がたんごとん がたんごとん


■著書名 :がたんごとん がたんごとん
■ジャンル:絵本
■著者名 :安西水丸
■出版社 :福音館書店 (発行年:1987年  定価:700円)
■ISBN4-8340-0272-1

■おすすめ度:★★★★

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 2人の息子がいる。6歳と1歳。長男(1年生)は本が好きで,今も私の隣
でじっと本を読んでいる。 たった今読んでいる本はなんだろうか?「おい!
カズ(長男の名前はカズノブという),何の本読んでるんや?」と声をかけよ
うと思ったが,あんまり真剣に読んでるんで,ちょっと聞くのはやめにした。
本人は冒険家になりたいとか言っているので,先日『十五少年漂流記』を買っ
てやったが,こちらはまだ少々難しいらしく,あんまり一人で引っ張り出して
は読んではいない。やはり何事もそれなりの年齢に応じたものが相応しいよう
である。

                                  *

 さてここに取り上げた絵本『がたんごとん がたんごとん』は,大体1歳前
後の子供が喜ぶようである。本好きの長男には4ヶ月頃から,長男ほどには本
に興味を示さない次男にも1歳前頃から読み聞かせに使わせてもらっている。
 絵本の表紙を見ると,真っ黒な汽車(昔ながらの蒸気機関車のようである)
だけが描いてあり,中身はというと,『がたんごとん がたんごとん』 『のせ
てくださーい』の繰り返し。

 1ページ目を開くと,真っ黒な汽車が『がたんごとん』とやってくる。そし
て駅のプラットホームらしきところで,哺乳瓶が『のせてくださーい』と待っ
ている。真っ黒な汽車は哺乳瓶を乗せて,がたんごとんと走っていく。次の駅
では,カップとスプーンが待っていて,またそれらを乗せて汽車はがたんごと
んと走っていく。そうして次々と駅で待っている客(リンゴとかバナナとかネ
コとか)を拾っては,がたんごとんと走っていき,やがて終点に行き着くわけ
であるが,とにかく中身は,『がたんごとん がたんごとん』と『のせてくだ
さーい』の繰り返しである。

 大人が見れば 「なんじゃ,これは!」 と思うだろうが,小さな子供(とくに
1歳前後)は,こういうシンプルな繰り返しストーリーを喜ぶようである。我
が家の2人の息子が2人とも喜んで読んでもらっていたわけで,そう思うと多
分これはきっと、みんなが喜ぶ絵本に違いないのではないかと思う。

 そんなわけで,子供が生まれたら是非早めに買っておいてはどうかという,
是非お勧めの絵本なのである。

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<読み聞かせをしていた頃の感想 (母親の言葉)>

 4ヶ月の頃からとてもお気に入りの絵本でした。 赤ちゃんの身近なものが
次々と汽車にのせてもらいます。 ことばは,「がたんごとんがたんごとん」
と「のせてください」の繰り返しなのですが,赤ちゃんの頃は,「ミルクさん
が『のせてください』だって・・・」,「ミルクさん,どこにのったかなあ」
「汽車にのせてもらって,にこにこしてるね」などと絵の話をしながら,それ
ぞれのページを見て満足して,自分で次のページに進もうとするまで,ゆっく
り読み聞かせしていました。 

(2000.1.12)

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