フィッシュボーン計画法
計画と一口に言っても種類は様々だが、以下に説明する計画法は殆どどのような場合にも適用する事が出来る。
ただし、その計画の詳細な日程などについてはガンチャートなどを用いなければならない。
しかし、計画の目的や進捗状況。方針の妥当性を示すには、これほど役に立つ手法を私は知らない。
元々、フィッシュボーンとは未発生の特性を予防的に管理・検討するような場合に、
経験や知識、あるいはブレーンストーミングなどによって管理すべき要因を網羅的に列挙・整理するための手法だ。
計画立案に使ってみた場合の効果は、試してみて感じて欲しい。
図.1 本来のフィッシュボーンの使い方
<第一段階> 目的設定
計画をするという事は目的があるという事だ。
しかし、計画をないがしろにした場合、小さな成功や失敗に目をとられ、元々の目的が見えなくなりやすいのだ。
そのため、この計画法では最初に目的(最終目標)を設定する。
重要な事は大きな視点で目的を考えるという事。目先の目標を先に掲げてはいけない。
目先の目標を掲げる場合は、先に大きな目標で計画を立案した後でなければならない。
そうしなければ、目先の目標が間違っているかを判断できない。
<第二段階>大骨の洗出し
ここでは、目的のためにすべき事を洗い出す。
重要な事は結論から順番に列挙する事(時系列も加味する)だ。
計画を練る時、つい小さな事を先に考えてしまい最後にまで到達しない。
そういう人は多い。途中で結論が見えなくなってしまうからだ。
そのためフィッシュボーン計画法では、目的(最終目標)の1つ手前に何が必要かから順に列挙してゆく。
こうする事でなるべく簡単に、計画の要素(骨組み)を作ってゆく。
<第三段階>種書き
次に、思いつく限りのやるべき事を列挙する。それは全てである事が望ましい。
いわゆる一般的なフィッシュボーンの作り方とは異なるが、一人ブレインストーミングに近い。
思いついた事はフィッシュボーンに書いてはいけない。先に書いてしまうと発想が止まってしまう恐れがあるからだ。
出来るだけ別の紙などに書き出す事をオススメする。
第二段階と第三段階の順番を間違えると、複数人で行う計画の場合に、何度も計画の建て直しが発生する。
それは、大骨としての共通意識がないからだ。この順番は絶対に間違えてはいけない。
<第四段階>種の分類
第三段階で列挙した種が、どの大骨に属するかの分類を行う。
複数に関係する種については、出来るだけ時系列の早い方へ分類する。
また、どれにも属さない種が有る場合は、大骨に見落としがある可能性が高い。
その場合は大骨自体を再度考え直さなければならない。
重要な事は種は捨ててはいけないという事だ。
種を削除するのは最後のプロセスとなる。
<第五段階>骨書き
第四段階で分類した種を、大骨に合わせてフィッシュボーンへ書き込んでいく。
ここで重要なのは、大骨の中で1つのストーリを完結させる事だ。
大骨の中の種だけでストーリが完結しない場合は、種の不足を意味する。
その場合は第二段階へ逆戻りだ。ただし、今度はフィッシュボーンを見ながらでかまわない。
他の大骨と比較すれば、容易に足りない部分を推測できるハズだ。
<第六段階>肉付け
第五段階までに書けば、フィッシュボーンとしては完成だ。
ただし、フィッシュボーン計画法としては仕上げが残っている。
肉付けとは大骨1つに大して要約を書く事を意味する。
この要約は、この計画を見せる相手が分かるように書く必要がある。
また、その要約文だけで意味が分かるように書かなければならない。
<最終段階>削ぎ落とし
最終段階は種の切り落としだ。計画実施に必要ない事は全て削除する。
ただし、この削ぎ落としには間違いが発生しやすい(予測ミスによってしばしば起こる)。
そのため、第六段階の記録自体は残しておく事が望ましい。
以上でフィッシュボーン計画法は終了だ。
次に、作成したフィッシュボーン図の活用方法について述べる。
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