はつもうで


「仁王先輩!柳生先輩のリクばっかり聞かないでオレのも聞いてくださいよ」

「そうだぞ。オレはPSP欲しいぜ」

「何言うとる、男なら自分の力でとりんしゃい」

「ひいきだ!」

「そうっすよ!オレも欲しいものがあるんすよ!」

ブン太と赤也は両手一杯になった柳生の景品の数々を指さし

仁王にしがみつくようにべったりと腕を持って懇願に近い抗議をはじめた

仁王は、柳生だったら嬉しいところだが好きでもない男に

されても寒いだけというのが本音だった。

柳生はいつの間にか遠巻きにジャッカルと楽しそうに談笑していた。

両手の景品の山がジャッカルに一部渡そうとしているのが

目に映り、ワキの二人を引きずる形で二人の所へ近づいた。

「柳生!」

「に、仁王くん…!!」

柳生が振り向くやいなや、仁王は柳生にべったりと抱きついた。

柳生は必死でふりほどこうとしたが

両手の景品ごと抱きしめられて身動きがとることができずにいる。

ブン太と赤也はやっぱりという表情で笑いながら騒ぎ

ジャッカルは側にいるため他人の振りができず困り果てた。

「こんな往来で何をしているのですか。すぐに離れなさい」

「いやじゃ。柳生はオレのもんじゃけん、ここでしっかりと主張するんじゃ」

「…仁王くん!」

柳生は注意し離れるよう促すが仁王はいっこうに従う気配はなかった

はじめは面白がっていたブン太と赤也だったが次第に衆人環視が強くなると

ジャッカルと一緒に離れていこうとそっと移動をはじめる



「丸井君、切原君どこへ行くつもりですか」



柳生がめざとく二人の行動を妨げた

仲間だと思われたくなかった二人だったが、

柳生の一言で仲間であることが決定打となってしまった

衆人環視のなかへさらにブン太と赤也は加わることになり

ジャッカルは二人に無理矢理引っ張られ加えられてしまった

ジャッカルは深いため息をついて項垂れる

その横でジャッカルの袖を離さない二人もいたたまれず俯いた


4へ行く?