碧 空(語り部として−5)

2008年8月15日 記


 また、今年も8月15日になりました。
終戦記念日です。お盆と同じ日ですから、私たち日本人にとっては、鎮魂の時期として大切に考えたいと思います。私の昭和20年8月15日は、特別な紺碧の空の深さと、シーンと静まりかえった空気が印象的でした。

 63回目の終戦の日は朝の新聞に小さく報じられていました。
今年は、北京のオリンピックと重なって、とても賑やかな日になりました。
戦争体験者の私は、女学生として勤労動員でドラムカンを作っていましたから大阪の真ん中 (天満の東洋紡績)でアメリカの爆撃を何度も体験して、大阪が見渡す限りの焼土と化したのをずっと見てきましたから、敗戦という屈辱と喪失感でこの日の悲しみは忘れることはありません。私は14歳でした。

 昨日テレビで、終戦の日の前日の昭和20年8月14日にJR京橋の駅で爆撃によって500人の人が亡くなりその法要が営まれたといっていました。
その場にはお地蔵さんがあるのです。
その亡くなられた中に私の同級生も含まれています。戦争とはどれだけ苛酷なものか容赦なく殺戮を繰り返してとどまる事はありません。
上空から雨あられと爆弾を落としてすべてを壊滅するのです。「鬼畜米英」といいますが言葉どおりの悪魔の行為でした。そんなことが許されるはずはありません。しかし、戦争に負ければ、「すべて日本が悪い、侵略戦争をして周りの国に多大の残虐行為をした。」ということになっています。
「勝てば神様です。」何も悪いことをしていないように口を拭って澄ましています。戦争を知らない人は是非ともこの真実を知って欲しいのです。

 そして、日本の国のことを真剣に考えなければなりません。自分の国の防衛を莫大なお金を使ってアメリカに任せて、多くの日本人はゲラゲラ笑ってばかりで日を送っているのは残念でなりません。
「自分のことは自分で」護って欲しいのです。それは軍事だけではありません。外交、経済すべてアメリカのお尻をについてフラフラ動いている日本の姿が心配です。
アメリカは日本が今は利用価値があるから親密にしているようですが、利害が反すれば態度は豹変します。例えば拉致のことでも何をしてくれましたか。横田めぐみさんのご両親の姿は辛くて見ておられません。でも私のように戦争でアメリカの姿を見ているものには「さもあらん」という感じです。戦後63年の間に骨のズイまで搾り取られてしまったように思います。

 戦争は、「勝てば官軍負ければ賊軍」これは鉄則です。原爆を2発も投下しそれが戦争終結に繋がったといっているのですからひどい話です。ガダルカナルの戦いでは、傷ついたたくさんのy日本兵を戦車でひき殺して処分したといいますから、神仏も許されない非人道な行為は枚挙にいとまありません。
それは近年イラクやアフガニスタンでも国がめちゃめちゃになるほど被害を受けていますので、その経緯をみると、太平洋戦争を知らない人でも推察することができると思います。


裏磐梯山 猫魔ホテルより 2008.8,3 Toshi

 先日、東北を旅してきました。日本は島国ですから殆どは山に覆われていて、海岸の近くの平野に人が密集しているのがよくわかります。緑、翠、碧の美しい山々。清澄な川、それも山から落ちてくるたくさんの流れ。よく整備された道、豊穣な農作物。このすばらしい国に生まれた我が身の幸せを思うとともに、先祖、先人が守りつづけて下さった国土を大切にしなければ痛感いたしました。

 戦争を体験した人はもう僅かしかいません。学歴も教養もない私ですが自分が見聞したことははっきり言えるのです。占領政策によって間違った教育を受けたまま日本の悪いところばかりを曲解して自国に誇りも自信も持てない大部分の日本人のみなさんは、早く目を覚ましてくださいね。
これからは巨大な大国が勢力を張り出してきます。それも隣国ですから影響は大です。暢気に笑ってばかりいると国家の存亡が危ぶまれます。

 自分の命も財産も国家によって護られているのですから、しっかりと日本を守り愛しましょう。

太平洋戦争でわが国は510万という人を亡くしました。この人たちが命を捧げて残してくださった日本の国を大切にして、国家を愛する誇り高き日本人になってくださるよう祈っております。