古文書で知る・むこうまち

06、.向日町青年団鶏冠井支部記録より。(ここは画像省略しています)
きのう6月15日「鶏冠井(かいで)区有文書」のなかの「向日町青年団鶏冠井支部記録」の大正6年・8年・11年の部分をサークルで読みました。京都近郊・向日町での純農村地域である鶏冠井区の青年がどのような活動をしていたのかが大正10年前後の時代背景をも浮かび上がってきます。ロシア革命・第一次世界大戦終了・原敬内閣・高橋是清内閣のころで関東大震災の直前です。
大正11年(1922年)の2月と3月の弁論部の活動を転記してみます。時代の熱気が伝わってきます。
*2月12日午後7時半より技芸会開催。西川A君「時間の経済についてー団体精神欠乏」。生島君「国家多事の秋須(すべか)らく青年の修養を要す」。五十棲A君「修養の価値ー鍛えて初めて名刀」。五十棲B君「積極的修養ー上に向かって進歩」。小寺君「風俗の改善」。吉田A君「同共一致ー集団事業の要素」。上田A君「読書の趣味」。五十棲C君「青年の文化の必要」。上田B君「閉会辞ー国家を双肩に担う農村の青年の修養について」。
*3月23日技芸会開催。杉原君。「最後の5分間の必要」。中嶋君「忠孝についてー支那の忠孝観」。本田君「思想問題ー過激思想の圧迫は不可。親善美の社会建造」。五十棲D君「国辱記」。西川A君「忠孝についてー一孝なくて万事なる建国3千年の一大事」。五十棲E君「国体の精華」。上田君「生命問題ー狂犬病について」。西川B君「正義・自由・平等ー本能をおさえるだけおさえて人間味ある生活に進め、青年再び来らず主義主張に邁進せよ、精神的差別撤廃等。舌端火を吐く」。吉田B君「青年の自覚ー強国とは武力地理にあらずして各自青年の発展にあり」。稲見君「相愛ー愛なき人生は暗黒なりこれを本位として理想を開拓せよ」。渡辺君「結婚法改善についてー愛の本位とす」。上田C君「宇宙の広大に準じて意を大海のそれにならうべし」。木村君「共同一致」。
05、徳川綱吉の時代の文書を6月1日にサークルで読みました。(鶏冠井町区有文書)
読み。惣而いきうをうりかへ之儀最前停止被仰出候うなぎどぢやういき魚之事ニ候間向後うりかへ停止ニ候若此以後売候もの於有之者可為由事候其所之名主五人組迄越度候条急度可相守候事 有之趣従江戸被仰下候而洛中洛外へ可令触知者也右之通被仰出候間村村うを類うりかへ人其外借家等迄急度可被申渡候以上 元禄十三年辰ノ八月十日。
悪名高い「生類憐れみの令」が京・郊外鶏冠井村の文書で確認できる。犬の過保護が有名だがここでは「魚類いきうおの販売」を禁止している。五人組連帯責任で守るように厳しく言い渡している。元禄13年には水戸光圀(黄門)が73歳で死去している。翌14年には忠臣蔵の浅野が吉良を江戸城中で傷つけ15年には大石良雄らが吉良を討った。歴史上のことが目の前に立ちあらわれるこの時がおもしろい。それにしても魚も売るなとは無茶苦茶。

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