
んできた。「これはうちにもあるから他のにしたら・・・」と母親は言ったら
しいが,「いや! これがいいの!」と言って,母親と先生の言うことに耳も
貸さずに「ぐりとぐら」を借りて帰ってきた。

 別に借りて帰ってきたからといって,その絵本をどうしても読んでくれとい
うわけではない。相変わらず家にあるのを何度も読まされるだけなのではある
が,そういった自己主張が出てきたんだなあ,と父親はいい方に考えている。

 今は8歳になる長男もやはり2歳半くらいの頃に,この「ぐりとぐら」を何
度もせがんで読んでもらっていた。その後6年経っても子どもの気に入るもの
は変わらない。我が家の子ども達だけを見ても,この絵本が長く人気を保って
いるというのを裏付けているようだ。

 とにかく小さい子どものいる人で,まだ手にとっていない方は,是非一度本
屋に行って手にとってみられるといいのではないかと思う。

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<読み聞かせをしていた頃の感想 (母親の言葉)>

 かわいいのねずみの「ぐりとぐら」が大きな卵を見つけます。さてこの卵を
使って何を作るのでしょう?

 2歳半頃から『かずのぶ』がいつも「やってみたい!」と思っている“お料
理”。小麦粉や砂糖・牛乳・卵を泡たて器を使って混ぜる,お鍋で焼く。いつ
も砂場でまねしてやっていることを『ぐりとぐら』が本当にやってみせてくれ
る。ワクワクする気持ちで見ていたのだと思います。そして最後は一番楽しみ
な食べること! 森の動物達がいっぱいいい匂いにつられて集まってきます。
きっと自分も一緒に食べたような思いで見ていたのでしょうね。

                                 *

 このシリーズの絵本はどれも大変喜びました。話の内容が『かずのぶ』にと
って興味のあること,「ぐりとぐら」の考えることすることが共感できること
言葉がリズミカルで覚えやすく心地よいことなど,さまざまな理由があるよう
に思います。

 『かずのぶ』はよく,絵本の言葉を覚えてブツブツつぶやいていました。
「おりょうりすることたべること,ぐりぐらぐりぐら・・・」,アサリの殻を
見て「さてこのカラで何を作ったでしょう?」 

(2001.5.28)

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