「毛虫の季節」
夏の暑さが一区切りつき、秋の運動会が始まる頃、イラガの幼虫が大量発生しませんか?鮮やかな黄緑色の可愛い毛虫ちゃんなのですけどね。(実は私はムカデ以外の虫とふれあうことが大好きなので、つい愛称で呼んでしまう悪い癖があります。まあ、京都大原三千院の田舎暮らしには適しているのでしょう。)でも、この一見可愛い毛虫ですが、実際にさわるととても痛いのです。焼け火箸が当ったような痛みと言うのでしょうか。
さて、保健室で仕事をしているあなたが、イラガの大量発生を見つけました。どんな手だてを立てますか?どんな方法で情報提供しますか?
作戦1:職員朝礼で報告
最も当たり前な方法ですが、最も効果的!報告したことは保健日誌にもれなく記録しておきましょう。
作戦2:ミニほけんだよりを教職員に配布
以前勤務していたA校では、職員朝礼は毎朝ではなく、火曜日と木曜日だけでした。しかし、緊急性が高いので、すぐに作成して配ったのがこれです。職員向け保健室通信ですが、職員室の教員の机上に配っただけで、翌日から児童の様子が変わりました。(資料1→2)なぜでしょう?「指導してください」と言わなくても、保健室通信をもとに学級担任が各学級で保健指導をしてくれたのですね、きっと。たくさん指導することはあるけれど、最も緊急性が高いと理解してくれる担任集団だったのです。時間がなくても、必要性の高い内容を用意すれば学級指導はしてくれる、児童の行動も変わる…それが確信できた事件でした。子ども達にとっては生涯忘れることのない生きた学習になったことでしょう。
作戦3:デジカメ三段活用法
B校では、A校のような教職員の動きは望めなかったので、児童に「毛虫見つけたら教えてや」と頼んでおきました。見つけた子がすぐに知らせてくれて、お菓子の空き缶に毛虫をゲット!保健室に捕獲しました。デジカメで撮影して、カラーポスターを作成して保健室の扉に掲示しました。これが第1弾。
第2弾は、撮った画像を白黒だけど、ほけんだよりの裏面に記事として紹介しました。「カラーは保健室の扉の前にありますよ」というコメントをつけて掲載したのがミソですね。実際に保護者が見に来られて、「ついこの間、この毛虫に刺されたんですよ。やはりこれだったんですね。」と呟いておられました。保護者はよく見ておられますよ。
第3弾は、掲示したポスターを数枚作っておくことです。ほけんだよりを見て、「学級で指導したいので、カラーのポスターを貸してください」と言う心ある担任が必ずいます。快く貸し出せるように準備だけはしておきましょう。というより、試し刷りを捨てずに残しておいたらいいわけですけどね。
機会が合えば、身体計測のミニ指導もしていましたね。
ところ変われば、作戦変わる
その学校によって、どの方法が最も有効かは違いますね。8校も学校を転々としていれば、あまり的を外さずに何らかの対策を立てられるようになったかなあとは思います。もちろんベテランの先生方ならもっと有効な手だてがあるかも知れませんね。いろんな仲間との交流を深めていろんなアイディアを交流しておくことが日々大切かも知れませんね。
ところ変われば、子どもも変わる?
A校では、翌日から毛虫をさわる子は全くなくなり、教務主任と養護教諭は運動会の全校練習中に金バサミとバケツを持って、運動場周辺のイラガの幼虫とりをしていたものです。バケツにたまった毛虫は佃煮になりそうだったことを思い出します。
さて、B校。指導したつもりなのに、刺される子がポロポロと。話を聞いてみると…気にせず、手のひらで転がしている子。鉛筆の先で転がして遊んでいる子。はあ?遊び足らないのか?経験不足か?怖いもの知らずか?時代のせいか?うーん、想定外の世界が…。
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