「おまえ、妬いているのか?」
 本気ではなかった。つい出てしまった軽口だったのだ。
 ところが、総司は彼の言葉を聞いたとたん、ぱっと頬を赤らめた。目元まで赤くして、小さく唇を噛みしめる。
 その表情はどう見ても肯で、土方は思わず呟いてしまった。
「……嘘だろう」
 だが、云ったそばから、後悔した。
 彼の言葉を聞いたとたん、総司の顔が驚くほど青ざめてしまったのだ。先程まであんなに紅潮していた頬が、今は強ばり、桜色の唇も震えている。
 土方が失言だと手をのばすと、総司は怯えた表情で後ずさった。ゆるゆると首をふりながら、小さな声で云う。
「ごめ…んなさい……っ」
「何を謝っている。俺が嫌な云い方をしたんじゃねぇか」
「だって、私……気持ち、悪いでしょう? 嫌悪したのでしょう?」
「は? おまえ、何を云っているんだ」
 意味のわからぬ言葉に、土方は眉を顰めた。口調もつい荒くなる。
 それに彼が怒ったと理解したのだろう、総司の怯えはますます酷くなった。今にも泣きそうになりながら、細い指さきで着物を握りしめた。
「土方さんの云うとおりなのです。小芳さんに妬いているから、だから……ごめんなさい」
「総司……?」
「私、駄目なのです。諦めようとしたのに、逃げることで断ちきろうとしたのに。突然、無視するようになった私のこと、土方さんも呆れたでしょう? 知らん顔するようになったでしょう? あの時、悲しかったけど、でも、同時に安堵もしていたのです。もう偽らなくてもいい、誤魔化さなくてもいいって」
「……総司」
 土方の目に、苛立ちの色がうかんだ。不意に片膝をたてると、手をのばし、無理やり総司の手首を掴んで引きよせる。
「おまえ、云っている意味がわからねぇよ。誤魔化すとか、偽るとか、どういう意味なんだ。いったい、何を云いたいんだ」
「だから……っ、私は土方さんが好きなのです」
 突然、叫ぶように告げた総司に、土方の目が見開かれた。完全に呆気にとられた表情で、見下ろしている。
 その男の視線を必死に受けとめ、言葉をつづけた。
「土方さんが好きだから……兄とかじゃない、男の人として好きで好きでたまらないから、逃げ出したのです」
「……」
「こんな気持ち、知られたくなかった。軽蔑されるってわかっていた。なのに、ここに来て、土方さんと二人きりになって、それが嬉しいのに辛くて怖くて、どうしたらいいか…わからなくて……っ」
 声が涙で途切れた。
 土方に手首を掴まれたまま、総司は床の上に泣きくずれた。なめらかな頬を、綺麗な涙がぽろぽろ零れ落ちてゆく。
 それを、土方は息を呑んだまま、見下ろしていた。
 あまりにも突然の出来事に、明敏な彼でも即座に理解できなかったのだ。


(総司が……俺を好いている?)


 その告白が偽りでない事は、総司の様子を見れば明らかだった。
 だが、総司が自分を愛していると知った時、土方の胸を突き上げたのは、歓びでも驚きでもなく、……悔恨だった。


(俺は……)


 知らぬ事とはいえ、どれ程、総司を傷つけてきたのか。
 山南の事が起こった時、自ら訪れていながら総司の部屋を去ったこと、その上、小芳のもとへ通ったこと。
 その事で泣いて苦しんだ総司が自ら彼のもとを去った時、土方は容赦なく総司を切り捨てたのだ。
 腹心や弟としての立場も許さず、冷たい態度で接した。
 思えば、あの頃、総司はいつも縋るような瞳で自分を見ていた。ふり返った時、総司が一人ぽつりと立ちつくしていたことを思い出す。
 それでも、土方は二度と総司に手をさしのべようとしなかった。何故、自分から突然離れていったのか理解できず、その行動が到底許せなかった。総司が不安げに俯いているのを見ても、今更と冷たく切り捨てたのだ。
 だが、そんな彼の行動は、総司をどれ程傷つけただろう。心さえ許さず、女を抱き、自分を一瞥さえしなくなった男を、総司はどんな想いで見つめていたことか。


「……すまん」
 思わず跪き、総司の細い躯を抱きしめた。
 総司が驚いたようにびくりと震えたが、構わず、ぎゅっと両腕で固く抱きしめた。
「本当にすまねぇ。おまえの気持ちも知らず、酷い事ばかりした。俺の方こそ、逃げていたんだ」
「……土方さん……?」
「おまえに愛されるはずがないと思いこみ、想いを告げる事さえせず、逃げつづけていた」
 土方は顔をあげ、総司を見つめた。そのなめらかな頬を両手で包みこみ、間近で瞳を覗き込む。
 そして、告げた。
「俺も、おまえが好きだ」
「……え」
「総司、おまえを愛している。ずっと昔から……おまえが宗次郎だった頃から、愛していた」
「……」
 総司の目が見開かれた。
 呆然としたまま、彼の顔を見返している。その額に頬に口づけを落し、土方は想いの丈をこめて囁きかけた。
「愛しているよ、総司。おまえだけを誰よりも……愛してる」
「嘘。そんな……っ」
 ふるりと総司が首をふった。信じられないとばかりに、土方の肩口あたりを掴み、何度も首をふる。
「信じられない。土方さんが私を……なんて」
「嘘なものか。俺はおまえが愛しくてたまらないんだ。だが……この想いをおまえに知られれば、嫌悪されると思っていた」
「嫌悪なんて! そんなのするはずがないのに」
「おまえは……何も知らないから云えるのさ」
 土方は総司を抱きしめたまま、目を伏せた。一瞬、躊躇い、だが、言葉をつづけた。
「今だから云うがな、夢の中で、おまえを抱いて何度も汚した。それこそ、犯すように無理矢理抱いたこともある」
「……」
 総司が怯えたように息を呑んだ。
 その髪を撫でてやりながら、土方はゆっくりと言葉を続けた。
「泣いて嫌がるおまえを、夢の中で何度も抱いた。その翌朝は、さすがにおまえの顔を見るのが辛かったな」
「え……?」
「何も知らないおまえが無邪気に笑いかけてくるんだぞ。罪悪感を覚えないはずがねぇだろうが」
「……あ」
 総司の細い躯を抱きすくめ、土方は頬を擦りよせた。それに、うっとりと目を閉じる総司が可愛い。
「愛しているよ。だからこそ……手を出せなかった。おまえに嫌われるのが怖くて、ずっと見ている事しかできなかった。そのくせ、伊東のものになったと聞いた時は、気も狂いそうなほど嫉妬した。憎くて、あいつを殺してやりたいと思ったぐらいだ」
「土方さん……」
「俺こそ、ずっと逃げていたんだ。俺が告げていれば、もっと早く真っ正面から向き合っていれば、こんなにもおまえを傷つける事もなかったのにな。本当にすまない」
「そんな……謝らないで」
 総司は土方の逞しい胸もとに顔をうずめた。その背に手をまわし、ぎゅっとしがみつく。
「私が今、どんなに幸せかわかる……? あなたが私を好いてくれていたなんて、今でも信じられない。許されないと思っていたから、諦めようと何度も頑張って、でも、何をしても好きだった。あなたの事しか愛せなかった。だから、本当に嬉しいの。あなたが私を好いてくれて、こんなに幸せな事はないの」
 総司らしい素直な言葉に、土方は胸が熱くなった。愛しさがこみあげる。
 そっと顔を仰向かせ、唇を重ねた。腕の中、細い躯が僅かに震えたが、口づけを深めると、力を抜き、従順に身をまかせてくる。
 深く唇を重ね、舌を吸いあげた。甘く小さな舌が可愛い。貪るように激しい口づけをあたえる土方に、総司は陶然となった。男の胸もとにしがみつき、懸命に口づけに応えている。
「…ぁ…っ、ん…っ」
 聞いているだけでぞくぞくするような甘い声に、土方はたまらなくなった。思わずその細い躯を抱きあげ、褥の上へはこぶ。
「……あ」
 その意味を知っているのか、総司が小さく声をあげ、ぱっと頬を赤らめた。ちょっと目を伏せてから、恥ずかしそうに見上げてくる仕草に、思わず喉が鳴る。
「抱いても……いいか?」
 初な総司相手だ。はっきり訊ねた方がいいだろうと聞いた土方に、総司は耳朶まで真っ赤になってしまった。
 だが、それでも、こくりと頷いてくれる総司に、熱いほどの愛しさがこみあげる。
「総司、愛してるよ」
 何度もその言葉をくり返しながら、着物を脱がせていった。絹のような白い肌がなめらかで美しく、土方はたまらずあちこちに口づけた。そのたびに、総司が身を捩り、甘い声をあげる。
 夢にまで見た、総司だった。
 決して叶わぬと思っていた、抱くことなど出来ぬと思っていた華奢な躯が、今、己の腕の中にあるのだ。彼に抱かれることを望んでいるのだ。
 優しくしてやりたいと、心から思った。こんなにも愛しい総司なのだ。誰よりも大切に、優しくしてやりたい。
 胸の尖りに口づけながら、脇腹から腰を手のひらで撫でおろした。下肢に手をのばすと、はっと息を呑んだ気配がする。
 見下ろすと、総司が不安げに彼を見上げていた。それに、優しく微笑みかけた。
「大丈夫だ」
 なめらかな頬に口づけを落とした。
「安心して、俺にまかせていろ」
「……はい」
 素直に頷いた総司が可愛い。
 もう一度口づけてから、その小さなものを手のひらの中に包み込んだ。ゆっくりと揉みこんでいってやる。
「ぁ、ぁ…あ……」
 微かな息づかいのような声をあげ、総司が身を捩った。堪えようとしているのか、手をぎゅっと握りしめている。
 それを眺めつつ、土方は総司の下肢に顔をうずめた。そっと、唇の中にふくんでやる。とたん、総司が小さな悲鳴をあげた。
「ひ、土方さ……っ」
 まさか、そんな事をされると思っていなかったのだろう。半ば呆然となりながらも、顔を真っ赤にして逃げようとする総司の腰を、土方は掴んだ。しゃぶり、舐めまわすと、たちまち総司のものは勃ちあがる。
「や、だ…っ、そんな…ぁッ、ああッ」
 びくびくっと内腿が震えた瞬間、総司は吐精した。それを綺麗に呑みこんだ土方に、総司が呆然となる。
「どうして……土方さん……」
「おまえだから」
 土方は当然のように答え、微笑んだ。そうして、再び総司のものを指さきで、舌で、高めてゆく。
 二度目の快感に総司は啜り泣いたが、今度は達させなかった。甘い疼きの中で交わった方が楽だと、聞いた事があったのだ。
 蕾に男の指がふれると、総司がびくりと目を開いた。
「……な、何……っ」
「少しだけ我慢してくれ」
「え……?」
 本当に意味がわからないらしく、総司は戸惑っていた。それが初である証だと嬉しくもなるが、華奢な総司が男を受け入れる辛さも予期させ、土方は眉を顰めた。
 少し考えてから、傍らの火を灯していない行灯の油皿を取る。その油を指に絡め、再び総司の下肢に手をのばした。濡れた指で蕾を押しひろげ、少し突き入れる。
「……っ」
 総司の目が見開かれた。
 驚きの顔で男を見上げ、そのまま桜色の唇を震わせる。それを見下ろしたまま、土方はゆっくりと指を挿し込んだ。ぬるりとした油を蕾の奥へ塗りこめるようにすると、総司がびくりと腰を跳ねさせた。
「ぁ……っ」
 微かな声をあげ、身を捩った。痛いのかと眉を顰めたが、それとは違うようだった。ざらりとした部分が指の腹にふれたので、そこを強く押し込んでやる。
「や、や…ぁッ」
 とたん、甘い声があがり、総司は己自身でも驚いたようだった。両手で口をおさえている。それに微笑みかけた。
「そうか……ここが総司のいい処なんだな」
「いい処って……何、や、ぃ…やッ」
 怖いのか怯えたように目を瞠る総司に構わず、土方は指を動かした。感じる部分だけを擦りあげてやれば、総司は仔猫のような声で泣き始める。それが可愛くてたまらず、火照った頬に口づけを落とした。
「すげぇ可愛いな」
「ん、ぁッ、や…ぁっ、ぁ……っ」
 小柄な躯は感じやすく、初めて与えられる快感に従順だった。ほぐしてゆくにつれ、蕾の奥が熱くとろけてゆく。
 男を受け入れる準備が整ったことを見てとると、土方は指を抜き取った。そのまま息つく暇もあたえず両膝を抱えあげると、己の猛りをあてがい、一気に貫く。
「ひ…ぃッ───」
 総司の目が大きく見開かれた。
 反射的に逃れようとしたらしいが、男に下肢を抱えこまれた状態では、受け入れるより他なかった。だが、初めてなのだ。酷くきつく狭い。
 それでも、土方はその小柄な躯を二つ折りにするようにして、のしかかった。ぐっと深く腰を入れ、最奥まで突き入れる。
「……ああッ!」
 悲鳴をあげ、総司が仰け反った。苦痛と衝撃になめらかな頬が青ざめ、唇がわなないている。
 土方が見下ろすと、泣きながら懇願してきた。
「やッ…も、抜いて……やめて…ぇ……っ」
「総司、大丈夫だから。力を抜くんだ」
「だ…って、痛い…土方さ……や! いやあッ」
 鋭い悲鳴があがった。土方が総司の懇願を無視し、動き始めたのだ。両膝裏に手をかけて押しひろげ、ぐっぐっと腰を入れてくる。
 総司は男の胸に両手をつっぱね、必死に逃れようとした。だが、こんな体位では逃れようもない。犯されるままだ。
「や、いやぁッ…ぁあっ、ああっ……許し、て…ッ」
「総司、すまん」
 土方はその細い躯を味わいつつ、目を細めた。
「今更やめられねぇ……すまない、総司」
 総司の躯は極上だった。なめらかな絹のような肌はもとより、華奢な躯つきも、男を受け入れる部分も。強烈な快感がもたらされる。
 土方にそんな趣味はなかったが、嫌がる総司の泣き声も妙にそそられた。本当は快感で泣いてくれる方が嬉しいのだが。
 そう思った土方は、総司のものを片手で包みこんだ。柔らかく優しく揉みこんでいってやる。そうしながら、先程指で探りあてた感じる部分を、己の猛りで押しあげるようにした。
 とたん、総司の細い腰がびくびくっと震えた。
「……っ」
 驚いたような表情になっている。土方と視線があうと、慌てて目をそらせた。目元が少し赤い。
 それに気づいた土方は、先程の動きを何度もくり返した。ぐっぐっと押しあげてゆく。時折、腰を回して擦りあげるようにもしてやった。
「ッ、ぁ…ぁ、ぁあ……」
 次第に総司のなめらかな頬に赤みがさし、固く食いしばっていた唇から吐息がもれ始めた。明らかに快楽を覚えているのだ。
 土方はその細い両膝を抱え込み、柔らかく揺さぶりをかけた。感じる箇所だけを、ゆっくりと執拗なほど擦りあげる。
「ぃっ…ぁ、ぁ…んぅッ、ぅ…っ」
 啜り泣きながら、総司が身を捩った。躯の奥から引きずり出される快感に、怯えてもいる。
 だが、甘い蕩けそうなほどの快感は腰奥を満たし、ぞくぞくと背筋を震わせた。たまらず両手をのばし、男の背にしがみつく。
 土方は両腕ですっぽりと包みこむように抱きしめてくれた。そうしながら、深く浅く抽挿をくり返してゆく。
 無意識のうちに、総司は男をもっと深く受けいれるため、腰をうかせていた。それを察した土方が、最奥まで貫いてくれる。
「ぁあーッ!」
 深々と埋めこまれた男の太い楔に、甘い悲鳴がもれた。
 きゅうっと締めつければ、耳もとで土方が息を呑む気配がする。掠れた声が耳もとで囁いた。
「いけない子だ……」
「やッ、ぁ…ぁ、は…ぁあんっ……」
「そんなにも俺が欲しいのか」
 男の言葉に、総司は目を閉じた。


 欲しい。
 この人の何もかもが、欲しくて欲しくてたまらない。
 愛することよりも強い執着など、彼は忌むかもしれない。
 だが、総司はずっと彼に恋焦がれてきたのだ。彼をかたどる何もかもに。だからこそ、同じ性をもちながら彼に抱かれることを願ったし、その逞しい腕や胸にふれたいと渇望した。
 彼のすべてが欲しいのだ。己の中に受け入れることにより、いっそ一つにとけあってしまいたい。
 そうすれば、こんな不安も消えるのだろうか。
 これは夢に過ぎないという、不安も。


 総司は目を開くと、両手をのばした。土方の首をかき抱き、甘えるように長い睫毛を瞬く。
 それに、土方が口角をあげた。
「欲しけりゃ、やるよ」
「……土方…さん」
「俺は……おまえのものだ」
 そう云いざま、男の手が乱暴に総司の躯を二つ折りにした。広げられた蕾の奥へ、男の楔が穿たれる。
「ひいっ」
 仰け反った総司を抱きしめるようにして、土方は激しく腰を打ちつけた。ぐちゅぐちゅと鳴る淫らな音が、総司の耳を熱くする。
 力強い律動に息さえとまりそうになった。強烈な快感美が背筋を突き抜ける。
「ぁああッ、ぁ…ぁ、ぁんっ」
「すげぇ…熱いな……」
「ぅ、んぅッ、ぁあっ…ぃ、ぃい…ッ」
 やがて褥の上に四つ這いにされ、両手を手綱のように持たれ、後ろからさんざん犯された。蕾の奥に男の太い楔が何度も打ち込まれる。
 そのたびに突き上げる悦楽に、総司は泣き叫んだ。褥に顔を押しつけ、男に揺さぶられるまま悲鳴をあげつづけている。
「ぁあッ、や…ぁあッ、あっ」
「総司……っ」
「ッ…ぃッ、ぁああッ!」
 一際甲高い悲鳴をあげた瞬間、総司は達していた。頤をつきあげ、びくびくと躯を震わせている。
 それに追いうちをかけるように、男の熱が蕾の奥に叩きつけられた。土方は射精しながらも腰を打ちつけ続ける。それにさえ感じてしまい、総司は泣きじゃくった。
「ぁ、ぁあ…っ、は、あ…ッ」
 耳朶まで赤くし、褥に突っ伏している。
 その細い肩に口づけてから、土方は再び総司の腰を掴みあげた。それに、はっとしたように総司が目を見開く。
「な、何……?」
「俺はまだ満足していない」
「え?」
 意味がわからず呆然としている総司の躯を、土方は易々と組み伏せた。そのまま硬さを取り戻した猛りで、蕾の奥をゆるくかき回す。
「ひ……っ」
 総司の目が見開かれた。
 男の言葉が意図する事にようやく気づき、慌てて上へ這いあがろうとする。
 だが、そんなことを男が許すはずもなかった。乱暴に引き戻され、一気に奥まで貫かれる。
「ぁああーッ!」
 悲鳴をあげる総司の華奢な躯を、土方は愛しげに抱きしめた。首筋に、背中に口づけを落し、熱く激しく求めてゆく。
 恋人たちの夜は、蜜のように甘く蕩けていった……。