あなたは、ぼくだけを愛してくれる
 その綺麗な瞳は、ぼくだけを見つめてくれる
 全部ちゃんとわかっているのだけれど
 こんな時は……たまらなく不安になってしまうのです











「んー、どうしようかな」
 総司は小首をかしげ、ずらりと並んだそれらを眺めた。
 昼下がりの書店である。
 と云っても、総司自身の古書店ではない。ここは新書を売っている大型書店なのだ。
 そのため、土曜日である今日はとても混雑し、本を物色に来た人々で賑わっていた。
 そんな中、総司はとあるコーナーで悩みつづけている。
 ふんわりした白いダッフルコートに、同じく白いマフラーをつけたその姿はとても可憐で清楚で、まさしく天使そのものだった。
 さらさらした艶やかな髪も、長い睫毛が煙るような大きな瞳も、ふっくらした桜色の唇も、誰もが思わずふり返り見惚れてしまうほど可愛らしい。
 当然、今もちらちらと通りかかる人々が総司に目をやっていたのだが、当の本人は全く気づいてなかった。
 ひたすら、どの本を選ぶのかに夢中なのだ。
「うーん……やっぱり、これかな」
 さんざん悩んだ末に総司が手にとったのは、一冊の本だった。
 表紙には、チョコレートケーキの写真があり、「彼氏のハートをゲット! バレンタインお菓子づくり」と書いてある。
「……このタイトルが恥ずかしいんだけど……」
 総司はちょっと赤面し、本の表紙を眺めた。
 だが、内容はこれが一番だったのだ。色んな種類がのっていたし、何よりも、甘いものは好みでない男性のためのお菓子のレシピものっているのが最大ポイントだった。
「やっぱり、これにしょうっと」
 総司は本を抱えると、レジへむかって歩き出した。
 もちろん、その本を買った理由は、来るバレンタインの日に備えるためである。
 愛しい男のためにお菓子をつくり、喜んでもらいたいと思ったのだ。
 それには、クリスマスの時に喧嘩した事もちょっと影響している。むろん、土方はあのイヴの夜に許してくれたが、総司からすればまだ申し訳なさがたってしまっていた。愛されてない──とまで、彼に思わせてしまったのだ。
 だからこそ、バレンタイン──この愛を告げる日に、彼のためにお菓子をつくって、気持ちを伝えたかった。
 彼のことを誰よりも大切に思い、深く深く愛していること。
 大天使である自分のすべてを捨ててもいいぐらい、愛してること。
 その気持ちのすべてを、あの人にわかってもらいたくて……





 総司は込みあげる想いに、なめらかな頬を染めた。無意識のうちに、本をぎゅっと抱きしめてしまう。
 その時だった。
「──やっぱり、格好いいよね」
「ね? 政治家なのに、そこらの俳優なんかメじゃない格好よさよ。すっごく綺麗な顔してるし、性格もいいし♪」
「チョコレートも絶対、事務所に山積みよね」
「それでも贈りたいって?」
 きゃあっと黄色い声をあげながら、雑誌を読んでいる若い女性たち。
 雑誌売り場の近くを通った時に聞こえたきた会話に、総司はちょっと息を呑んでしまった。


 そこらの俳優なんかメじゃない格好よさの、政治家?
 すっごく綺麗な顔の?
 それって、それって……


 総司はそおっとふり返ると、雑誌売り場の方へ歩み寄った。彼女たちが読んでいる雑誌をちらりと確かめてから、おずおずと手をのばす。
 同じ雑誌をとりあげ、中をパラパラめくってみた。
 とたん、目に飛び込んできた記事は───
「──」
 やっぱりという思いに、総司は雑誌をぎゅうっと握りしめた。
 スキャンダルなどではなかった。むしろ好意的な記事だ。
 ある若い政治家の人気ぶりが書かれた記事。
 そのピュアな正義感と、清廉潔白さ、政治手腕により、彼がどれほど多くの支持を集めているか。そして、その端正な容姿から若い女性にも人気があるため、去年のバレンタインは大変だったという話など。
 見開きの記事の右上あたりにある写真、それは。


(……土方さん……)


 愛しい恋人の写真を、総司はじっと見つめた。
 静かな笑みを口許にうかべ、切れの長い目でインタビュアーの方を見ている端正な横顔。
 若い女性たちが騒ぐのも無理はない事だった。
 記事どおり、去年のバレンタイン、事務所に大量のチョコレートや贈り物が届けられたのも、頷ける話で───
「……」
 総司はきゅっと唇を噛みしめた。
 そんなの──全然知らなかったのだ。
 何も知らず、ただ、土方と甘いバレンタインの夜を過ごしていた。去年は手製でなく買ったチョコケーキで、彼には少し甘かったようだけれど、それでも二人で仲良く食べた。
 甘い甘い幸せな夜。
 だが──土方は総司だけの彼ではなかったのだ。
 確かに、総司の恋人なのだが、その身を独占することは決して出来ない。
 政治家である以上、スキャンダルは御法度なため、総司はいつも表だつ事の出来ない立場だったし、忙しい彼とは逢えない事も多々だった。土方の傍にいつもいるのは、総司ではないのだ。
 彼を支持する人々の方が、ずっと彼の身近にいるようだった。そして、その中の女性たちが土方を恋慕と憧れの目で見るのは、ごく当然のことだろう。
 ましてや、あんなにも魅力的な彼なのだ。
 今年もまた、この雑誌の記事どおり、降るほどの贈り物を受けるに違いなかった。
 それも支持者たちからだけではない。彼へ真剣に恋し、結婚を考えるだろう政界関係者の娘たちからも、贈られるに決まっている。
 バレンタインは、愛の告白の日なのだから。
 その甘い愛の夜。
 いつまで、彼は総司と過ごしてくれるのだろう──?
 いつか囁いてくれたとおり……永遠に?
 そんな事、信じられるはずがなかった……。
「……土方さん」
 小さく呟きながら、総司は写真の彼を指さきでなぞった。だが、すぐ我に返り、誰かに見られはしなかったかと慌てて周囲を見回す。
 そうして、ほっと息をつくと、雑誌を元の場所に戻した。
 レジへとむかいながら、総司は手にした本をぎゅっと胸もとに抱きしめたのだった。








 チョコレートづくりはなかなか大変だった。
 というより、まだ何を作るか決められないのだ。
 ましてや、書店で味わっていたうきうきした高揚感は失せてしまった以上、尚更決める事が難しくなってしまっていた。
 彼への愛を表わすための贈り物なのだから、やめようとは思わないのだが、それでも、あの雑誌の記事が目の前をちらついてしまう。
「……たくさんのチョコレートと、贈り物かぁ」
 総司はそう呟き、はぁっとため息をついた。 
 一生懸命つくっても、彼がこれを喜んでくれるのか。
 豪華なプレゼントをたくさん貰っているだろう彼に、手作りのお菓子など差し出す事ができるのだろうか。
 先日見たテレビでも、最高級のチョコレートが映し出されていた。お菓子の値段とは思えぬような価格であり、だが、それも頷ける宝石のように美しいチョコレートだった。
 きっと、土方はあぁいうものを貰うのだ。いや、あぁいう宝石のような美しい菓子の方がむしろ相応しい。
 自分がつくったお菓子など、そんな高価で美しいチョコレートの前では、たまらなくみすぼらしく見えてしまうに違いなかった。
 そんな事を考え出すと切なくなってしまい、総司はきゅっと唇を噛みしめた。


(……どうしよう)
(土方さん、本当に受け取ってくれるのかな)
(やっぱり、もっと綺麗な女の人から貰う、豪華なプレゼントの方がいいんじゃ……)


 不安と──そして、まぎれもない嫉妬の棘を胸奥にちくりと感じながら、お菓子の本のページをめくった。
 自宅のソファに坐りこみ、先程からもう何度も読み返している。
 そして、はぁっと何度めかのため息をついた時だった。
「!」
 不意に鳴った電話のベルに、総司は慌てて立ち上がった。見回してみれば、自分の携帯電話が鳴っている。
 取り上げ開いてみた総司は、ちょっと息を呑んだ。
 そこにあった名前は、まさに今、思いうかべていた愛しい彼だったのだ。
「……っ」
 一瞬躊躇ったが、やはり声を聞きたい。
 ほんの少しでいいから話せるのなら、総司にとってはとても大きな幸せだった。
 通話ボタンを押すと、そおっと耳を押しつける。
『……総司?』
 とたん、柔らかな低い声が響いた。それに胸がどきどきしてしまう。
 掠れた声で返事をした。
「はい」
『どうした、寝起きだったのか?』
「違います……ごめんなさい、ちょっとびっくりしたから」
『急に電話して悪かった。今いいか?』
「はい」
『来週の木曜日なんだが……』
 土方の言葉に、総司はどきりとした。
 来週の木曜日とは、2月14日。バレンタインなのだ。


 ……まさか。
 今年は一緒に過ごせないとか
 去年みたいに、二人で愛しあう事はできないから、それで。
 断りの電話をかけてきた───?


「……っ」
 思わず息をつめてしまった。だが、すぐに総司は携帯電話を握りしめると、口を開いた。
「あのっ、土方さん」
 愛しい男からの断りの言葉を聞くのがいやだったのだ。
 それを聞いた瞬間、身も心も冷たく切り捨てられるような気がして、怖くて怖くてたまらなくなってしまったのだ。
「ぼく、大丈夫ですから」
 総司は口早に言葉をつづけた。
「その日、別に予定いれてもいいんだし……あ、別に予定はいってる訳じゃないけど、でも、木曜日って平日だし、土方さんも忙しいだろうし。それに、ほら、ぼく女の子じゃないから、バレンタインって云われてもあまり……」
『あまり興味がない、か?』
 ちょっと可笑しそうに聞き返す土方に、総司は言葉につまった。が、結局は小さな声で答える。
「えぇ……あまり興味はありません」


(……嘘ばっかり)


 総司は視線を膝の上に置いてあるお菓子の本へ落とした。さっきまで、バレンタインのお菓子づくりの本を見ていたくせに、何を云っているのだろう。
 だが、それでも、どうしても本当の事を云う勇気がなかった。
 本当は、心から望んでいるのに。
 彼に逢いたい。
 去年のみたいに、幸せなバレンタインを彼と過ごしたい。
 そう心から願っているのに。
 なのに、どうしてもそれが云えなくて───
「……」
 言葉がつづかず、総司は黙り込んでしまった。
 やがて、電話の向こうで土方がため息をつくのが聞こえた。
『……そうか』
 僅かな苦笑もつたわってくる。
『なら、仕方ないな』
 土方は淡々とした口調で云った。それに、総司ははっとして目を瞬く。
「あのっ、土方さん……」
 云いかけた瞬間、電話の向こうで土方の名を呼ぶ声がした。それに、答えている声も聞こえてくる。
『悪い、そろそろ時間だ。また電話するよ』
「あ、はい」
 総司が返事をしたとたん、通話はぷつりと切れてしまった。それに、しばらくの間、呆然となる。
 別に冷たくされた訳ではなかった。土方の口調が怒っていた訳でもない。
 だが、何かを間違ってしまった気がしたのだ。
「……」
 総司は携帯電話をテーブルに置くと、また膝上の本へ視線を戻した。それから、きゅっと唇を噛みしめる。
 無意識のうちに、じわりと涙が瞳にうかんだ。
 総司だって、わかっているのだ。
 あの優しい彼なら、総司のすべてを受け入れてくれるはずだという事を。
 総司が愛情をこめてつくったものなら、喜んで受け取ってくれるはずだった。他の何よりも大切だと囁いてくれるはずだった。
 だが、それでも素直になれないのだ。
 優しい彼にすべてをあずけ、甘えきる事ができないのだ。
「……もっと」
 総司は両膝を抱えこむと、涙声で呟いた。
「素直になれたら、良かったのに……」
 大天使のプライドゆえなのか。
 世界中の誰よりも愛しい彼にさえ、甘えきることのできない自分自身が、せつなく悲しかった。








「……まったく」
 土方は携帯電話を閉じながら、僅かな苦笑をうかべた。
 だが、怒っている訳ではむろんない。むしろ、その黒い瞳には、あの大天使への愛しみがあふれていた。
 意地をはっているのは、わかっているのだ。
 本当は逢いたいくせに、バレンタインなど興味がないと云ってきた総司。去年はあんなに喜んでいたのだから、楽しみにしていたに違いないのに。
 きっと何かあったのだろう。
 あの心優しい天使が遠慮し、躊躇ってしまう何かが。その事で、総司は意地をはり、土方は恋人と過ごすはずのバレンタインを断られてしまった。


 素直に云えばいいのに。
 全部何もかもさらけ出して。
 愛して欲しい、甘えたいと素直に云ってくれば、身も心もとろけるほど甘やかしてやるのに。
 だが、こうして意地をはる処がまた可愛いとも云えるのだが……


「総司、ですか」
 傍らから声がかかった。
 土方が視線を流すと、ソファに坐った斉藤が小さな笑みをうかべながらこちらを見ている。
 それに短く答えた。
「あぁ」
「電話してあげたら、喜んでいたでしょう」
「何が云いたい」
「総司はいつも、あなたのすべてに惑わされてしまうという事ですよ。最近はとくにね」
「俺のすべてとは、何だ」
「さぁ、言葉どおりですが?」
 空とぼけた様子で答える斉藤に、土方は肩をすくめた。これ以上言葉遊びをするつもりはないのだ。
 背をむけて部屋を横切ると、デスクの上の書類をまとめはじめた。
 議員会館の中にある彼の事務室だった。
 後ろの窓から射し込む冬の光が、僅かに目を伏せている彼の艶やかな黒髪にまとわり、頬から顎のすっきりしたラインも際だたせている。
 のびやかで瑞々しいその姿は、まるで天使のように美しかった。だが、誰もがふり返るほど綺麗なこの男が、邪悪で冷酷な魔王であることを、ここにいる斉藤などは嫌というほど知っている。
「バレンタインの約束……」
 斉藤が山崎が入れた珈琲を飲みながら、ゆっくりと云った。それに、土方が目をあげる。
「断られましたか。なら……逢わないのですね」
 まるで念押しするように訊ねた斉藤に、土方は形のよい唇の端をつりあげた。
「代わりに、おまえが誘うつもりか」
「まさか。あなたが総司との逢瀬をオレに譲るはずがないでしょう」
 それには答えず、土方は書類を鞄に入れた。ずっと沈黙したまま傍にいた山崎がスーツの上着をさし出し、土方の肩に着せかける。
 斉藤がかるく首をかしげた。
「今から会議ですか」
「あぁ。そろそろおまえも帰れ」
「わかりました。ま、近くに来たので寄ったまでですが……あぁ、そうそう」
 斉藤はちらりと山崎へ視線を走らせてから、云った。
「この間の国の一件、まだ時間がかかりそうですよ」
「何が原因だ」
「向こうも本気でかかってるという事です。そのうち大天使自ら赴くようですし……そうなれば、総司と逢うかもしれませんね」
「……」
「総力戦になるなら、十分ありえる事でしょう。いっそ一戦交えますか」
 斉藤の言葉に、土方はすうっと目を細めた。何も云わず、ただ静かに斉藤を見据えている。
 その黒い瞳は深く澄み、何を考えているのかまったく伺わせる事はなかった。だが、緊迫した空気がはり詰めたことで、斉藤の言葉が土方の気持ちに一石を投じたことだけはわかる。
 やがて、土方はふっと嗤った。
「おまえ……そんな事、俺ができるはずもねぇと思ってるだろう」
「さぁ、どうでしょう」
「わからねぇか。なら……斉藤、おまえ自身の胸に聞いてみる事だな」
 そう云った土方に、斉藤は僅かに目を瞬いた。虚をつかれたような表情になっている。
 それに、くすっと笑ってから、土方は踵を返した。スーツの裾をひるがえし、足早に事務室を出てゆく。それを追う山崎の足音も遠ざかってから、斉藤は小さく嘆息した。
 窓際へ歩みよると、鳶色の瞳で晴れわたった冬の青空を見上げる。
 やがて、小さく呟いた。
「……できるはずもない事を」
 それは、いったい誰に向けられた言葉なのか。
 斉藤自身にも、わかりえぬことだった……。








 そして、2月14日バレンタイン当日だった。
 総司は書店を昼までに終わらせると、マンションの部屋へ戻った。
 さっさとランチをとり、片付けものをすませてから、白いカフェエプロンを取り出す。きゅっと締めてから、総司は鏡に映った自分を眺めた。
「……なんか、ものすごく緊張した顔してる」
 青ざめてさえいる気がして、そんな自分に思わず笑ってしまった。だが、仕方のない事なのだ。
 総司は今から、土方のためにチョコレートをつくり、それを彼のもとへ持っていこうと思っているのだから。
 色々考えた末に、チョコトリフをつくる事にした。ブランデーやラムレーズン、アーモンドの入ったかなり大人向けのチョコトリフだ。
 これなら、甘いものをあまり好まない彼でも食べられるだろうと思ったのだが……
「まずは頑張ってつくらなきゃ」
 総司は腕まくりすると、キッチンに立った。それ程難しいものではないが、甘くせず尚かつブランデーの芳香も残さなければいけないので、そのあたりに意外と気を使う。
 それでも、ようやく出来たそれに、総司はほっとして頬を綻ばせた。
「よかったぁ。形は……まぁまぁだけど」
 小さなトリフを一つずつ、丁寧に白い紙をしいた箱の中へ入れてゆく。きちんと蓋をしてリボンをかければ、バレンタインプレゼントの出来上がりだ。
 総司は悪戯心をだして、天使を模った白いカードをそえた。
 その箱を紙袋に入れると身支度を整えてから、出かける。善は急げで、早く土方の元へ届けたいと思ったのだ。
 彼へ贈られるたくさんの豪華なプレゼントは、今も、心に重くのしかかっている。
 だけど、でも。


 優しい彼なら、きっと喜んでくれるはずだから。
 あのきれいな笑顔で、受け取ってくれるはずだから。


 総司は電車を乗り継いで議員会館の前までやってくると、しばらく前をうろうろしてから、携帯電話を取り出した。
 だが、もしも来客や打ち合わせ中だったらと、ついつい躊躇ってしまう。
「……少し…待っていようかな」
 紙袋を抱えたまま、総司はそこに佇んだ。
 見上げれば、冬独特の白い空。
 今にも雪がちらつきそうだ。
 凍えそうなほど寒いこんな日に、外で立っている者など総司の他にはいなかった。だが、それでも、総司は待つことにした。
 必ず彼は出てきてくれるはずだから。
 今日のスケジュールはあらかじめ山崎に聞いていたのだ。
 それによると、今日の午後、彼はデスクワークのはずだった。出かける予定はないはずだ。
 ここにいれば──きっと逢えるはずだから。


「……土方さん」


 小さな声で愛しい彼に呼びかけ、総司はそっと手の中の紙袋を抱きしめた。