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         デフレ・インフレの一般理論
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2009年9月24日 デフレにおける雇用政策の基本 

デフレにおける雇用政策の基本

デフレにおける最善の雇用政策とは何か。

結論から言うと
雇用保険の給付期間を3カ月なり6カ月なり延長するか、又は雇用保険の補償額を6割から8割又は10割にアップする方がよい。直接失業者の手元にお金を渡すやり方がよい。

今までのやり方:
雇用促進とか維持のため企業に補助金を与えるやり方は、一時的には雇用が増加維持されるが、この補助金が切れるとその効果はなくなる。このようなやり方は補助金が切れるまでには売上が伸びるであろうということが前提になっている。

しかしデフレでは売上が減少しているため、この前提が成り立たないのである。

そのためこのような企業に補助金を与えるやり方はデフレにおいてそれ自体に破綻を抱えていることがわかる。売上の増える当てがないのである。それ故整合性がない政策なのである。

また新しく新規事業や産業の計画を立て、雇用量を増やそうというやり方は、デフレではうまくいかない。
有効な需要が存在しないため産業自体が育たない。これも一時的には雇用者が増えるがその産業が成り立たないため結局雇用者を放免せざる負えなくなる。

今、民主党の政策に対して、中長期的な成長戦略がない、雇用の増やす事業計画がないなどと言っている方々がたくさんいますが、新規事業が育たないのがデフレなのです。

彼らこそデフレの元凶です。彼らが自民党の政策を担当し指導してきたのです。
このような言は、修辞学のようなもので意味がないのです。

これは役所が一時的に失業者を雇用するのと同じ事であり、デフレ経済ではそれを終了させることが難しくなりいつまでも雇用した状態が続き借金が膨大なものになり易いものです。
そして不効率な役所仕事がさらに膨大になりそれが増税を招きます。


デフレは所得線が45度以下に下がった生産量に比べ資金量が著しく少なくなった市場である。デフレの解消は1にも2にもこの下がった所得線の角度を上昇させ正常な所得線に戻すことが必要なのです。

このようなデフレ線の下では労働生産曲線が右下がりになっています。

このような時に必要なことは、所得線の横軸の生産量を増すことではありません。縦軸の資金量を増やさなければならないのです。

理論は生産を増やす事なく資金量だけを増やし消費を増やすことを望んでいます。言い換えると労働量を抑えながら所得を増やすことが、労働生産曲線を右上がりに戻す事を示しているのです。

このことからデフレ経済における基本的な雇用政策は、労働量を増やす事なく所得を増やし消費を増やすことを実現させる政策を取ることだということがわかります。
(このように理論は今までの我々の常識にたいし驚くべきことを要求していることが分かると思います。奇異に感じる方が多いかも知れません。しかし今まで労働生産曲線が右下がりの理論がなかったからなのです。)

それは先ず今の失業者に対して給付期間を伸ばすこと、あるいはその給付額を増やすこと望んでいるのです。雇用を増やすことを望んではいないのです。労働量が増えることを望んでいないのです。

このような労働政策が、社会の安全網を構築し、そのうえ消費を復活させデフレから解消させる正しいデフレにおける政策なのです。

雇用補助金を企業に出して雇用を維持するやり方は
、企業に無理やりの生産増を促します。それは返って低価格下を招き、付加価値の下がった、高コスト経済に変化させていきます。

労働量の投入のない消費増はおのずと売上額を伸ばします。それが付加価値増に回れば給料が上がり正規雇用が増える方向に行くだろう。生産量の増加に回れば雇用量の増加が見込まれます。

これがデフレ経済の最も効果のある雇用政策なのです。

これは既に給付を受けている人たちに対して行うのものですので、やり易く今すぐにでも実行できるものです。
またその財源も今まで企業への補助金として雇用維持促進のため用意していたものを転用すればよいだけです。新たな財源を用意する必要もなく、借金を増やす必要もありません。チェンジだけです。

これはすぐにでもできる雇用促進維持策でありデフレスパイラルをすぐに止める効果が見込めます。しかもデフレ解消させる経済成長策でもあるのです。
一刻も早く実施すべきです。

一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi


水槽経済から見る雇用促進策

デフレの水槽は金魚の一番安価なわきんが主流です。しかも皆痩せて栄養不良気味です。水が少なく栄養が十分行き渡っていません。http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/suisou1.htm

多くの金魚が酸素不足からアップアップです。少し水位が下がると大量に死んでしまいます。

金魚が生産物です、そして水が資金です。デフレの水槽は水量がどんどん減少していきます。放っておけば金魚もどんどん減少していきます。金魚は売上の下がった企業と考えても結構です。

このような時、すなわち池の鯉が酸素不足でアップアップの時、私達は何をするでしょうか。
消防車を呼んで大量に水を入れます。まさかさらに水をくみ出したり、金魚をたくさん投入するようなことはしないでしょう。

しかし今まで消費税を増やして、水をくみ出したり、保険料や医療費、介護保険などの負担増を行い、水槽の蛇口を増やしていたのです。

日銀は低金利で企業に融資し金魚をどんどん増やしたのです。政府は公共投資で魚礁をどんどん増やしました。
このような馬鹿げた政策が現実になされたのです。

デフレに対する認識不足、または無学は、雇用維持のため労働力を投入し、さらなる金魚を増やしていたのです。

直ちにこのようなことを止め、水を大量に水槽に、池に入れなければならないのです。

しかし借金増は水をくみ出します。国債を発行し借金を新たに作って、水を大量に入れてもほとんど効果がないのです。それでも恐らく生産者側への投資より効果はあるでしょう。

私達は新たな借金をする事なく、生産者側への投資分を消費者側に回せばいいのです。

水が少なく小さな金魚が異常に多いデフレでは、金魚を増やそうとすれば、金魚はさらに小さくなっていくのです。
逆に水量を増やせば、金魚は大きくなり、適正な量になっていきます。

これがデフレであり、デフレ解消の道筋なのです。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusiデフレ・インフレの一般理論参照
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/suisou1.htm