石鎚山(いしづちさん)

  2016年12月24日 記

 
 11月に娘と一緒に石鎚山に行って来ました。
一緒にというより連れて行ってもらったのです、介護付きで。
私の旅はいつも山の見えるところが多いのです。「山を見たい」という願望が強いものですから。

 石鎚山をネットで調べると、西日本の最高峰となっています。ええっ本当に?思い当たる山を調べてみると、
大山、阿蘇、屋久島の宮之浦岳などよりも高く1982mあります。
ちなみに宮之浦岳は1902mです。伯耆富士と言われる大山は1729mです。
頂上の天狗岳の形は鋭くとんがっていて傾いているのです。その急坂を登る人がいるのですから驚きです。
私などは高所恐怖症ですから写真を見るだけでクラクラと目が回ってしまいます。

もみじその1 11月の半ば、天候が安定しているかと思ったのですが、2泊3日の旅の天候は良好とは言えませんでした。
2日目に今治のホテルを出て、西条の駅前からバスに乗ってロープウエイを目指しました。1時間以上も山の中を走りましたが乗客は4人。四国の山深くバスは川に沿ってうねうねと走りますが、目の前の山々は絶好の紅葉でした。赤、オレンジ、緑、黄色と散りばめた色は鮮やかで、これこそ錦織りなすというのではありませんか。
 
 ロープウエイの乗り場も閑散としていていましたが、山頂駅(1280m)について驚きました。雲というか霧というかガスで視界は閉ざされていました。楽しみの山が見えないのは残念至極ですが仕方ありません。 駅の名は山頂ですがここからが登山です。娘は成就社まで歩いて行きましたが、私には無理で道が急勾配で転げ落ちそうな感じ。駅の構内に展示されている石鎚山の写真や絵を観ながら時を待ちました。

 ロープウエイは7分ほどですが、降りてみるとまたまた紅葉の世界でした。バス待ちの間、近くのお店のおじさんがいろいろ話をしてくれました。紅葉は今が一番の見ごろとのこと、1週間前は早いし1週間後では散り始めているでしょうとのこと。折角の山を見ることができず心残りですが、紅葉の洗礼を浴びて大満足というところですか。
こんな山奥で生活している人の暮らしはどんなでしょう。観光客も多くないし、冬は寒いだろうなど、思いは深くなります。その地で生まれた人は、そこが一番いいのでしょうね。もみじその2

 石鎚山は信仰の山で山伏さんの修行の聖地です。
日本には大峰山とか御嶽山とか戸隠など、修行場があります。私の友人の息子さんも山伏として勉強されているそうです。吉野の金峯山寺を根拠として法螺貝を吹いたり、装束も山伏の姿をされるそうです。

 帰りのバスで一緒だったおばさんは、松山から船で広島に帰られるそうですが、月に何度もお山に通っておられるとのこと。靴にわら縄をくくって歩いておられました。一心に信仰しておられる様子がよく分かりジーンときました。

 今の世の中では既存の宗教がかなり弱くなっているのではと思っていますが永い年月を経てきたものはそれだけの値打ちがあるものです。昔の人が、古くから守ってきたものを継承してくだされば、若い人にはたくさんの学びがあると思います。人間の崇高な知恵の結晶を残してくださっているのですから、先人の教えはよく守りたいものですね。

 石鎚山は変わった形をしていて、ホテルのあちこちに抽象画にした作品がありましたが私はホテルの庭から写生してみました。なかなか手ごわい山です。いつもそう思いながら恥ずかしいものを出しています。

石鎚山
錦秋の石鎚山  toshi 2016.12.4