今年は梅雨といってもあまり雨が降りません。カラ梅雨になるんじゃないかという心配もありますが、私はこの季節がとても好きなのです。それは日が長いからだと思います。
朝は4時すぎには、もうお日様が上がってきますし、さわやかな朝の空気の中で小鳥がさえずり、みどりの草木は目を覚まして花を開きはじめます。
ずっと以前、私が、まだ一生懸命に書道に励んでいたころ、この時間をどれだけ有効に使ったことでしょう。本当に貴重な「時」でした。
社中展は8月の初めでしたから、ちょうど6月の中頃は合宿や下見会で大わらわになっているのです。創作作品は筆をもって書くよりも、それまでの草稿づくりにエネルギーの大半をつかいます。
紆余曲折しながらやっと白い紙に向かうのです。
我が思いのタケを吐きだすように、心を鎮めて墨を紙に食い込ませていきます。
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