白馬スケッチ紀行−2 2010年5月4日 記 |
南小谷(おだり)の駅までは7時間もかかっています。列車と並列して流れている姫川は北アルプスから流れ出る松川など周辺の川を集めて日本海に注ぐ一級河川です。清冽な水が渓谷深く流れていましたからその辺りを描いてもいいのですが、水仙街道に入ってのどかな山村を描くことになりました。2時間ほど座って画用紙に色を塗っただけの凡庸な1枚を持って、マイクロバスに乗ってホテルに向かいました。 白馬村は、まだサクラの蕾は固く、木々の芽生えもなくじっと春を待っていました。 翌日はかなりの寒さを覚悟して、真冬の装束に防水の雨具を着けました。
次は、青鬼部落(あおに)を目指しました。ポツポツ降ってきた雨がしっかり本降りになって、スケッチをすることは出来なくなりました。この青鬼村は日本の棚田100選になっている所ですし、白馬連峰の眺めもすばらしいとのことで、期待していたのですが仕方なく帰途につきました。
予定の白馬お花畑見学もボツになりました。が、私には大きな楽しみがありました。それは戸隠にいる友人が、「樅の木ホテル」に会いに来てくれるのです。 さて、約束の3時30分近くなり、私はホテルのロビーで待っていました。外は篠つく雨です。この雨の中を申し訳ないと思いながら、戸隠から白馬までの道中を思いました。 そのとき格好のいい黒い車が雨をかき分けるようにホテルの前庭に入ってきました。ピーンときました。あれに違いない。友人といっても親子ほど年は違うのですが、赤い帽子をかぶって若若しく華やいで見えました。ご主人様とは初対面でしたが素敵な人でした。うれしい、うれしい邂逅でした。夢かうつつか。 2時間ほどよもやま話をして、また峠をいくつも越えて1時間半ほどの道のりを帰って行かれました。 3日目は雨も晴れてサクラを求めて南下し、池田町のハーブ園に行きました。そこはサクラ、さくら、桜で山も谷も埋め尽くされていました。植えたものでなく、自生のものだそうですが、幾種類もの木がピンクの色とりどりに今を盛りに輝いていました。 四季折々に移りかわる自然の姿。なんと美しい国でしょうか!日本は。
|