新秋の旅 2008年9月20日 記 |
ジパングクラブのツアーです。ゆっくりとした行程なので、家族も安心すると言うのです。 新幹線に乗り東京駅で在来線に乗り換えて、那須塩原駅に降り立ちました。 17人のメンバーの中で5人は女性の一人旅です。旅馴れた人ばかりですが、85歳のMさんが一番の年長者です。お洒落なそれでいて慎ましい京美人でした。現役のお茶の先生でいらっしゃいました。旅の楽しみは、「何があるかわからないこと」と思っていますが、人との出会いもそうです。今回も個性豊かな人に囲まれて朝食もディナーも5人でテーブルを共にすることが出来ました。 2日目は日光です。東照宮は思ったより社寺としては小さいほうでした。しかし、その一つ一つの手の込みようは感嘆の連続で徳川家の権力を感じました。やっぱり世界に誇るべき文化遺産に間違いありません。大切に守って行きたいものです。中禅寺湖を遊覧船で回ったあと華厳の滝を見に行きました。水量は多くボリュウムはあるのですが、那智の滝を知っているので、感動はいまひとつでした。 山好きの私には、男体山がすっきりと姿を現してくれないのが気にかかります。中禅寺湖を前にした男体山の雄姿をみたいのです。見せて欲しいのです。私の旅の目的は山を見ることなのですから。その日のお宿は、中禅寺湖金谷ホテルです。有名なこのクラシックホテルは、温泉がとてもいいのです。男体山の麓、中禅寺湖に面した林の中に静かにたたずんでいるこのホテルはとても気にいりました。 翌日はバスで金精峠を越えて群馬県の北よりのルートを通って、軽井沢に向かいました。 軽井沢では、レイモンペイネの美術館に立ち寄り、宿舎の万平ホテルに入りました。一人部屋ですから窓を開けて軽井沢の空気を胸いっぱいに吸いました。木々の木立は秋の匂いを漂わせて、紅葉もところどころ始まっていました。翌朝、窓の外は雨がしとしと降っていました。林の中を散策したいと思っていたのに無理かと思われましたが、念願の浅間山も見えないし、思いきって一人で雨の中を歩くことにしました。フロントで教えてもらった散歩道を行ってみようと地図を片手に飛び出しました。
「カラマツの林を過ぎてカラマツをしみじみと見き、カラマツは淋しかりけり旅ゆくは淋しかりけり」 方向音痴でもない私が林の中で遭難するのか!山で遭難する人もこういうことなのかと、うろたえました。パニック状態でしたネ。手のなかの地図は雨にぬれてシワだらけ、ホテルの電話番号が書いてありました。しかし、携帯はホテルのカバンの中。その時一台の車が来ました。 ロビーで、約束の時間には少し遅れたのですが、Mさんが待っていてくれました。 |