もう、20年も前のこと、1998年6月16日付けで日記に書いていますが、西宮市民会館に渡辺和子先生のお話を聞きに行きました。「美しき人に」という先生のご著書を読んでいましたから、
ぜひ聞きたいと期待に胸を膨らませて聴講いたしました。
私の日記にはいちばん最初に「私は仏教以外でこれほど宗教的な話を聞いたことはない」と書いています。
昨年、大晦日の前日2016年12月30日に亡くなられた先生を偲んで、講演の内容を書いてみて、自分の新たなよりどころとして先生にお礼を申し上げたいと思います。
すいせん 2017.1.17 toshi
〇 一人一人が一人格である。 自分が考えて、行動し、責任を持つ。 これが人間の尊さである。
〇 環境に左右されない自分。 どんな環境に置かれても、笑顔で生きる。 考えながら。生活しながら。祈りながら。
「神よ、この環境から立ち上がらせてください」
〇 醒めた目と、暖かい心。
人間は不完全なものだという醒めた目。この世も不完全なもの。 不完全なお互いが許し許され、愛し愛する。
不完全をしっかり見る醒めた目。
〇 人生にぽっかりと穴があくことがある。
穴をあけた人をうらむ。穴を防ごうとする。 しかし、も一つの方法は、人生にあいた穴をどのようにするかは自分の心で決める。
穴から今まで見えなかったものが見えて来る。 「天のお父様どんな不幸を吸っても、吐く息は感謝でありますように。
すべては恵みの呼吸でありますから」
〇 力に余る試練を神は与えられない。 へり下って祈ること。
〇 当たり前のことをありがたいと思っているか。 家族をありがたいと思っているか。これは大切なこと。
〇 自分自身が豊かに生きることが出来る自由とは。 許しがたい人を許す自由。
貧しい心の人生を送るか、心豊かな人生を送るかの自由。 ほほえめない中でほほ笑む自由。
穴のあいた中で感謝する自由。 時間の使い方はいのちの使い方。選ぶのは自由である。
〇 人生は戦いである。
人間は不完全なもの、この世は不完全なものだから、失望したり、絶望しないで、
倒れても何度も立ち上がる勇気。自分との戦いである。
〇 信頼しないこと。
一人格の人間は、別の人間を100%信頼することはできない。 ほどほどに信頼して許すこと。98%の信頼、2%で許す。
醒めた目と、暖かい心で。
〇 機嫌よく生きること。 自分が好きなこと。
機嫌の悪い人は人に腹を立てる前に、自分に腹を立てている。 自分を受け入れているか。愛しているか。
自分自身に対しても醒めた目で。自分を暖かく大切にする。
渡辺先生は、ノートルダム清心学園の理事長であり、永い間ノートルダム清心女子大学の学長として、教育の現場で働いてこられました。お父様は2.26事件の時、凶弾に倒れられた陸軍教育総監の渡辺錠太郎様です。目の前で父親の最期を見られたのです。
18歳でキリスト教の洗礼を受けられました。29歳でノートルダム修道女会に入会され、36
歳でノートルダム清心女子大学の学長になられました。
先生はお言葉どおり、「美しい人」であり「置かれた場所で」大輪の花を咲かせて、神様のもとに帰られました。
89歳の生涯を宗教者として、教育者として、謙虚でありながらも、偉大な仕事をされました。萬人に及ぼした影響はいかばかりか。その崇高な生き方には、ご両親の魂が入っていると思います。また、神様のお力が入っています。
先生ありがとうございました。 |