山紫水明 2011年5月26日 記 |
一日目は「雷鳥」で金沢へ、そこから「はくたか」で糸魚川へ、そして大糸線で南小谷まで。駅には白馬樅の木ホテルのバスが出迎えてくれました。6時間以上の長旅です。
この白馬三山は娘と一緒に見たいと思っていたので誘ったら同行してくれました。が、私のように山を見たいだけの旅行では頼りないでしょう。彼女は「山は登らないと」といっているので、白馬はあらためて登ると思います。8月には北アルプスの薬師岳に行くそうです。 雨はしっかり降っていました。バスは新緑に覆われた渓谷を奥へ奥へと進みます。溢れるばかりの木々の呼吸を浴びて、この色はどうしたら表現できるだろうと思った時、山紫水明の言葉が浮かびました。ミドリといわないで、ムラサキという言葉、先人の智慧と豊な感性に驚きました。たしか遠くの山が紫に烟って見えることがありますものね。 戸隠は、修験者の山で古い歴史があるのです。西岳で2053mですから高さはそれほどでもないのにゴツゴツとした険しい山です。以前バスの中からその容姿を見て、なんと奇怪な形だろうと思ったことがあります。比叡山、高野山、戸隠といわれるぐらい宗教者の修練の場であったようです。 3日目は連泊の樅の木ホテルを発って上高地です。雨も止んでさわやかな朝をバスに乗り込みました。このツアーは総勢24人で、大きなバスですから後ろはゆったり座れます。 上高地では、2時間ほどの自由時間ですから娘は大正池から歩くことに、私は梓川の畔でスケッチをすることにしました。上高地は1500mほどの標高ですが今年は木々の緑が遅かったようで、ケショウヤナギも白樺も芽吹きが未だしでした。
雨の日もよしです。行く時は少し億劫に思えた天候も、雨にむせぶ新緑の美しさは味わったものにしか解からないことです。それに晴れの日でも、もやって山が見えない時もあるし、旅も、人生もいろいろです。どう受けとるかにかかっているように思います。 上高地も最後になるかもしれないと考えていたのですが、いえ、いえ、頑張ってまたまた来たいものだと欲が出てきました。 帰りはJR高山から列車に乗って飛騨の山々の谷間を走りました。日本の国ってほんとうに山国で、至るところ清流があふれている緑の島です。その美しい国土を中国人が買い占めているという。国土を外国人に売ることが出来ない法律を早く作って欲しいものです。後手にまわる政治が心配です。 |