土方は息を呑んだ。
 そんな彼の腕の中、総司は震える声で告げた。
「土方さん、あなたが……好き」
 素直で、幼いまでにいとけない告白だった。
 たまらぬほどの愛しさがこみあげた。かわいくて愛しくて、今すぐ己のものにしてしまいたくなる。
 土方は思わず総司の小柄な躯をきつく抱きしめた。頬を擦りよせ、目を閉じる。
「……総司……!」
 掠れた声でその名を呼び、髪に、頬に、額に、口づけの雨を降らせた。それに、総司は恥ずかしそうに俯いたまま、だが、素直に彼からの愛撫を受けている。
 土方は僅かに身を起すと、今度こそ、総司の小さな顔を覗き込んだ。不安げに見返す大きな瞳が愛らしい。
「本当、なのか?」
 自分でも情けないぐらい、不安げな声だった。それに、総司がおそるおそる問い返す。
「本当って、何が……?」
「だから、さっきの言葉だ。本当に、俺のことが好きなのか。それは、兄だとか仲間だとかではなく……念者として、俺のものになっても構わないと、そう受け取ってもいいのか」
 はっきり問いかけた土方に、総司はますます顔を赤らめた。潤んだような瞳で、じっと彼だけを見つめている。
 だが、それでも、こくりと頷いた。
「……はい」
 そう返事をし、また男の胸もとに恥ずかしそうに顔をうずめてしまった総司に、土方は信じられない程の喜びが胸を突き上げるのを感じた。
 今、この腕の中にある愛しい存在は、自分のことを想ってくれているのだ。
 彼のものになっても構わぬと、そう愛らしく告げてくれているのだ。
 これ程の喜びがあるだろうか。
 長い年月、ずっと見守り、愛しつづけてきた存在をようやく手にいれる事ができた喜びに、土方は体中が熱くなるのを覚えた。
「総司」
 そっと名を呼ぶと、総司はおずおずと土方を見上げた。その頬を片手で包み込み、顔を傾ける。
 彼の意図を察し、躊躇いがちにだったが、総司は静かに目を閉じた。その小さな顔を見つめ、優しく唇を重ねる。
 初な総司を思いやり、唇を重ねるだけに留めた。
 それだけでも、総司は頬を上気させ、土方の腕の中、小さく身を震わせているのだ。これ以上の事が、できるはずもなかった。
「総司、愛している」
 そう囁きかけた土方に、総司は花のように微笑ったのだった。












 土方と総司が本当につきあいを始めてから、数日後のことだった。
 昼下がり、巡察の報告に訪れた斉藤が、いつものように的確で要領の得た報告をした後、ふと気づいたように云った。
「押して駄目なら引いてみろ、ですか」
「……」
 土方は形のよい眉を微かに顰めた。
 そう云われても仕方のない経緯だと、わかっている。だが、実際、そんな計るような事をしたつもりは全くなかったのだ。
 仕事上では策士である土方だが、総司には手練手管のような真似はしたくないと思っている。
 本気の恋だからこそ、常に真摯でありたいのだ。
「……そんなつもりはねぇよ」
 書類を投げ出しながら、低い声で呟いた土方に、斉藤は僅かに肩をすくめた。
「まぁ、オレはどちらでも構いませんが」
「……」
 訝しげに顔をあげると、口調よりも余程真剣な光をうかべた鳶色の瞳が、土方を真っ直ぐ見据えていた。
「オレはね、土方さん、総司がここにいてくれるなら、それで構わないんですよ。そりゃ、あなたのものになってしまったのは、面白くありませんよ。全然、面白くない。けど、総司が好きになったのは、あなただ」
「……」
「あなたが総司をここに繋ぎとめられるなら、いいのです。またいなくなるような事だけは、御免ですからね」
 斉藤の言葉を聞きながら、土方は文机に頬杖をついた。僅かに目を伏せ、考えこむような表情になっている。
 その端正な横顔を見つめ、斉藤は少し躊躇った。だが、やがて、ゆっくりと訊ねた。
「土方さんは、総司の失踪の理由……知っているのではありませんか」
「俺が?」
 物思いから冷めたような表情で、土方は顔をあげた。それに、斉藤は言葉を重ねた。
「そうです。あなたは何かを知っているし、それを隠している。総司があんなふうに記憶を失い、しかも、性格まで変わっているのに、ごく当然のように受けとめていた」
「別に、当然だと思っていた訳じゃねぇよ」
 そう云って話を終らせようとする土方に、斉藤は居住まいをただした。そうして、低い声で云った。
「前から一度訊ねたいと思っていたのです」
「何だ」
「土方さんは、今の総司を別人だとは思わないのですか」
「……」
 土方は冷たく澄んだ黒い瞳で、斉藤を見つめた。しばらく黙った後、すっと視線を外した。微かに笑う。
「……別人のはずねぇだろう」
「確かに、容姿も名前も同じです。でも、あまりにも違いすぎるし、何よりも本人が何度も云っている。自分はここの沖田総司ではない、と」
「総司は総司だ」
 きっぱりとした口調で、土方は云いきった。切れの長い目が鋭い光をうかべる。
 それを、斉藤は探るように見つめた。
 だが、やがて、「そうですか」と頷くと、静かに腰をあげた。そのまま出ていきかけ、ふと、既に文机へ向き直っている土方の背に、言葉を投げかけた。
「あなたの総司、今度こそ見失わないでやって下さい」
 ふり返らぬまま、土方は喉奥で低く笑った。
「……おまえに云われるまでもねぇよ」
 それに、斉藤はもう一度頷くと、静かに部屋を出ていったのだった。












 土方と総司は、確かに恋人同士となった。
 だが、契りをかわした訳ではなかった。
 いずれはと土方も望んでいたが、口づけだけで震えていた総司を思うと、なかなか手が出せなかったのだ。
 機会がない訳でもなかった。二人晴れて念兄弟になってからは、あちこち共に出かけるようになったし、料理屋の二階や、離れなどで、甘い雰囲気になる事もあった。だが、総司の愛らしい顔に、ほんの僅かでも怯えを見つけたとたん、土方の胸奥が激しく痛み、何だか自分がとてつもなく悪い男のように思え、手出しできなかったのだ。
 いや、実際、悪い男なのだろう。
 こんな九つも年下の愛らしく可憐な若者を、己のものにしようとしているのだから。
 妙な罪悪感に苛まれ、土方はため息をついた。
 仕事の後、自室に戻る最中だった。庭を渡る中廊下から見上げれば、夜空に月が美しい。
 雰囲気満点の夜だが、彼の傍に総司の姿はなかった。夕食は共にしたが、その後、風呂場にも、通りがかった隊士たちのたまり場にも、その小柄な姿はなかったのだ。
「もう、休んだのか」
 小さく呟き、ふと、土方は眉を顰めた。
 早めに休むなど、体調が悪いのかと思ったのだ。なら、今夜はもう休んでいるだろうから、明日の朝様子を見に行こう。そう決意しつつ、土方は廊下を歩んだ。
 それは、彼の部屋近くまで来た時だった。
「……?」
 誰もいないはずの奥から、明かりがもれているのだ。
 今夜、隣室の近藤は休息所であり、反対隣に部屋はなかった。なのに、廊下に明かりがもれている。
 土方は眉を顰めつつ、ゆっくりと歩み寄った。障子に手をかけ、静かに押し開く。
「!」
 淡い灯火の中、愛らしい若者がひっそりと端座していた。それに、息を呑む。
 総司は風呂あがりなのか、寝着だけを身につけ、頬を仄かに上気させていた。緊張した面持ちで、長い睫毛を伏せるさまが初々しい。
 可憐な花のような姿に、土方は立ちつくした。何も云う事ができない。
 そんな土方の前で、総司はゆっくりと手をついた。細い肩に、さらりと髪がこぼれる。
「……ずっと待っていました」
「──」
「契りを……かわして頂けませんでしょうか」
「……」 
 土方の目が見開かれた。
 総司の様子、傍に敷かれた褥から、ある程度察してはいたが、いざ言葉に出されると驚くより他はない。
 何しろ、相手は総司なのだ。幼い頃から大切に見守り、それこそ掌中の珠のように慈しんできた総司から、契りを求められる。
 信じられないような事だった。
 だが、一方で、己の不甲斐なさに腹がたった。
 躊躇い、迷った挙げ句、受け身であるはずの総司に、こんな事まで云わせてしまったのだ。そのことが酷く悔やまれた。
 押し黙ったままの土方に、不安を覚えたのだろう。
 総司はおずおずと顔をあげ、彼を見つめた。大きな瞳が僅かに潤み、不安げに揺れている。
 その事にたまらない愛しさを覚えつつ、土方は後ろ手に障子を閉めた。部屋を横切り、だが、怖がらせないよう、少し離れた処に腰を下ろした。
 しかし、それは総司にあらぬ誤解を抱かせたようだった。なめらかな頬が強ばった。
 桜色の唇が震える。
「……土方さん、いや、なの?」
「え」
「私を抱くのが……いや? 契りなんて、かわしたくない?」
「何を云っているんだ」
 土方は驚き、慌てて手をのばした。それに、総司は身をすらせながら、子どものように首をふる。
「だって! 黙ったままだし、そんな離れた所に坐るし……やっぱり、私の事なんて何とも思っていないの? 私を憐れんで、優しくしてくれただけなの?」
「そんな事あるはずねぇだろうが!」
 思わず、土方は声を荒げた。強引に総司の腕を掴み、己の方へ向き直らせる。
「俺はおまえを本気で愛しているんだ。おまえしかいらない、おまえだけが好きだと、何度も云っただろう」
「じゃあ、どうして!」
 総司の手がどんっと彼の胸を押し返した。
「どうして、私に何もしないの。ただ口づけるだけなの」
「それは……」
「私が子どもっぽいから? 何も知らないから?」
「……すまん」
 思わず謝ってしまった土方に、総司はさっと青ざめた。それに、すぐ気づいた。また誤解させてしまったのだ。
 土方は離すものかと総司の腕を掴んだ手に力をこめ、その瞳を覗き込んだ。
「誤解するなよ。俺が謝ったのは、手を出さんという事じゃない。その理由だ。おまえの……云うとおりなんだ。俺は、何も知らないおまえを汚すのが怖くて、手を出すことが出来なかったんだ」
「怖い……?」
「あぁ、そうだ」
 土方は頷き、そっと総司の髪を頬を撫でた。
「こんなにも可愛くて綺麗で、清らかなおまえを、俺なんかが抱いていいのか。契りを交わして、全部俺のものにしちまっても構わねぇのか。そんな事ばかり考え、躊躇っていた。けど、俺は……駄目だな。その挙げ句に、おまえの方からこんな事を云わせちまった。逆に、傷つけていた事など、全く気づいていなかった」
「土方さん……」
 総司は男の胸もとに凭れかかり、長い睫毛を伏せた。それから、小さな声で云った。
「ありがとう……」
「え?」
「そんなにも私を大切に思ってくれて。土方さんの本当の気持ち、今やっとわかった気がします」
「総司」
「でも、汚すなんて事は絶対ないから。私は、あなたと契りをかわして、あなたのものになりたいの。それは……その、怖いし、恥ずかしいという気持ちもあるけど、でも、それ以上に、土方さんに抱かれ……たいから」
 そう告げるなり、首筋まで真っ赤になって俯いてしまった総司は、たまらなく可愛かった。
 土方はたまらず小柄な躯を抱きしめると、口づけた。髪に頬に口づけを落しながら、ゆっくりと、その躯を褥に横たえる。艶やかな黒髪が広がり、大きな瞳がじっと彼を見上げた。
 愛さずにはいられなかった存在だった。


 この世の誰よりも、愛おしい恋人───


「……愛しているよ」
 そう囁いた土方に、総司はこくりと頷いた。そっと土方の腕に手をかけながら、小さな声で答えを返す。
「私も……愛しています」
 甘い告白に、思わず微笑んだ。何度も口づけを交わしながら、互いの着物を脱がせてゆく。
 総司の肌はまっ白でしみ一つなく、本当に雪のようだった。思わず喉を鳴らし、むしゃぶりつくように口づけてしまう。
 まるで初めての蜜事のような男の性急さだったが、それでも、総司は抗わなかった。恥ずかしそうにしつつも、彼のすべてを受けいれてゆく。
 むろん、色々と手こずりはした。何しろ、総司はもちろん、土方も同性を抱くのは初めてなのだ。
「そんな、とこ……やあッ」
 総司が小さな悲鳴をあげ、身を捩った。足をばたつかせる。
 だが、それに構わず、土方はふのりを絡めた指さきで、小さな蕾にふれた。何度も撫でてやるうち、それが少し綻んでくる。
 ゆっくりと指をさし入れると、総司の細い躯がびくっと震えた。
「ッ……や、い、や」
「痛いか」
「わかん…ないけど……んッ、んッ」
 総司はぎゅっと褥にしがみつき、いやいやと首をふった。それがたまらなく愛らしい。
 土方は目を細め、その胸の尖りを唇にふくんだ。舌で転がすように舐め回してやれば、総司の唇から甘い声があがる。
「ふっ、ぁッ…ぁあんッ……」
 躯の力が抜けた処を見計らい、指を進めた。押し広げるように、指をゆっくりと回す。
 やがて、二本目も入れてみたが、総司は痛がらなかった。ただ、羞恥に頬を染め、いやいやと首をふっているだけだ。
 土方は二本の指を奥まで入れると、すっとしこりを撫でてやった。とたん、総司が腰を浮かす。その反応に唇の端をあげ、しこりをぐっと指の腹で押しあげた。
「ああッ!」
 悲鳴をあげ、総司が仰け反った。土方は薄く笑うと、そこだけを徹底的に責め始めた。何度も指で押しあげ、引っ掻き、擦ってやる。そのたびに、総司はがくがくと躯を震わせ、泣きじゃくった。
「ぁッ…土方、さ、…や、あっ……」
 ぽろぽろと涙がこぼれ、総司のものも愛らしく勃ちあがる。頬が紅潮し、腰がゆらゆらと揺れた。
「……すげぇ可愛い」
 そう囁きかけ、土方は指を抜いた。総司が、はぁっと息を吐く。
 土方は己の前を寛げながら、問いかけた。
「……いいか?」
 低い声で訊ねる土方に、総司は意味がわからないようだった。ただ、小さく喘ぎながら、ぎゅっと褥の端を握りしめている。
 それが幼い子どものようで、土方は奇妙なまでの罪悪感を胸内にのぼらせたが、もはや止める訳にはいかなかった。
 彼自身の欲望もあるが、総司も望んでくれている事なのだ。
 土方は身を起すと、細い両脚を抱え込んだ。膝裏に手をかけ、押し広げる。それに、顔を赤らめた総司が「や」と身をすらせたが、強引に引き戻した。
 蕾にふれた熱に、総司が、はっと息を呑む。
 だが、怖がらせる前に、土方は膝裏を掴んで押し広げ、一気に腰を進めた。男の猛りが蕾に突き入れられる。
「ぁ…ひぃっ、ぃ」
 総司の目が大きく見開かれた。反射的に逃れようとするのを押え込み、慎重に最奥まで貫いてゆく。
 細い指さきが男の腕を掴み、爪をたてた。
「…ぃ、た…ぃッ…ッぁ」
 桜色の唇から掠れた悲鳴がもれ、細い躯が仰け反った。それを抱きすくめ、頬に、首筋に、口づけを落とす。
「力を抜け、総司……息を吐いて」
「っ、ぁ…あっ、あ……土方…さ…ッ」
「そう…そうだ。いい子だな、総司……」
 息を吐いた瞬間、土方は一気に貫いた。とたん、総司が泣き叫ぶ。
「ぁ、ぁああ──ッ!」
 咄嗟に唇を重ねた。両腕で抱きしめ、苦痛を忘れさせるよう、激しく甘い口づけをあたえる。
 男の腕の中、華奢な躯は小さく震えていた。それが可愛くていとけなくて、男の欲望をより煽るのだから、どうしようもない。
 土方はゆっくりと身を起し、総司の汗ばんだ髪を手で払いのけてやった。涙をいっぱいにためた瞳が、縋るように男を見上げる。
 それに、低い声で云いきかせた。
「大丈夫だ……もう全部入ったから」
「で…も、苦し……っ」
「俺を信じろ。必ずよくしてやる」
 そう囁いた土方に、総司はこくりと頷いた。ぎゅっと男の腕にしがみつくのが可愛い。
 土方はもう一度口づけてから、ゆっくりと腰を引いた。そうして、総司が息を吐いたところで突き入れ、柔らかく優しく揺さぶりをかけてゆく。
「ッ、んっ…ぅ、ぁ、ぁッ」
 総司は固く目を閉じ、体を強ばらせていた。だが、何度も口づけ、愛撫してゆくうちに、その緊張もほぐれてくる。
「ぁ……ッ」
 不意に、桜色の唇から甘い声がもれた。それに、土方は気づき、同じ箇所をゆっくりと擦りあげてやる。
 総司の頬に、ぱっと朱が散った。
「や、ぁ、やだ…っ」
 羞恥故か身を捩って逃げようとする総司を抱きすくめ、土方は執拗にそこだけを責めたてた。己の猛りで、ぐりぐりと音がしそうなほど擦りあげると、総司が甘い悲鳴をあげて仰け反った。
「ぃ、やぁッ! ぁあっ」
 もともと敏感なのだ。
 痛みにもだが、快楽にも弱い若者の躯に、土方は男に抱かれる蜜を徹底的に教え込んだ。総司がいくら嫌と泣いても離さず、熱くほぐれた蕾の奥を猛りで甘く激しく穿ってやる。
「ぁあっ、ぁ、っぁあ」
「……すげぇ熱いな、総司の中」
「そ…んな事、云っちゃだめ…ぁ、ぁあんっ、ん」
 恥ずかしがって白い両腕で顔をかくす総司が、たまらなく可愛かった。
 土方は身を起すと、総司の膝裏に手をかけ、本格的な責めを始めた。彼自身、堪えきれなくなってきたのだ。
 男の太い楔を蕾に打ち込まれるたび、総司は泣きじゃくった。強烈な快感に我を忘れてきたのだろう、細い足が男の腰にからめられ、もっと……と愛らしくねだる。
「ぁ、んっ、ぁあっ、も…いっちゃ……っ」
「いけよ。俺も……く……っ」
「は、ぁあっ、ぁあああッ!」
 一際甲高い悲鳴をあげた瞬間、総司の腰奥に男の熱が叩きつけられていた。それと同時に、総司のものも勢いよく弾ける。
 土方は華奢な躯をきつく抱きしめ、注ぐ間も、腰を打ちつけつづけた。それにさえ感じた総司が、甘く啜り泣くのが心地よい。
「ぁ、ぁ…ついっ、熱いの……気持ち…いぃ…ッ」
 総司の細い両腕が男の首をかき抱き、口づけを求めた。土方もそれに応じ、深く唇を重ねる。
 何度も口づけあううちに互いの躯が熱くなり、欲情が再燃してしまったが、それは互いに望むことだった。そこが屯所の一室である事も忘れ、深く激しく求めあってゆく。
 愛に溺れる恋人たちの至福の夜は、ゆっくりと過ぎていった。


















次は大きく展開します


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