雑感・06年2月

2006年02月07日
先日の新聞で「京都府文化的景観70ヵ所候補に」という記事をみました。文化的景観とは人と自然のかかわりの中で形成された景観という意味で今までになかった新しい分野の文化財保護になります。これらの候補の中に向日市にかかわるものが3件あげられています。農林水産業にかかわる景観地として「タケノコ畑と小柴垣」、信仰や生活習俗にかかわる景観地として「向日神社の鎮守の森」、商業・交通にかかわる景観地として「旧西国街道の町並み」です。この選択はまず異論のないところですが、現状ではまだまだ文化的景観に指定されるにふさわしい状態とは言い切れません。府指定の候補となることが住民の間での「文化的景観ということ」を意識する機会になればいいなと感じました。
2006年02月11日
NHKで「毎日モーツァルト」という番組が平日に放送されています。昨日までにすでに10回放送されて欠かさず見ています。予定ではこれから1年間の番組ということで楽しみにしています。モーツァルトが5歳ではじめて作曲したものから年代順に曲の紹介をして紀行風に構成されています。この番組をDVDに録画していつでも見返すことができるようにするつもりで不要なところは削除してと、放送に並行して編集もはじめました。さて1年間ということになると、何枚のDVDになるのかと考えるまでもなく見返す時間が足りなくなるのが分かります。それでもモーツァルト・ファンとしては全部保存しておきたいのです。
2006年02月15日
先日、鶏冠山南真経寺で副住職の僧の荒行からの帰山奉告式があり参列しました。新聞記事によると信徒ら約300人が集りました。荒行は寒風の中、1日7回の水行と読経を続け、毎日食事は2回のかゆというもので11月からの100日間でした。久しぶりに見たこの僧の姿は今まで接していて感じたことのない厳しさと迫力に満ちています。行者の風格でした。集った信徒も、命がけの荒行を無事終え授法を会得したという良い後継者ができたことの喜びにあふれていました。ここにも伝統が生きています。
2006年02月19日
向日市文化資料館の歴史講座「宝菩提院の歴史と美術」を聴きに行きました。若手研究者による最新情報、というふれこみでしたが期待通りの内容でした。「中世宝菩提院における天台穴太西山流受容と伝播」という演題のものは仏教史学会例会でも報告されたというかなり専門的なもので、内容をすべて理解するには難解なものでしたが、今研究が進んでいるという熱意が伝わり刺激的でした。「宝菩提院の仏像ー国宝菩薩半跏像を中心に」というもう一つ講演も、美術史からこの仏像の姿を読み解くというものでメモを取りながら集中して聴くことになりました。この国宝菩薩像が宝菩提院の歴史を考えるために重要な位置を占めているのは当然のことですが、いつだれが作ったのかはいくつも説があり、謎のままでした。今回の講演を聴いて、780年から800年の頃に、渡来した工人の手で作られたのはほぼ間違いないだろうと再認識できました。桓武天皇、長岡京と直接結びつく、この国宝菩薩像が向日市から流出してしまったのは今更ながら、残念なことだと痛感しています。
2006年02月24日
明日2月25日に八幡市文化センターで「乙訓・八幡広域観光研修会」があります。基調講演として「映像による新しいまちの魅力の発見」という表題で神戸フィルムオフィス代表の田中まこさんの講演があり、その後にパネル・ディスカッション「ここからはじまる乙訓・八幡の新しい観光イメージ〜新しい魅力の創造・地域資源に光をあてよう〜があります。7人のパネリストのなかの一人として私も出席することになりました。この経過については1月19日の雑感に書いています。私は今回のパネル・ディスカッションでは新しい地域資源としても考えられると「町並み模型制作グループの活動」を紹介するつもりです。八幡市の人たちに「向日市文化資料館で展示しているむこうまち町並み模型などを見に来てください」と広報宣伝します。
2006年02月26日
向日市文化資料館での市民考古学講座で「年輪年代学と歴史学」というのを聞きました。発掘された木材の年輪からその年代を推定するという学問だということは知っていましたが、そんなにうまくいくものだろうかといささか疑問も感じていましたが、今回の講演で疑念はほぼ氷解しました。「測定誤差のない年輪年代学は紀年銘木簡が出土した場合と同等の質の高い年代情報を提示できる。」と断言した潔さには、にわか考古学愛好家には反論の余地もありません。年輪年代学の成果を活かして、今まで不明とされていたものに明確な年代を判断してもらうことが、これからの課題です。ぜひ関係する方々は、年代特定のための資料の提示に協力して欲しいものです。一般に認知されるにはまだ時間がかかりそうですから。
2006年02月28日
冬季オリンピック特集番組の影響で「毎日モーツァルト」の放送時間がたびたびの変更になり、2回も予約ミスしました。再放送があるというので、少し気が楽になりましたが、でもオリンピックが終わってホッとしてます。**デジカメでのパノラマ撮影で遊んでいます。28ミリの広角レンズでも、もっと広く撮りたくなってパノラマに行き着きました。パソコン・ソフトを利用しての加工ということになります。コダックのデジカメだとカメラ内で簡単に合成できるようですが、現在、うまくパノラマに合成できる撮り方をいろいろと研究中です。800万画素のカメラより200万画素のカメラの写真のほうが、今、使っているソフトではパノラマに合成しやすく感じています。おもしろい写真ができれば新コーナーで紹介しようかなとも思います。


トップへ
戻る