リンガルナイズドオクルージョン ♯70の、元垂水区歯科医師会会長先生の口演で強調されていたものです。
 義歯(特に総義歯)の人工歯の並べ方にも理論があって、私たちの学生の時には「フルバランスドオクルージョン」全盛で、Gizy理論とか、オイゲミューラーがどうのこうのと、いろいろな理論がありました。
 もっとも、今でもありますが。
 レジンという、プラスチックスの一種で義歯を作ると、どうしても重合収縮が起こり、仕上がった時点で、変形しています。
 義歯は出来上がってからが本番で、調節を繰り返してやっと噛めるようになって行きます。
 結局は顎、粘膜など患者さんが順応してくれるのですが、誤差を口腔粘膜の厚さ以内にすれば順応してくれるようです。
 削ったり盛ったりしていくと、何とかうまくかめるようにするには、どうも、「フルバランスドオクルージョン」より、「リンガルナイズドオクルージョン」に近くなっていくようだと思っていました。
 要は、何とかかんとか噛める様になってくれたらいい訳なので、理論というのは後付けという気もします。
 詰め物も、私が勤務医をしていたときはアマルガム合金を詰めるのが全盛だったけど、今は光重合レジン全盛で、時代が変われば材料も変わり、治療方法も変わってしまうことを、以前書きましたが、理論まで流行り廃りがあるようです。
 治療方法も、顎関節症のところで書きましたが、治療法自体が否定されることもあります。
 歯磨きの仕方も、一時ローリング法が全盛でしたが、今では3番手ぐらいの磨き方に格下げされてしまいました。
 50年60年前は、歯を抜いて総義歯にするのが簡単最適とされていましたが、今では1本でも残しましょうということで、「8020運動」が浸透してきました。
 白い歯が一番とされていますが、歯は象牙質の色が透けて見えているので少し黄色が健全なのですが、これは今でも白い歯は好まれるようです。
 これだけ、茶髪が流行っているのなら、歯も着色してみたら面白いと思いますが、舌、唇にピアスを付けてもあんまり歯をいじりませんね。
 バブル景気のころ、歯にダイアモンドを埋め込むのが流行りかけましたが、すぐに消え去りました。
 そのとき、需要があるところ、供給ありで、歯のどこにダイアモンドを埋め込むのがもっとも見栄えがいいのか研究していたグループがあったのを覚えています。
 いまは、歯の漂白ですね。
 これも、需要と供給の関係で、歯の漂白に対応しないといけないと思い、薬品を買いました。
 ドライマウス対応の薬も買わなくてはいけませんが、必要に迫られたら購入しよう。
 これからの歯科医院はどこに向かっているのか、どうなるのか。
 そういえば、診療所をバリアフリー対応にして、これからの時代に対応しようとしたんだった。歯科医師自身のコンセプトで、いろいろな歯科医院ができるのだと思います。