JR尼崎で福知山線に乗りかえて、丹波路快速で三田に向かう。
宝塚駅を出てトンネルをいくつも過ぎると、パアーッと視界がひろがる。もうそこは北摂の地、三田は目の前にある。車窓から毎日のように見る裏六甲や丹波の山々は、秋には黄色や赤に染まって美しい姿をみせてくれたが、今は冬木立となってちらつく雪の中ですっくと耐えている。
仏教でいう四苦は「生老病死」のこと。
「生」は自分のわからないことだけれど、この世に生まれて来るのは本人の絶大なる渇望によるというから、きっと、そうだと私は思う。「老」と「死」は物理的にみて仕方がないことだから、従容と受け入れるしかない。
ただ、「病」だけはカンニンして欲しい。
ある朝、起きてこないので見にいったら、眠ったままで終焉をむかえていたというわけにはいかないだろうか。
うーん、きっと病気にはそれだけの意味があるのにちがいない。人間がどれだけ力をつくしても、心をつくしてもどうにもならない事がいっぱいある。自分に来たものを受けて、一生懸命に生きるしか道はない。
今年は、永い長い一年だった。夫の病気に一喜一憂しながらの365日だった。
そして、発見と、感動と、感謝の日々だった。娘も、息子も本当に良くしてくれた。今日一日を大切に生きていけるのは、なにより幸せなことだと思っている。
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